2011年12月22日

2012/02/11 IJETプレイベント in 大阪 リターンズ!

9月17日の第一弾に続いて、2012年2月11日にまた大阪でIJETプレイベントを開催します。震災を経た後の今だからこそ第一部の吉富さんの話は興味深いものになりそうですし、前回は私がかなりオーバータイムしたために不完全燃焼に終わったパネルも第二部でかなりパワーアップして再登場。今度こそは深イイ話を2時間たっぷりお届けする予定です。

この週末は11日に大阪、12日に高松(詳細は後日発表)と二日連続で大忙しですが頑張ります。みなさん、どうぞ御参加を!

-----------------------------------

第一部:双方向のコミュニケーションのための“ことば”~地域社会における翻訳/通訳ということ~
講演者:吉富志津代

■講演者紹介

NPO法人 FMわいわい専務理事
NPO法人 多言語センターFACIL 理事長
その他、詳しいプロフィールはこちら

■講演概要

世界のグローバル化により、多様な住民で構成される地域社会において、阪神・
淡路大震災時を契機として始めた市民活動の経験から、社会におけるさまざまな
翻訳/通訳の実践例や東日本大震災の支援活動などを紹介し、地域社会の双方向
のコミュニケーションのための“ことば”の役割と、めざす多文化社会のあり方
を考える機会としたいと思います。

第二部:まずは年収500万!~いま、エージェントとの付き合い方を考える~

■パネルディスカッション概要

フリーランス翻訳者が納得できるレートで安定した収入を確保するには「ソースクライアント(翻訳を必要とする企業等)と直接取引する」ことが重要だと度々いわれます。ただ現実には、請求関係等の事務手続きを煩雑に感じる方や対人コミュニケーションがあまり得意ではない方もいるし、他にもスケジュール管理がしやすい、安定的に仕事を提供してくれるなどの理由から中間にエージェントを置くことを好む翻訳者が多数存在するのも確かです。本セッションでは翻訳会社社長、ソースクライアント、フリーランス翻訳者それぞれの視点から、「いま、エージェントとどう向き合うか/付き合うか」を議論し、当事者全員にメリットがある関係をどう構築できるかを検討します。

■パネリスト

石岡 映子(株式会社アスカコーポレーション 代表取締役社長)
立花 陽一郎(英日翻訳者)
山本 真実(英日翻訳者)
アレックス・ファレル(日英翻訳者)


日時:2012年2月11日 13:30~17:30
場所:貸会議室ユーズ・ツウ 会議室H
住所:大阪府大阪市北区梅田2-1-18 富士ビル4F

参加費:JAT会員は無料、一般は1,000円。

18時からハブ梅田茶屋町店で交流会を予定。

お申し込みはこちらのフォームから!




その他のお問い合わせはこちらからどうぞ

2011年12月21日

2012/01/21 常岡浩介講演会 in 沖縄



【講演概要】

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件に端を発したアフガニスタン紛争は10年を経た今も混沌極まりない状況が継続し、終結が全く見えない。そもそもアフガニスタン紛争とは何なのか?なぜ紛争は終わらないのか?各当事者の主張・利権は?日本で最もタフな戦場ジャーナリストと言っても過言ではない常岡浩介がアフガニスタンの現在を2時間じっくり語ります。

【講演者プロフィール】

戦場ジャーナリスト。1969年、長崎県島原市生まれ。早稲田大学卒業、長崎放送報道部記者を経て、1998年フリージャーナリストへ。

1998年からアフガン、エチオピア、チェチェン、イラクなどイスラム世界の戦場取材。2000年、イスラム教に改宗(改宗後の名前はシャミル)。2004年12月、ロシアで16日間拘束、国外退去処分。

2010年4月1日、アフガンで拉致・拘束され、5ヶ月後の9月4日に開放される。2011年9月17日、パキスタンで取材活動を行っていた最中、パキスタン当局に拘束され6日後に強制送還。

著書に『ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記』(平和・協同ジャーナリス ト基金奨励賞を受賞)、『常岡さん、人質になる。』ほか。

■日時

2012年1月21日(土) 午後4時~6時半

■場所

琉球新報本社 2階多目的ホール
沖縄県那覇市天久905


大きな地図で見る

※駐車場はないので、公共交通機関をご利用ください。

■入場料

1,000円

お申し込みはこちらから。





講演会の後には参加者限定の懇親会があります(先着順で30名程度、別料金)。

■主催・お問い合わせ

主催:沖縄アイデアラボ
お問い合わせは @okinawalab またはこちらのお問い合わせフォームから宜しくお願いします。

※ハッシュタグ #shamil0121 で常岡さんへの質問を募集中です。

2011年12月20日

今日の誤訳ネタ

1.副島さん、国際派を名乗るなら英訳タイトルも頑張ろうよ、と。


2.ネット弁慶

ネット弁慶の英訳を調べたら・・・


3.中国のマッサージタオルの訳が凄い件



「相手を見なさい」が深すぎる。

4.Google翻訳に下心


2011年11月22日

ATAが「Getting it Right」の通訳版を公開

ATA(American Translators Association)が数年前にTranslation: Getting it Rightという「翻訳とは何か、翻訳者はどんなことをする人なのか」について説明した初心者向けマニュアルを作成したのですが、これが好評だったようで、第二弾として通訳版が先日公開されました。

Interpreting: Getting it Right

私も翻訳・通訳という職業について学校等で講演をする時にベースとして使用しています。正確性と分かりやすさをしっかり両立している所がいかにも翻訳者の団体ですね(笑)。

2011年11月12日

12/3 翻訳・通訳忘年会

今年も翻訳者・通訳者向けの忘年会を開催します。といっても特に参加資格はなく、現役で活動されているプロでも、志望者(学生含む)でも参加OKです。参加された方はわかると思いますが、飲み食い中心のゆる~い集まりです!

■プログラム

19:00~21:00 ディナー

21:30~ デザート&ブックトレード

■メニュー

<前菜・アンティパスト>

魚介類のマリネサラダ
生ハムとモッツァレラチーズのロール
お魚(スズキ)のカルパッチョ

<ピッツァ>

クロトロ・フロマージュピッツァ
辛味ソーセージとニンニクのピッツァ
エビのピッツァ

<ドリア>

サーロインステーキの大鍋ドリア(今回の忘年会特別仕様です!)

<パスタ>

魚介のトマト風味手打ちパスタ
スパイスチーズのカルボナーラクリームパスタ
ラム肉と色々野菜のジンジャー風味パスタ

<ワイン>

赤(ネブリナ・カベルネ・ソーヴィニヨン)
白(ネブリナ・シャルドネ)

<ドリンク&デザート>

オレンジジュース、ウーロンティー、アールグレーティー、コーヒー(飲み放題)
デザートにケーキあり



定員:40名。申込受付順に登録。

●日時:2011年12月3日(土) 19:00~

●場所:カフェ・トラットリア Pino Vino
那覇市高良 3-3-17 コーポナガミネ1F TEL: 098-859-0415


大きな地図で見る

※駐車場は数台分しかありませんので、公共交通機関のご利用をお勧めします。

●会費:一般 3,500円

◇ キャンセルは7日前までにお願いします。それ以降については、会費を全額ご負担頂きます。

●必要なもの:笑顔と愛嬌

メールでのお問い合わせ

●ブックトレード

今回はブックトレード企画が復活します。読み終わっていらない本を一人2冊までご持参ください。他の参加者の本と交換できます。小説、マンガ、何でもOKです。

■お申し込み

2011年11月11日

第8回JAT新人翻訳者コンテスト

かなり告知が遅れてしまいましたが、第8回JAT新人翻訳者コンテストが既に始まっていました。応募締め切りは11月18日。週末頑張ればなんとななるかも、ですね。応募資格は翻訳経験3年以内(自己申告)で、誰でも応募できるオープンなコンテストです。審査員も実務経験が豊富なプロが揃っています。私が翻訳を始めた頃にこんなコンテストがあったらよかったのになあ。

第8回JAT新人翻訳者コンテスト

2011年10月17日

11月4日 津田大介講演会 in 沖縄


新聞・雑誌等の紙メディアの未来は?

ネットは音楽を殺したのか?未来型レーベルとは何か?

ソーシャルメディアは震災後の世界にどう影響を与えたのか?ソーシャルメディアは基地問題を解決できるのか?

気鋭のジャーナリスト・津田大介がネットを取り巻くメディアの現状を熱く語ります。沖縄初講演!

【講演者プロフィール】

ジャーナリスト。1973年生まれ。東京都北区出身。早稲田大学社会科学部卒。在学中からIT・ネットサービスやネットカルチャーをフィールドに、新聞、雑誌など多数の媒体に原稿を執筆。2002年に個人運営のブログ「音楽配信メモ」を立ち上げ、ジャーナリスト活動を開始。その後、文部科学省文化審議会著作権分科会の小委員会で専門委員を務め、著作権やコンテンツビジネスの動向について積極的に発言。2007年、インターネット先進ユーザーの会(MIAU、現インターネットユーザー協会)を設立。

ツイッターを使って、審議会や各種のシンポジウムの内容や参加者の発言をリアルタイムに実況する手法を日本においていち早く採り入れたことで知られ、ツイッターを使ってイベントを実況することを意味する「tsudaる」というネット用語の語源となっている。著書に『Twitter社会論』(洋水社新書)ほか、多数。2011年9月にメールマガジン『津田大介の「メディアの現場」』を創刊。

■日時

11月4日(金) 19:00~21:00

■場所

琉球新報本社 2階多目的ホール
沖縄県那覇市天久905


大きな地図で見る

駐車場はないので、公共交通機関をご利用ください。

■入場料

2,000円(先着順、キャパは約100名)

講演会の後には参加者限定の懇親会があります(先着順で30名程度、別料金)。申し込みは会場で。

■主催・お問い合わせ

主催:沖縄アイデアラボ
お問い合わせは @mikesekine まで宜しくお願いします。

※ハッシュタグ #tsuda1104 で津田さんに対する質問を募集中です。

2011年10月4日

Underdog は「勝ち目が薄い」?


ABCニュースの President Obama: America 'Not Better Off' Today than Four Years Ago から。

video platformvideo managementvideo solutionsvideo player

ここでオバマ大統領は自分のことをunderdogと表現しています。

Calling himself an "underdog," President Obama today said the faltering economy is a drag on his presidency and seriously impairing his chances of winning again in 2012.

"Absolutely," he said in response to a question from ABC News' George Stephanopoulos about whether the odds were against him come November 2012, given the economy. "I'm used to being the underdog. But at the end of the day people are going to ask -- who's got a vision?"

日本のメディアはこの訳に苦労したようで、ネット上には様々な表現が見受けられます。

朝日新聞産経新聞は「勝ち目薄い」とする中、日本経済新聞はアンダードッグという言葉をそのまま使いつつ「勝ち目の薄い候補」と補足しています。読売新聞は「劣勢には慣れている」としています。

個人的には読売新聞の表現が本来の意味に一番近いと思います。underdogをランダムハウス英語辞典で調べてみると「勝てそうもない人」、「勝ち目の薄い人」、「(争いなどの)敗者」、「負け犬」など言いたい放題ですが(笑)、実際のネイティブの語感としては、特にunderdogとされる本人がその言葉を発した場合はそこまでネガティブな意味が強くないケースがあります。むしろ文脈によっては「逆境の中でこそ私は本来の力を発揮できるんだ!」的な意味合いにもなります。

このインタビューでオバマ大統領は"...but at the end of the day people are going to ask -- who's got a vision..."と発言して自信を覗かせているので、彼自身はそこまで悲観していない。少なくとも「勝ち目が薄い」という表現は日本ではかなり意味が強く(もう心が折れてるような感じもする)、誤訳に近い印象があります。それよりはむしろ読売の「劣勢には慣れている」が日本語的に適切だと思います。

私でしたら「挑戦者の立場には慣れている」として、勝勢や敗勢(劣勢)という表現自体を避けたと思います。動画を観るとわかりますが、オバマ大統領は世論を真摯に受け止めつつも、最終的には国民の理解を得られると発言していますし、言葉の隅々にはっきりと自信が感じられますから。そういう文字に表れない文脈を汲み取ることもプロの翻訳者には求められると思います。

2011年9月26日

翻訳研究への招待6号

『翻訳研究への招待』6号が公開されています。

翻訳研究への招待

哲学畑出身の私としては岸正樹のベンヤミン関連の報告に期待。これからじっくり読んでみます。

それにしても、ウェブに完全移行してから、おそらく編集作業などは容易になったのだろうけど、最新号の公開があまりにもひっそりすぎて見逃しそうだ。もう少し広く告知してほしいものだが。

2011年9月25日

米弁護士向けの通訳ガイド

「司法通訳ってなに?」を米弁護士向けに解説したパワーポイントです。NAJITの小委員会が作成したもので、おそらくNAJIT会員が司法通訳についてド素人に説明するためのたたき台スライドとしての活用が期待されるでしょう。例えばreal and perceived errorsの違いに気付いていない人は結構いますし。

いつか司法通訳について講演することがあったら、私が日本語版を作成しましょうか……

Interpreting in a Legal Setting: A Guide for the Attorney

2011年9月24日

PROJECT名古屋 2011

日本翻訳者協会主催のPROJECTですが、今年は名古屋で開催です。IJETがどちらかといえば既にプロとして活動している翻訳者・通訳者向けのイベントであるのに対し、PROJECTは初心者向けの内容で参加費もお手頃ですので、「翻訳・通訳を仕事にしたいけど、どんな業界なのかなあ」程度の漠然として考えを持っている方も参加して楽しめると思います。

日本翻訳者協会はこの秋、プロジェクト名古屋2011を開催いたします。このイベントは翻訳者と通訳者のためのワンデーワークショップで、今年で4回目の開催を迎えます。皆様の御参加をお待ちしております。
今回のテーマは「通翻訳業の実務ノウハウ」。プロジェクト名古屋2011は皆様に「なるほど」と思っていただけるような12のワークショップとプレゼンテーションから成り、翻訳業と通訳業についての実践的な内容をご紹介いたします。翻訳と通訳の理論から実践まで、あるいは起業・独立から安定した経営方法などプロジェクト名古屋では皆様が関心をお持ちのトピックを幅広く取り上げます。

日時 2011年11月12日(土)9:30~16:45

場所
• 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
• 名古屋駅より徒歩5分

参加費
• 日本翻訳者協会会員:7,000円
• 一般:8,000円

交流会 17:30~19:30 (参加費5,000円) 2011年に日本翻訳者協会が主催する最大のネットワーキング・パーティーです。翻訳・通訳業界の第一線で活躍する人たちと食事をしながら交流を深めましょう。翻訳者、通訳者、編集者、翻訳会社・通訳会社、学生、コーディネーター、新人の方、皆様を歓迎いたします!(ウエブサイトで参加申込時に、一緒にお申し込みください。)

申し込みなど詳細は下記のリンクから。

PROJECT Nagoya 2011

2011年9月23日

ロケットニュース24が翻訳記事の専門ライターを募集中。

ロケットニュース24 翻訳記事の専門ライター募集

【条件】
ロケットニュース24では今まで、住む地域を選ばす募集をしてきましたが、今回は、編集部内でのミーティングなど、リアルなコミュニケーションを重視したいため、基本的には関東在住でお願いしたいと思っております(可能であれば、週一回程度で新宿まで通える方だと嬉しいです)。また、英語記事の読解能力があり、それを翻訳し日本語の記事として置き換える能力をお持ちの方、最後に定期的(※)に記事を書いて頂ける方を優遇したいと思います。
(※)1日1本として、月に30本以上

【報酬】
一つ記事に対して報酬をお支払いたします。土台となる基本報酬は経験、能力によって考慮いたします。またTwitteでのツイート数、はてなブックマークでのブックマーク数などをインセンティブとして、基本報酬に加算いたします。なお、「月50本でいくらいくら」といった月極めでお支払することも場合によっては可能です。

【ロケットニュース24で記事を書くメリット】
ロケットニュース24は、MSN Japan、Yahoo! ネタりか、ライブドア、エキサイト、サーチナ、モバゲータウン、NEWSCAFE、読めるモニュース、エフルートなど、多数のポータルサイトに記事を提供しているため、多くの読者に読んでいただけます。またご自身の記事の最後に、記者名とブログやTwitterへのリンクを掲載できるため、自己のブランディングに繋がります。

おそらく高収入は見込めませんが、そこまで厳密な翻訳を求められていない事と(翻訳者ではなくライターというくくりですし)、とりあえず自分が楽しめる素材を中心に翻訳の腕を磨きたい方には面白い仕事なのではと思います。

2011年9月22日

長編映画『カラカラ』 翻訳者・通訳者募集

11月にクランクイン予定の沖縄・カナダ正式共同製作映画『カラカラ』(クロード・ガニオン監督)が翻訳事務と現場通訳者を募集しています。

人生の岐路に立つ、迷子の大人たち。オール沖縄ロケのロードムービー

お人好しのカナダ人ピエール(ガブリエル・アルカン)は滞在先の沖縄で、道に迷ったところを移住者の純子(工藤夕貴)と友人明美に助けられ、意気投合する。一期一会の関係だと思っていたが、翌日、夫から逃げた純子が、ピエールの小旅行について行くことに。 南城市~那覇~北谷~伊是名島~伊平屋島、そして芭蕉布で知られる大宜味・喜如嘉の沖縄の旅を通じ大人たちの家出が軽快に描かれる。

条件は沖縄本島に住んでいることと、普通運転免許を所持していること。報酬的にはあまり高くないのが業界の慣習ですが、映画業界を学ぶ、または通訳の仕事を現場で学ぶ第一歩がほしい方にはピッタリだと思います。

長編映画『カラカラ』 翻訳者・通訳者募集

2011年9月21日

前川企画印刷でブロガー名刺を作る。

ツイッターでお世話になっている@sei_nさんのブログで紹介されていた前川企画印刷さんでブロガー名刺を作成しました。オフ会でお堅~い名刺を手渡すのはちょっと芸がないなあと以前から考えていたので、この機会に「緩さ」と「可愛さ」全面的に出した名刺を作るぞ!と、プランナーの中尾さんに協力していただきました。とにかく安い。仕事が速い。かといって仕事が雑ではなく、細かな配慮もある。もうブロガー名刺はここが優勝ということでいいのでは。


僕と実際に会ったことがある人はドン引きするかもしれませんが(笑)、これで女性ファン二割増は確実だね、と勝手読みしています。

17日の大阪イベントには持っていくのを忘れた、というのは愛嬌で許していただくとして、今後のオフ会では積極的にバラまいていくつもりなので宜しくお願いします。

2011年9月16日

モダンウォーフェア3の破壊力はすごい!


昨日、今日と東京ゲームショウ(TGS)で通訳してきました。もちろん守秘義務があるので業務について細かい内容を書くことはできないのですが、ゲームの宣伝も兼ねているので(笑)、ちょこっとだけ記事にしようと思います。

今回は日本で11月17日に発売が予定されているコール・オブ・デューティーの最新作、『モダンウォーフェア3』を宣伝するためにアメリカから来日した開発者・製作者たちの通訳をしました。FPS(ファーストパーソンシューティング)というゲームジャンルは日本よりも欧米の方が人気があるのですが、『モダンウォーフェア』シリーズは日本でもかなりのファンベースがあるゲームで、実は私も第一作からすべて買って持っています。まずはトレーラーをどうぞ。



自分が遊んだゲームの開発チームに付いて通訳し、メッセージを届けるお手伝いをするというのは感慨深いものです。2010年は別の会社についてTGSで通訳したのですが、ゲーム業界は裏舞台も色々あって本当に面白い。小さな演出にもこだわりを見せるプロの仕事を勉強させてもらいました。本来であれば翌日のプレミアムパーティーでも通訳したかったのですが、既に他の仕事が入っていたので本当に残念(受けていればニコニコ生放送デビューだった)。でも、これは絶対に購入して遊びます。

ちなみに担当者から「ゲームのことを知ってる通訳者はあまりいないんだよねえ」的なことを言われたのですが、それならファミコンやPCエンジン、ディスクシステムの時代からゲームファンの私を毎年呼ぶべきしょう(笑)。ゲーム愛がありますからね!

2011年9月12日

通訳・翻訳に警察が3年で使った額は8200万ポンド

Onlineジャーニー(Japan Journals)に掲載された記事。元記事は英メトロ紙です。
8/31 通訳・翻訳に警察が3年で使った額は8200万ポンド!
2011年 8月 31日(水曜日) 18:30

英警察署が過去3年間に通訳や翻訳のために費やした金額は8,200万ポンドにものぼることが統計で分かった。「メトロ」紙が伝えた。この合計額は、毎年新たな巡査を3,542人雇える金額という。

これは『「Police Review」誌からの『情報公開法』にもとづく要求により、明らかにされたもの。
5,000人が登録している、通訳斡旋会社「Prestige Network」によると、英語を母国語としない移民が増えているため、2003年以来、英警察が必要としている通訳の需要は64%も増加しているという。

英国内で使用される言語は300ヵ国語以上に及ぶが、そのなかで最も多様な言語が話されるのはロンドンになっている。

ロンドン警視庁は通訳・翻訳に割いた額が最も多く、2008年以来2,930万ポンドを費やしている。この費用には、対面の通訳や電話での通訳、書類の翻訳などが含まれている。

英国国家警察改善局「National Policing Improvement Agency」では、経費節減のため、通訳・翻訳料を減らすべく努力していると説明した。

昨年、テリーザ・メイ内相は、EU加盟国以外からの移民すべてに対し、ビザを取得する前に基本的な英語を学ぶことを義務付ける方針を打ち出している。

金額だけを見ると「使いすぎじゃないか」という印象を受けるかもしれないが、エージェントへ支払うマージンを抜いてしまえば(つまり翻訳者・通訳者と直接契約すれば)予算を減らすどころか、同じ予算でもっと多くの人材を雇えるかもしれない。安易に減額するのではなく、システムやアーキテクチャの問題点をしっかり検証しないと単にサービスの質が低下するだけではないか。

2011年9月10日

オンライン通訳研究会

今夜10時からオンラインで通訳研究会が開催されます。議論に参加するにはツイッターアカウントが必要です。学術的な色が強いので初心者には難しい内容になると予想されますが、ROM参加でもOKなのでぜひ。公式言語は英語です。課題論文を事前に読んでおかないと「ハァ?」な展開になること確実なので、その辺は予めご了承を。

News: #IntJC Session 1 will take place on Saturday September 10 from 10 pm Tokyo time, for a duration of about one hour. Participation is open to the whole world of interpreters and interested parties. Read more about it in the tag above "How to participate"

The text to be discussed is "PERSONALITY CHARACTERISTICS OF INTERPRETER TRAINEES: THE MYERS-BRIGGS TYPE INDICATOR (MBTI), by Nancy Schweda Nicholson University of Delaware.

#IntJC Session

2011年8月31日

アカデミーサイトをリニューアルしました・・・というか真っ最中!

主に沖縄県内での翻訳・通訳の普及を目的として2002年から不定期で講座やワークショップを開催しているのですが、現在その活動専用のサイトをリニューアル中です。

沖縄翻訳通訳アカデミー

サイトのリニューアルを記念して(笑)、講座を開催します。とりあえず来月(9月)に翻訳・通訳講座を一つずつ。詳細はすでに公開済みですので、下記のリンクからどうぞ。

9月24日 翻訳者のための検索講座

9月25日 日英通訳講座 村上隆の芸術実践論

今後も地味に普及活動を展開していく予定ですので、宜しくお願いいたします。

2011年8月26日

中国でTwitterとFacebookが使えるとは!

中国海南省第二の都市、三亜市で開催されたIT系の国際会議で通訳してきました。中国有数のリゾート地なのです。仕事はかなりハードだったのですが、夜は美味しい食事を頂いて、食後はビーチを散歩したりなどして(沖縄とはまた違う癒しがあります)、夏の終わりの仕事としてはなかなか良かったなあと思っています。とりあえず写真中心のエントリーということで。


リゾート地なので部屋もデラックスです。ツイッターでは「部屋にベッドが二つある!誰が一緒にいるんだ!」とツッコミが入りましたが、リゾートホテルにシングルルームはありません(笑)。

到着してiPadをいじっていたら、なんとTwitterやFacebookなどのSNSにアクセスできるということに気付いた。規制が厳しい中国だけに、これには本当にビックリ。


同通ブース。今回のパートナーはボッシュ製の同通機材を使うのが初めてらしく、リハーサルの時に念入りにチェックしてました。


中国語の通訳者です。全部で6人いました。


休憩中のスナック。お菓子とフルーツが基本ですが、春巻きとかもありました。


通訳者も屋外の晩餐会に混じって食事をとったのですが、これが豪華で美味しかった・・・

今後は中国を含む東南アジアのマーケットに力を入れていくつもりです。

2011年8月19日

【関西講演】 フリーランス2.0~新しい情報環境と市場における「振る舞い」

9月17日に大阪・梅田で講演します。詳細は以下の通り。日本翻訳者協会主催のイベントですので具体例等は翻訳者・通訳者向けですが、本質的には、フリーランスなら誰でも応用できる内容です。ぜひ御参加を!

-----------------------------------

第一部:フリーランス2.0~新しい情報環境と市場における「振る舞い」
講演者:関根マイク

■講演者紹介
フリーランス翻訳者、会議通訳者。忘れた頃に法廷通訳人。勝負より芸に生きるタイプ。机の前で奇跡を待ち続ける「のび太的セカイ系」に憧れつつも、基本的に祭り好きなので引きこもれない。英文和訳で(laughs)を www と訳すチャンスを虎視眈々と狙っている。

■講演概要

1.現代アートになぜ一億円の値段がつくのか
   ・黒真珠の価格設定
   ・自分という文脈、市場という文脈
   ・技術だけで生き残れるのか

2.市場における振る舞い
   ・まつきあゆむと音楽「直販」の時代
   ・あなたは「翻訳者」でいいのか?
   ・翻訳者のレートが上がらない本当の理由

3.ソーシャル、キュレーション、情報のハブ
   ・ソーシャルメディア
   ・ロングテールと長期投資
   ・ミドルメディアの時代

4.ブランディングの具体例

5.Q&A

第二部:「不況の中できること、すべきこと」
パネルディスカッション

日時:2011年9月17日 13:30~16:30
場所:阪急グランドビル26階会議室11
住所:大阪市北区角田町8番47号

参加費:JAT会員は無料、一般は1,000円 事前申し込みは必要ありません。

17時からハブ梅田茶屋町店で交流会を予定。

お問い合わせはこちらまで:kat@jat.org

2011年8月18日

第12回 日本通訳翻訳学会年次大会

今年は神戸で開催です。

--------------------------------------

第12回 日本通訳翻訳学会年次大会

2011年9月10日(土)・11日(日)
神戸大学鶴甲第1キャンパス

<第1日目>
会場:神戸大学鶴甲第1キャンパス

基調講演 「身体としてのことば-「スタイル」の限界-」
定延利之(神戸大学大学院国際文化学研究科教授)

総会

研究発表 [午後]

<第2日目>
会場:神戸大学鶴甲第1キャンパス

研究発表 [午前・午後]

プログラム

発表趣旨

2011年8月17日

「裁判員裁判における言語使用と判断への影響の学融的研究」国際シンポ

これに参加予定です。国際シンポなので、日本人による朝の発表も英語なのかなと期待してたり。

----------------------------------------------

日本学術振興会科学研究費補助金・新学術領域研究
「裁判員裁判における言語使用と判断への影響の学融的研究」国際シンポジウム
Language in the Judicial Process: Its Implications for Lay Participation

Date and Time: September 18, 2011, 10:00~16:00
Place: Kyoto Garden Palace, Room GION (京都ガーデンパレス 祇園の間)

Morning Session (午前の部)

“How Do Linguistic Factors Influence Decision-Making by Lay Participants?”


Participants
Syûgo Hotta [堀田秀吾] (Meiji University)
Mami Okawara [大河原眞美]( Takasaki City University of Economics)
Gishu Watanabe [渡辺顗修](Attorney and Konan Law School)
Makiko Mizuno [水野真木子](Kinjo Gakuin University)
Sachiko Nakamura [中村幸子](Aichi Gakuin University)

Afternoon Session (午後の部)  

Invited Speakers

Judith N. Levi (Professor Emeritus, Northwestern University, U.S.A.)

“How Courtroom Language Makes the Jurors' Task More Difficult: Some Language Variables Affecting Jurors' Performance in the USA”

Sandra Hale (Professor, University of New South Wales, Australia)

“Educating judges, magistrates and tribunal members on how to work with interpreters effectively”

(午後の部には通訳あるいは翻訳が付きます)

Moderator: Takeshi Hashiuchi(Momoyama Gakuin University)

参加無料: 参加を希望される方は hotta@kisc.meiji.ac.jp (堀田)までご連絡をおねがいします。

(共催: 法と言語学会・法と言語科学研究所)

2011年8月16日

法と言語 学会2011 年度年次大会のご案内

裁判を傍聴した神谷記者を招いての特別シンポが今年の目玉ですね。私は参加するかまだわかりませんが。

---------------------------------------------------

法と言語 学会2011 年度年次大会のご案内

■日時 2011年12 月10 日(土) 午前10:15 受付開始 (大会プログラムは10:45 開始)

■会場 金城学院大学(詳細につきましてはプログラムが確定し次第、ご連絡いたします)

■予定プログラム
<特別シンポジウム> (10:45 ~ 12:00)

「リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件における通訳問題」
神谷説子(ジャパンタイムズ記者)
水野真木子(金城学院大学)
堀田秀吾(明治大学) 

<研究発表 (口頭発表・ワークショップ)>(13:00 ~ 15:30)

■大会までのスケジュール(発表申し込みから発表までの流れ)
9 月30 日 発表申し込み締め切り (事務局必着)
10 月中旬 査読結果通知・ホームページ上でプログラム案発表
11 月25 日 予稿集原稿締め切り
12 月10 日(土) 第3 回大会

■発表応募要領
MS Wordファイルまたはテキストファイルの形式で、ご氏名、ご所属、電子メールアドレス、報告のタイトル、ご希望の発表形式(口頭報告、ワークショップ、 シンポジウム)、および要旨300字程度をご記入の上、9月31日までに事務局まで電子メールまたは郵送でお送りください。なお、ワークショップ /シンポジウムを企画される方は、報告予定者のご氏名もご記入ください。口頭報告をご希望の方も、査読結果によってはポスター報告という形式でお 願いすることがあります。なお、採用された方は、11月25日までにA4サイズ1枚程度の予稿集用原稿も提出していただきます。

■事務局
〒168-8555 東京都杉並区永福1-9-1 
明治大学法学部堀田秀吾研究室内 
法と言語学会事務局

電子メール:hotta@kisc.meiji.ac.jp
電話・FAX:03-5300-1383

■参加費等
大会参加費: 正会員・学生会員無料 非会員:3,000円
懇親会費 4,000 円程度

2011年8月15日

リンクトイン(LinkedIn)に取り組んでみる。


色々あってこれまで放置してきたリンクトインですが(SNSが増えすぎて管理が面倒なのが一番の理由かもしれない)、このたび本格的に活動を開始しました。日本ではまだ普及しておらず、個人的にはブレイクしないだろうと考えているのですが、海外のクライアントを増やすためには使えるかもしれません。震災前は主に国内クライアントを重視した戦略だったのですが、やはり3.11の後は戦略転換を迫られましたしね。

とりあえず下記の2グループを中心に活動する予定です。会員の方はよろしくです。

Japanese-English Translation
Japanese-English Interpreters

World's Largest Professional Network | LinkedIn

2011年8月12日

日本法廷通訳人協会(仮)を創設しました。


数年前からマイペースながら関東や関西の法廷通訳人を勾留…もとい交流をしてきているのだが、横のつながりを維持するにはオンラインでの交流の場が必要だと感じていたので、先日フェースブックでグループを作成しました。名称はどうせだからかっこよくということで(笑)。当面はメンバー間の交流と法廷通訳関係のイベント開催をメインに動いていく予定です。すでに東京、大阪、名古屋、広島等の通訳人が集まっています。

入会資格は現役の法廷通訳人であること。つまり裁判所の通訳人名簿に登載されている方であれば誰でも参加できます。会費などはないので、ぜひ御参加ください。必要なのはフェースブックのアカウントだけです。

日本法廷通訳人協会(仮)Facebook グループ

2011年8月11日

松本道弘 1日英語特訓セミナー

イケメンの友人からイベントのお知らせです。

『琉球紘道館主催第4回 松本道弘 1日英語特訓セミナー』

■日時 

平成23年9月10日(土)午前9時~午後5時(休憩、昼食時間含む)

■場所

あやかりの杜 沖縄県中頭郡北中城村字喜舎場1214(098-983-8060)

■定員・参加費

定員20名、8,000円(大学院以下で学生証をお持ちの方は6,000円)

セミナーの内容は松本道弘氏による講義、同時通訳訓練、バイリンガルディベート、タイム誌からの斬れる英語表現解説などです。

申し込み窓口は、比嘉光旦です。
携帯   090-1944-8426
メール ishigantoo_24_soul@yahoo.co.jp

詳細はこちらから

2011年8月10日

日本翻訳者協会のサイトがリニューアル


日本翻訳者協会のウェブサイトがリニューアルされました。前バージョンはプログラマーの会員がほぼボランティアのような感じで作成したので外観は超シンプルで(ダサいと言う会員もいましたが)、機能性を最重視していたのですが、今回の大幅リニューアルはプロの制作会社に開発を委託したようです。コンテンツ管理も容易になったとか。今後は動画コンテンツも増えることはもちろん、高いソーシャル性も期待されるでしょうから、そういう意味では新時代に対応するためのサイト構成にスイッチしたとも言えるでしょう。

日本翻訳者協会(Japan Association of Translators)

2011年8月9日

久々に講師業してきました。


沖縄キリスト教学院が毎夏主催する同時通訳集中講座で教えてきた。最近は翻訳・通訳の普及活動もサボり気味で、あらゆる意味で教育現場から離れていたので、これはいかん、気合を入れねばと朝からエンジン全開でトークしていたら翌日になっても疲労が抜けないくらい疲れた。というか、単純にもう若くない。

キリ学のキャンパスを訪れるのもたぶん4年ぶりくらいだと思うのだけど、同時通訳を学ぶためのハードやソフトが結構揃っていて、キリ学がこれを目玉にしていこうという本気度が伝わってきた。もちろん教育は教師と学生のコミュニケーション、つまり人間がベースになるわけだが、ベター、いやベストの道具を揃えるに越したことはない。定員割れの大学が増える中、キリ学は設備投資に売ってでたわけだが、吉とでるか凶とでるか。内田樹は『街場の大学論』で「大学が生き残るにはダウンサイズが最善」と主張していた。もちろん単純な予算削減ではなく、得意分野にリソースを集中させて資源の効率化を図るダウンサイジングだ。私もこれには基本的に賛成で、なんでもかんでも学生を入学させるのが良いとは思わないし、大学の差別化を図ることで生き残る大学が増えるのではと考えている。

閑話休題。同時通訳クラスの話だが、事前の打ち合わせでは上級クラスの実力は一部かなり凄いと聞いていたので、私もしっかり準備して、ある意味道場破り的な決意で教室に乗り込んだのだが、少なくとも開講2週間前に資料を配付してあったにもかかわらず最低限の準備をしてきた人は約2名。こういうのは授業で訳を聞くとすぐに分かります、というかバレバレです。通訳者としての心構え以前の問題で、ちょっと予習しようよ…という感じ。教える私も真面目に準備してるのだから。予習なしでもむき出しの才能でそこそこの形に仕上げる学生もいたが、やはり全体的に見ると拍子抜けの感が否めない。残念。

初級クラスは専門的な通訳技法というより、英語・英会話クラスの延長というか、やはりレベル的に難があるので難しいことは教えられない。みんないい子なのだけど。一つ驚いたのは、今回は三島由紀夫を題材にした教材を選んだのだけど、学生が誰一人として三島を読んだことがなかったこと。『金閣寺』も知らないし、彼とホモセクシュアリティの関係性についても知らない。このすさまじい現実に唖然としつつも、来年また呼ばれたら井坂幸太郎とか東野圭吾、いやケータイ小説を使ってみるかと思ってみたり。三島を知らないのはもったいないけど、短期の講座でぶつぶつ言っても何も始まらないし、ここは学生の興味・関心に合わせるのが一番なのかなと。

こう書いたら講座自体が大失敗な印象を持つかもしれないが(今年は台風9号が直撃したのでスケジュールが大幅に変更されて、かなり厳しい内容にはなったけど…)、そうではなくて、やはり学生はみんないい子だし、中には学習意欲が溢れに溢れて爆発寸前のアツい学生もいた。お手頃な費用で集中的に学べる環境を提供していることには間違いない。ただもう少し運営側が工夫して学生全体の予習・復習を促すとか、教える側と学ぶ側の距離感を近づけるとか、もっと色々できることがあるのではないかと思う。

私が何を得たかといえば、まあそれなりの刺激はあって、そろそろ普及活動を本気で復活させようかなと考えている。教えることは大きなエネルギーを必要とするので、正直それほどのお金にはならない。時間と労働コスト、機会費用などを考慮したらむしろ毎回赤字だ。でも沖縄では教える人が少ないので、私が教えないと若手が育たないし、そういう意味で普及活動は一つの重要な社会奉仕活動でもある。そんなわけで近日中に講座サイトのリニューアルをして頑張っていく予定なので宜しくお願いします・・・!

2011年8月8日

24時間営業の作業スペースが原宿にオープン

ツイッターの翻訳クラスタで「外ほん」、つまり集まって外で翻訳することが一つのミニトレンドになっているようですが、聞くところによると参加者全員が電源を確保できる場所はあまりないとのこと。そこはなんとか携帯電源で耐えるらしいですが、やはり全員が電源使えた方が良いに決まってますよね。何時間も作業するわけですし。そんなニーズを満たす快適オフィスが原宿に最近オープンしました。24時間営業、洗練されたインテリアデザイン、利用料金はなんと30分190円!

THE TERMINAL
東京都渋谷区神宮前3-22-12 3F

ターミナルってどんな場所ですか?

インターネットできます。

電源使えます。
コピーとれます。
プレゼンできます。
打ち合わせできます。
待ち合わせもできます。
本読めます。
音楽聴けます。
パニーニ食べられます。
コーヒー飲めます。
ビールも飲めます。
屋上でタバコ吸えます。
24時間営業しています。

みなさまのご来店をお待ちしております。

深夜5時間パックで1,500円ですから、仕事メインの人はマンガ喫茶よりもお得な感じですね。私も今後の出張では利用を考えています。

2011年8月5日

iPad 2の基本アプリ

iPad 2を購入して数ヶ月経ち、基本アプリも大体決まってきたので、とりあえず現時点での記録として公開しておきます。1年後は大きく変わっているかもしれないが、そもそも私はiPadを1)情報収集と2)通訳資料の保管という目的でしか使用していないので、現在使用している基本アプリを機能で圧倒的に上回るアプリが出てこなければ今後も全く変わらないかもしれない。通訳現場では既にその威力を発揮していて、生産性もかなりアップした実感があるし、以前であればノートパソコンを持参したような案件でも今はiPadで十分。というか軽さと起動時間を考えれば一本勝ちな気がしないでもない。

Evernote

五藤隆介さんのように徹底的に活用できてはいませんが、私は自分のポートフォリオ(過去にメディアで紹介された記事)や記録として残しておきたい新聞・雑誌記事などを保存しています。あとは出張時のスケジュール、フライト情報、レストラン情報など。iPhoneでも使えるのですが、iPadは画面が大きい分だけ使い勝手もよい。

GoodReader for iPad

主にPDF化した通訳資料の保管場所。iPhone版とは別に購入が必要だが、それだけの価値はある。似たようなアプリが多い中で、リリースからずっと支持されているのはやはり使い易さと高い機能性だろう。

大辞林

2009年にグッドデザイン賞を受賞したアプリは伊達じゃない。無駄を削ぎ落としたクリーンなUI、ゲームで遊んでいるような操作性。一つのことを調べるつもりが、ついつい読みふけってしまうことも。アプリに500円以上払ったら基本負けだと思っている私も納得の2500円です。

USA Today for iPad

新聞の質で言えばUSA TodayはNew York TimesやWashingon Post、いやHuffington Postにも敵わないかもしれませんが、アプリの完成度でいえば一歩リードしています。写真や動画も豊富。ディープな評論を求めていなければ、アメリカのニュースはこれで十分かもしれません。無料で広告も少ないです。

Flipboard

Twitter、Facebook、Flickr、Instagram 、LinkedIn、Googleリーダー等の情報コンテンツをまとめてレイアウトし、ソーシャルメディアを雑誌を読むような感覚で活用できるアプリ。当然のことながらコメント投稿、共有、お気に入り登録などもできる。

SQuestions

英語圏でのQ&Aサイトといったら今やQuoraしかない。そのQuoraをiPad(iPhone版もある)で利用できる非公式アプリ。非公式といってもかなりの完成度であり、おそらく公式アプリを出す意味がなくなったというのが実情かもしれない。私は基本ROMなのだが、特にIT関係のやりとりはディープで興味深い。

Tweed

リンク付きのツイートだけを抽出して並べるアプリ。単純だが情報収集ツールとしては破壊力大。

Voice Memos for iPad


録音しながらメモがとれる(マルチタスクができる)。他のアプリと比較して音質が高いのが魅力。

DraftPad

この記事を読んで使い始めた。デフォのメモアプリにはない充実したアプリ連携が素晴らしい。

i文庫HD

2010年度グッドデザイン賞受賞。太宰治、芥川龍之介、夏目漱石など著名な作家の代表作や絵本など、230冊を内蔵書籍として収録し、その他の青空文庫作品もダウンロードして閲覧できる。今後買うマンガは裁断してこれに保存しようかと考えています。

Wikipanion


iPad専用のWikipediaブラウザー。似たようなアプリはいくつかあるので使ってみて一番しっくりするものを使えばいい。いずれにしても翻訳者にとってWikipediaブラウザーは必須。

iPhoneアプリも参考にどうぞ。基本アプリ今も変わっていません。

2011年8月4日

ファイル送信はSendoidがいいかも。


先日、付き合いがある会社から翻訳の依頼を受けたのだが、作業に必要な資料ファイル(動画)の受信が遅れるという事態があった。というのは、この会社がいつも利用しているファイル送信サービスがダウンしてしまったのだが、他サービスの利用経験が全くなかったため、容量制限やセキュリティの点等をクリアできる代替サービスを探すのに時間がかかってしまったとか。確かにウェブ上のファイル送信サービスはの多くは、200MB~300MBを越える大きなファイルの送受信にあまり寛容ではないですね(笑)。

そこでつい最近注目されているSendoidを紹介します・・・と言いたいところですが、TechCrunchの紹介記事を読んだ方が早いですね(笑)。私は今のところSugarSyncMediaFireを使い分けているのですが、今後はSendoidの使用頻度が高まりそうです。

Sendoid - the fast, private way to share any file

2011年8月3日

弁護士のための「通訳人の使い方」

誰か日本語に翻訳してくれないかな、と最近思っている記事がこれ。というか暇ができたらこれをベースに日本バージョンを作成しようと考えています。

For Attorneys: Examining Witnesses Through an Interpreter

地方裁判所の通訳課が弁護士向けに通訳人の使い方について様々なヒント・提案をまとめています。通訳人の準備をもっとも重要としている点はかなり評価できるし、具体的な項目も提示している。

Attorney Checklist for Interpreted Testimony

When briefing the interpreter, be sure to mention:

1. What the case is about: names and nicknames, places, overall plot; what piece of the proceeding the interpreter will be needed for;

2. Any documents likely to be referred to or shown to the witness;

3. Where the witness is from, how many years he or she has lived in U.S. (The witness may use some Anglicisms, whether correctly or incorrectly, and the interpreter should be forewarned);

4. Educational level of witness, any speech defects or particularities;

5. Numbers that may come up: addresses, amount of drugs or money, telephone numbers that will repeatedly be referred to, account numbers, etc.;

6. Any physical evidence that will be referred to or shown to the witness;

7. Any emotional factors that may affect the witness's concentration or delivery: mental problems, fear, jumpiness, etc.;

8. Any key words (descriptions, disputed dialog, slang, code words, etc.) that may be elicited in the testimony.

日本の裁判手続きにおいて、通訳人は通訳パフォーマンスのみならず、その「振る舞い」にも高度の客観性・中立性が求められている感がある。つまり、裁判官が公判において証人の証言を初めて聞いて判断するように、通訳人が事前に証人と話して準備することは許されてない。いや、厳密には違法ではないかもしれないが(最終的に通訳が正確であれば良いという見方もできる)、イメージとしての中立性がもはや確保できなくなる可能性が高い。通訳人としては、ただ証人の話し方の特徴を確認して慣れておきたいというのが一番大きな理由なのだが。

What to Do about Mistakes

Interpreters are not immune to mistakes, slips of the tongue, mental blanks, or memory lapses.

「通訳人は人間だから間違える」という当たり前の事実を出発点とし、では何ができるかと展開する形は現実的かつ合理的。最近のメディアは些細なミスを裁判の行方を左右する重大なミスのように報道することがあるようですが、もう少し責任をもって正しく現状を伝えてほしいですね。

2011年8月2日

「キャラ」を与える難しさ

Studios try to lessen what's lost in translationを読んで改めて感じたのが、映像翻訳の仕上がりはキャラのイメージに多大な影響を与えるということ(当然といえば当然なのですがが)。私も字幕を手がける時は神経を使います。

Pixar Animation's "Cars 2" went out this summer in 44 different languages. And every country faced the same problem when it came to dubbing the aw-shucks ramblings of one of the movie's lead characters — the country bumpkin tow truck Mater, voiced in the movie by Larry the Cable Guy.

"Mater's kind of a redneck, but that means nothing to anyone overseas because they don't have that particular vocal culture," says Rick Dempsey, senior vice president of Disney Character Voices. "So we had to figure out what region of Germany, for example, has more of an uneducated population without being offensive."

『カース2』のメーターはオンボロの牽引トラックで、映画ではかなり田舎者で「低学歴」設定なのですが、日本はアメリカのように学歴と貧富の差が激しくないので、このキャラのオリジナル設定をそのまま持ちこもうとするとかなり無理がある。数年前に芸人のはなわが佐賀県をパロディ化した歌で人気を獲得したケースがなんとなく近いイメージかもしれませんが、まだ距離感が全然違う。方言を使ったら映画を楽しめないし、色々と問題だらけなのです。

Both translation processes pose particular challenges, most notably for talky comedies, especially the crop of raunchy, R-rated versions out this summer. Translators using subtitles must condense dialogue, cutting proper names and modifiers to maintain the gist of what's being said without overwhelming the audience with too many words to read.

映画作品を観る人は「何が書かれているか」に着目しますが(そしてそれは自然なことですが)、字幕を制作するプロは常に「何を書かないか」、つまり何を削るかで悩む方が多いような気がします。

Studios try to lessen what's lost in translation

2011年8月1日

【英文ライティング】無視してもよい5つのルール

私の高校時代の英語教師はかなり厳しい方で、文法もスタイルも保守的なアプローチを徹底し、私も含めて学生の課題はいつもすべて真っ赤になって返ってきたことを覚えています。基本に忠実というよりはルールに異常ままでに執着していると言った方が的確かもしれません(もっとも、全くと言っていいほど勉強しなかった私の評価に説得力は微塵もないのですが)。もう時効気味なのでバラしますが、アイソン先生、裏ではアイアン・アイソンと呼んでました。シェークスピアの作品を一つ挙げろといわれてThe Pirates of Penzanceと答えた私を嘲笑したことは今でも根に持ってます、はい。

さて、学校では様々なルールを学ぶわけですが、授業では「これが絶対だ」と教わるに留まり、ルールの柔軟な解釈と応用は社会に出てから体得するのが常です。もっと言えば、学校で学ぶルールを厳密に運用すると、本来であれば活きてくるはずの文章が活きてこない。例えば5 writing rules you’re allowed to breakに書かれているように、高校英語(日本の高校ではここまで細かく教えないかもしれませんが)のルールは応用次第というのが少なくないのです。

1. You can end your sentences with a preposition.

2. You can start a sentence with and, but, or or.

3. You don’t have to start with the dependent clause first.

4. You can use incomplete sentences.

5. A sentence does not always contain a subject, a verb, and an object. A paragraph does not always contain three to five sentences.


小説などでも普通に無視されているルールでも、いざ自分が書くとなると躊躇するかもしれません。私も昔はそうでしたし、私のエディターも2に納得するまで数年かかりました(笑)。

5 writing rules you’re allowed to break

2011年7月29日

機械翻訳をそのまま出版して大炎上!


翻訳業界で最近一番ホットな話題といえば、『アインシュタイン その生涯と宇宙』の日本語訳書をめぐる展開です。一言で説明すると、納期に間に合わせるために機械翻訳の訳文をチェック抜きでそのまま出版して、ネット上の各方面で「これはひどすぎる」と大炎上しているのです。

アマゾンのレビューには以下のコメントが寄せられました。

「彼は,時には,やかましくこっこっと鳴って,終わりに全体の出来事が「最もおもしろい」と断言した。」(p.39)

 「ボルンの妻のヘートヴィヒに最大限にしてください。(そのヘートヴィヒは,彼の家族に関する彼の処理,今や説教された頃,彼が「自分がそのかなり不幸な回答に駆り立てられるのを許容していないべきでない」と自由に彼に叱った)。以上は,彼が目立つべきであり,彼女が言ったのを「科学の人里離れている寺」に尊敬します。」(p.41)

 「アルバート・アインシュタインの爆発するようなグローバルな名声と芽生え始めたシオニズムは科学の歴史の中でもユニークで,どんな分野にも,本当に,顕著であった出来事のため一九二二年春に集中。一種の大規模狂乱を喚起して,ツアーしているロックスターをぞくぞくさせるへつらいを押す東とmidwestern合衆国を通る壮大な二ヶ月の行列式書。世界は,以前一度も見たことがなくて,おそらくユダヤ人のための再びそのような科学的有名人のスーパースター,また,たまたまヒューマニスティックな値の優しいアイコンであった人,および決してどんな生きている守護聖人も見られないつもりだった。」(p.45)

以上原文のママ。やはりアインシュタインの本は私には難解すぎるようだ・・・???

極めつけはp.61.。 

 「驚異的な場面だったが,それはクリーブランドで超えられていた。数数千が,訪問代表団と会合するためにユニオン列車車庫に群がった,そして,パレードは二〇〇台の酔っぱらっていて旗の包茎(ママ)の車を含んでいた。

確かにひどい。醜い。こんな行為が許されるわけがありません。どうなるかと思ったら、訳者の一人がレビュー欄を使って事の顛末を説明しました(全文を引用掲載)。

私は本書の上巻の5-11章の翻訳を担当した松田です。この下巻の12,13,16章、特に13章を巡る、滑稽かつ悲惨な内部事情を知っている範囲でのべ、読者にお詫びをすると同時に、監修者と訳者の恥を濯ぎたいと思います。

本書の翻訳は数年前に監修者の二間瀬さんから依頼されました。私は自分の分担を2010年7月に終えました。翻訳権が9月に終了するので急ぐようにとのことでした。ところがいっこうに本書は出版されず、今年6月になり、いきなりランダムハウスジャパンから、本書が送られてきました。そして13章を読んだ私は驚愕しました。

私は監修者の二間瀬さんに「いったい誰がこれを訳して、誰が監修して、誰が出版を許可したのか」と聞きました。二間瀬さんは運悪くドイツ滞在中で、本書を手にしていませんでしたので、私は驚愕の誤訳、珍訳を彼に送りました。とくに「ボルンの妻ヘートヴィヒに最大限にしてください」は、あきれてものもいえませんでした。Max BornのMaxを動詞と誤解しているのです。「プランクはいすにいた。」なんですかこれは。原文を読むと、プランクは議長を務めたということだと思います。これらは明らかに、人間の訳したものではなく、機械翻訳です。

先のメールを送ってから、監修後書きを読んで事情が少し分かりました。要するに12,13,16章は訳者が訳をしていないのです。私は編集長にも抗議のメールを送りました。編集長の回答によれば12,13,16章は、M氏に依頼したが、時間の関係で断られたので、別途科学系某翻訳グループに依頼したとのことです。ところが訳のあまりのひどさに、編集部は監修者に相談せずに自分で修正をしたようです。12,16章の訳はひどいなりにも、一応日本語になっているのはそういうことだと思います。ところが13章は予定日までに完成しなかったらしく、出版期限の再延期を社長に申し入れたが、断られた編集長は、13章の訳稿を監修者に送ることもせずに、独断で出版したらしいです。重版で何とかしようとしたようです。出版を上巻だけにして、下巻はもっと完全なものになってからにすればよかったのに、商業的見地からは、上下同時出版でないとダメだそうです。

二間瀬さんは社長に、強硬な抗議文を送り、下巻初版の回収を申し入れました。社長も13章を読んでみて驚愕したようです。そして回収を決断しました。

自動車のリコールがときどき問題になります。そして社会的指弾を浴びます。しかしあれは発売時点では欠陥に気がついていなかったはずです。ところが本書の下巻は、発売時点で、とても商品として売れるものでないことは明らかでした。本書下巻を2000円も出して買った読者は、怒るに違いないと、二間瀬さんに指摘しました。またアマゾンで書評が出たら星一つは確実だとも述べました。

本書の原書は名著です。私は自分の担当の部分を訳して、とても勉強になりました。ですから本書は日本の図書館に常備されるべき本だと思います。ところがこの13章の存在のため、もし初版が図書館に買い入れられたら、監修者と訳者の恥を末代にまで残すことになります。より完全な下巻の完成を期待しています。

ある意味で歴史に残る大失態になってしまったわけですが、この事件から学べることはいくつかあると思います。

1.機械翻訳の正確性

Google翻訳など翻訳関連ソフトの目覚しい進化が高い関心を集めているために、「機械翻訳は結構いける!」と錯覚されがちですが、訳者のコメントでも分かるように機械翻訳はまだ商用目的で安心して使えるレベルでは到底ありません。私も一人のプロ翻訳者として断言できます。特に文章が長くなればなるほど安定感がガタ落ちしますし、少し凝った表現は文脈を読み誤ることが多い。「今回の例は限定的であり、注意して使えばこんなミスが起きるはずがない」と思う人もいると思いますが(特に「自分には起こるはずがない」と思いがちですが)、読みにくい機械翻訳はみなさんが考える以上に市場に出回っています。このような機械翻訳は、数年前までは内輪のネタで終わっていたものが…

2.ソーシャル時代の翻訳とその評価

…今はネット上で公開処刑の如く猛烈に非難されて炎上します。そして厄介なのが、ネット上のデータは半永久的に残るため(例え上記のアマゾンレビューが削除・編集されても、数多のブログ記事は消えません)、関係者全員の名誉・ブランドイメージに傷を残します。

上記の訳者コメントによると、出版社は「重版でなんとかしよう」と考えていたらしいですが、おそらくこの出版社はソーシャル時代の特徴、つまり個人の発言の即時反映性と影響力について全く考えていなかったか、甘く見ていたのでしょう。個人が強い発言力を持ち、大きなうねりを生み出す時代。これは出版社や訳者にとって難しい環境である一方、チャンスに満ちた環境でもあります。手間を厭わず良い仕事を心がけ、ファンとの密なつながりを求めていけば、むしろビジネスチャンスは広がる可能性が大きいと私は考えます。

3.翻訳者・監修者・編集部の関係性

訳者コメントによると「監修者は何も知らなかったので責任はない」と読みとれますが、これは考えが甘いのではないでしょうか。というのは、仮に編集部が独断で出版を決めたとしたら、それは監修者が相談するほど信頼されていなかったことを意味しているのであり、そのような関係になってしまったのは、少なからず監修者にも責任があると私は考えます。それに訳者が「翻訳権が9月に終了」する事実を知っているのであれば、おそらく監修者も知っていたと推測されますし、監修の立場にある者として編集部と定期的にコミュニケーションをとるべきではなかったのでしょうか。もちろん編集部が一番悪いことは明確ですが、問題が発生した時に監修者はもちろん、訳者の誰にも相談がなかった、つまりそのようなコミュニケーションの土台が存在していなかった事も問題だと思うのです。

ちなみに出版社の株式会社武田ランダムハウスジャパンはHPに以下のお詫びとお知らせを掲載しました。

平素は小社刊行物をご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。

この度、本年6月に発売いたしました『アインシュタイン その生涯と宇宙』上下巻のうち、下巻の一部に校正・校閲の不十分な箇所がございました。読者の皆様には多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫びいたします。

当該書籍は現在、回収を行っております。また、同時に修正作業をすすめており、7月内を目処に修正版を刊行する予定でございます。

すでに下巻を購入された読者の皆様には、誠にお手数ではございますが、下記まで着払いでご送付くださいますよう、お願い申し上げます。修正版ができ次第、お送り申し上げます。

今後はこのようなことが再び起きないよう、編集体制の見直し・強化に努める所存でございます。何卒、ご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

2011年7月1日
株式会社武田ランダムハウスジャパン

「下巻の一部に校正・校閲の不十分な箇所」とは実に無難な表現で・・・

2011年7月28日

絵で見るハリー・ポッター日本語版誤訳・珍訳


ハリー・ポッターの日本語版誤訳・珍訳を指摘するウェブサイトは「ここがへんだよハリー・ポッター日本語版」などいくつかあるのですが、最近話題になっているのが絵で見るハリー・ポッター日本語版誤訳・珍訳です。出版された(誤った)日本語訳のイメージと正しい訳のイメージを絵で表現しているので、非常に分かりやすい。内容も納得できるものばかりです。例えば・・・

原書の文章(p.165)
He recognized the figure's prowling walk. Snape, (後略)

本来はこう訳すべき
あの足音を忍ばせた歩き方は間違いない。スネイプだ。
prowl は「動物が餌を求めてこそこそうろつく」といった意味の動詞。prowling walk はそのような歩き方を指している。

しかし……日本語版の文章はこうなっている!
あのヒョコヒョコ歩きが誰なのかハリーにはわかる。スネイプだ。

そもそもスネイプというキャラの特徴が分かっていれば彼が「ヒョコヒョコ」歩くはずがないのは分かりきっていることなのですが・・・

私はハリー・ポッターは全て映画で済ませてしまい、原書・訳書ともに読んだことがないのですが、不思議と私の周りの翻訳者は「日本語版のハリー・ポッターは文体が気に入らない」と言う人が多い気がします。なぜでしょうか・・・

絵で見るハリー・ポッター日本語版誤訳・珍訳

2011年7月27日

ことば関係のお薦めTED動画。

前回に続いて、今度はことば関係のお薦めTED動画を紹介します。特にママさん翻訳者にとって興味深い内容が多いかもしれません。

パトリシア・クール 「赤ちゃんは語学の天才」

赤ちゃんが複数の言語環境が存在する中で、1つの言語をいかに学ぶのかは長いあいだ学者の研究対象とされてきましたが、多くは謎に包まれたままでした。その中でパトリシア・クールは「赤ちゃんは周りの人が話すのを聞いて、理解すべき音の「統計を取って」いる」との研究結果を発表。生後6ヶ月の赤ちゃんは、実は緻密で洗練された思考を展開しているのかも・・・



パトリシア・ライアンの英語だけに固執しない!

「英語中心の現在の世界は、他の言語による優れた知識の広がりを妨げているのではないか?」が命題であるこのトークは、TOEICや英検を重要視する日本の英語学習のフレームワークについても一石を投じます(社内英語公用語化の問題も関係してくるでしょう)。翻訳者としても学ぶことが多いです。



デブ・ロイ「初めて言えた時」

子供はいつのまにか言葉を喋るようになり、最初はメチャクチャだった発音も気付けばきちんとした形になっています。この「いつのまにか」に着目したのがMIT研究員デブ・ロイ氏で、まだ赤ちゃんの息子がどうやって言語を習得するのか解明すべく家中にカメラを取り付けました。9万時間の動画データに裏付けられる研究結果はもちろんですが、赤ちゃんの「ガー」が「ウォーター」に進化する過程には驚かされます。



おまけ:タン・レイ 「脳波を読むヘッドセット」

ユーザの脳波を読み取り、仮想的なオブジェクトや実際の家電機器を念じるだけで操作することができる技術が紹介されます。さらに開発が進んだ数十年後には脳波から直接コミュニケーションをする時代が来るのでしょうか。だとしたら翻訳者・通訳者の仕事はなくなるでしょうが、私はむしろそのような世界にワクワクします!

2011年7月26日

お薦めTED動画を選んでみた。

TED (Technology / Entertainment / Design)を初めて観る人向けにお薦め動画をピックアップするのが最近のネットトレンドのようですので、便乗して私もいくつか紹介してみます。とりあえず私のトップ3を。様々な分野の専門家・クリエイターが集まるTEDのトークは翻訳者・通訳者の情報収集にかなり役立ちますし、想像力に溢れるトークから創造性を刺激されること間違いありません。

※TED動画のタイトルや字幕はボランティアの善意により無償提供されているため、当然ながら質にばらつきがあります。

デイビッド・ブレイン:17分間の息止め世界記録

マジシャン/スタントマンのデイビッド・ブレインが、水中で17分間息を止めた世界記録をいかに達成したか語ります。人間の身体の限界を追求する彼の姿には驚きと同時に、恐怖さえ感じます。



ジル・ボルト・テイラーのパワフルな洞察の発作

脳卒中を患う人は山ほどいますが、それを冷静に観察する人(自分に起こっているというのに!)は皆無でした―脳科学者のジル・ボルト・テイラーが試みるまでは。時間とともに脳の機能が徐々に停止し、言語が歪み、自分の身体と物の境界認識が交差する。もう驚くことだらけです。



デボラ・ローズ:乳腺腫瘍を3倍も発見できるツール、そしてそれを一般に使用できない理由

マンモグラフィーは痛いというのは女性なら誰でも知っていることです。ですが、痛みがほとんどなく、従来のマンモグラムより3倍も効果がある新しいツールが既に開発されているとしたら、あなたは何を思うでしょうか。より多くの人命を救えるこのツールがなぜ一般には知らされていないのでしょうか?デボラ・ローズ博士がツール開発の裏話と、それを阻もうとする「権力」について語ります。



ちなみにネット上で見つけたまとめをいくつか紹介します。

【すごいプレゼン】TEDを初めて見る人におすすめの10本


おすすめできるかどうかは分からないけど私が何度も何度も繰り返し見てるTED talks 6本

僕の人生を方向付けてくれた、3本のおすすめTED動画

TEDをモバイルで楽しみたい人にはTED+SUB: TED Talks with SubtitlesというiPhoneアプリがお薦めです。AndroidユーザーにはTED Airがあります。

2011年7月25日

アプリの誤訳

iPhoneに代表されるスマートフォンの普及が進むにつれて、便利なアプリも驚愕のペースで増え続けているが、海外で開発されたアプリの日本語訳にはお粗末なものが多い(逆もしかりだが)。一つ例を挙げると、震災後にベストセラーになった某地震予報アプリ。どの機械翻訳を使ったらこうなるのか、ぜひ知りたいものです。


そう考えると、アプリ翻訳は一つのマーケットとして将来性があるかもしれませんね。

2011年7月22日

【完訳】英国人講師殺人事件の裁判で通訳問題があらわに

リンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件について、判決直前に公開された神谷説子さん(ジャパンタイムス)の法廷通訳に関する記事が秀逸な内容だったのですが、日本語版がないようなので私が勝手に訳しました。日本における法廷通訳の問題を広く知ってもらうために役立てられると嬉しいです。

原文(英語)はこちらからどうぞ

ちなみに私は裁判を傍聴していません。ゆえに法廷通訳人の訳は実際のものではなく、意訳してあります。私はこの事件を担当した通訳人の技能や現場の状況に関して十分な知識がないので、本記事が指摘する誤訳などについては一切コメントできません。訳文の責任はすべて関根マイクが負うものであり、原文著者である神谷説子さんは一切関係ありません。つまり誤訳があっても神谷さんに文句言わないでくださいね(誤訳が主題の記事を誤訳するというのもアレな感じですが)。



英国人講師殺人事件の裁判で通訳問題があらわに

通訳人の実力不足を認めない裁判所

神谷説子

英国人英会話講師の殺人と強姦致死罪の容疑で起訴された市橋達也被告人の裁判員裁判は木曜日に判決が予定されている。7月4日の初公判からメディアの注目を大いに集めているこの裁判だが、誰もが気に留めていない問題がある。通訳の質の問題だ。社会的にも関心が高いこの事件だが、微細なニュアンスの誤訳や細かい情報の訳抜けなど、法廷通訳人のミスが何度も確認されている。

この問題を懸念した法曹および言語学の専門家は、外国人が参加する裁判について通訳の質が不十分であるという現状を認め、通訳人の訓練と社会的地位の向上に努めるように裁判所に求めた。

公判中に確認された通訳ミスは裁判官や裁判員の事実認定に影響を及ぼすことはないかもしれないし、結果的に市橋被告人の命運を左右するほどではないかもしれない。しかし被告人、検察、証人、被害者とその家族など、裁判の参加者全員に公平公正な手続きを担保するには正確な通訳が欠かせないため、過剰な通訳ミスは重大な問題であると専門家は指摘する。

例えば7月11日の第5回公判で被害者リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22)の母親であるジュリア・ホーカーさんが検察側証人として証言した時にも複数の通訳ミスが確認された。

検察の目的はジュリアさんの証言を通じて、市橋被告人の犯罪は深刻な結果を招き、リンゼイさんを強姦・殺害した上、死体をアパートの浴槽に砂をかぶせて遺棄したことについて、遺族が厳しい処罰を求めている事実を明らかにすることであった。

娘の死が家族に与えた影響について質問され、ジュリアさんは娘を日本に行かせたことに対して自分を責めていると証言した。「2年間お風呂に入ることができませんでした(I couldn't take a bath for two years)」と証言し、娘の遺体が浴槽で発見されたトラウマをうかがわせた。

しかし法廷通訳人はこれを「あの2年間を取り戻すことはできません(I cannot take back the two years)」と訳した。

その少し後にまた誤訳が確認された。事件に関する苛烈な報道が英国人の日本に対する考え方に影響したかとの検察の質問に対し、ジュリアさんは悪い影響を与えたと答え、今や多くが「日本は以前と比べて安全な渡航先ではなくなった(Japan was a less safe place to come)」と感じていると証言した。

しかしこの証言のニュアンスは日本語への通訳の過程で変化し、「日本はもっとも危険な渡航先(Japan was the most unsafe place to come)」と訳出された。

市橋被告人が遺族に対して謝罪文を書いたことを知っているかと問われて、ジュリアさんは「彼が私たちに謝罪するとは考えていなかった。捕まって残念に思っていると考えていた(We didn't think he would apologize to us. We thought he was sorry for being caught)」と答えた。

しかしこの証言は、市橋被告人は「裁判の準備で(as a preparation for his trial)」謝罪文を書いたと通訳された。

法律では被告人または証人が日本語を喋れない場合、当事者が喋る外国語に精通する通訳者を裁判所が手配することを義務付けている。市橋被告人の裁判は裁判所が遺族にも通訳人を手配した最初のケースの一つでもあり、裁判に積極参加した遺族を支えた。遺族の参加は2008年12月に裁判所の承認を受けて可能になっており、被害者参加制度に基づき被害者の親族は独自の弁護人を選任して裁判に参加し、被告人に質問をしたり、意見を述べたりすることが許される。

通訳の正確性を確認する役割を正式に担う人間が存在しないため、法廷通訳人のミスは修正されずに公判は進められたが、午後に千葉大学名誉教授であり、同大学で市橋被告人を教えた本山直樹氏が弁護側証人として証言した際に、通訳人の誤りを自分で修正する場面が見られた。自身の証人尋問の終わりに通訳の修正を裁判所に申し出て、「通訳人は私が肥料の専門家だと訳されましたが、そうではありません。私の専門は農薬です」と発言した。

ベテランの刑事弁護人であり、市橋被告人の弁護団の主任弁護人を務める菅野泰氏によると、公判中は終始、遺族のために通訳者を手配することを裁判所は強く求めたという。これは通訳人が外国人証人の発言に留まらず、裁判で起こるすべての出来事を通訳するという意味である。裁判のすべての出来事を通訳するという前例が無い試みは有意義な一歩であったかもしれないが、今回においては不十分な結果となった。

弁護団は当初、通訳人を2名手配するように裁判所に働きかけたと菅野氏は言う。実際、被告人が外国人である裁判員裁判では2名体制が標準になりつつある。しかし裁判所は1名しか任命しなかった。この件について千葉地方裁判所は、係争中の案件についてはコメントできないとしている。

金城学院大学教授で法廷通訳の言語分析を専門とする水野真木子氏は、裁判所は優れた技能を持つ法廷通訳人を常に2名任命するべきであると言う。通訳人が2名必要なのは、交代できることと、一方の誤りを他方が発見し、証言の特定の表現について適切な訳を相談して決めることができるからだと水野氏は説く。「これまで多くの(異なる分野における)通訳を研究してきましたが、通訳エラーの量で法廷通訳を越えるものはありません」

法廷通訳には正式な職業訓練も資格制度も存在しないのが問題の根本だと専門家は指摘する。現在、すべての言語の法廷通訳人は通訳人候補者名簿から任命されるが、名簿に登載されている通訳人が職務に必要な技能や適正を有しているとは限らない。日本の法廷通訳人は職業上の肩書きが無く、国家資格も存在しない。
法廷通訳人になるには地域の地方裁判所に問い合わせて、言語能力と経歴について面接を受ける必要がある。裁判所が適格と判断して名簿に登載した後は、訓練は主に実践を通じて行われる。すでに専門的な訓練を経た会議通訳者も一部いるが、多くはそうではない。それゆえ、法廷通訳人の能力にはばらつきがあるのが現状だ。

裁判手続きマニュアル(法廷通訳ガイドブック)は複数の言語で用意されており、裁判所は通訳を集めてフォローアップセミナーも開催している。しかし専門的な職業訓練を実施しない限り現状は変えられないと水野氏は言う。言語技術やメモ取り、通訳倫理などは集中的な訓練以外には習得できないからだ、と。

裁判所は有罪か無罪かが争点ならない限り、ゆるい通訳は大きな問題ではないとナイーブにも信じている、と水野氏は言う。水野氏の模擬裁判研究によると、ニュアンスの違いなどの通訳エラーの積み重ねは裁判員の判断に影響を及ぼす可能性があるとされている。「通訳が刑期2~3年の違いを決める可能性がある」と水野氏は言う。

通訳の正確性は裁判に参加する被害者の遺族にも重要であることを裁判所は理解するべきだと水野氏は言う。遺族は愛する人に何が起きたのか真実を知りたいからだ。例えば感情が溢れる被告人の謝罪や反省の言葉は法廷通訳のかなり難しい部分だが、「通訳のされ方によっては誤って理解され、かえって遺族の怒りに油を注ぐ結果になるかもしれない」と水野氏は言う。

2011年7月21日

YouTubeが日本語字幕を自動生成・表示する機能を実装

YouTubeが動画の中で話されている日本語を自動的に認識して、字幕として表示するサービスを開始しました。これまではユーザが事前に字幕ファイルを作成してアップロードする機能しかなかったのですが(私も一度やろうと思って、あまりの手間に挫折して経験あり)、今回の機能でかなり利便性が向上すると見込まれます。詳しくはInternet Watchの記事をどうぞ。

YouTube、日本語音声を認識して字幕を自動生成・表示する機能を追加

人による手動作業を経ないため、字幕がすべて完全というわけにはいかないが、例えばニュース番組のアナウンサーによる説明など、言葉が明確な映像については高い精度で字幕を自動生成できるとしている。一方、アニメや時代劇など、口調に特徴があるものや、背景に音楽や雑音が入っているものはやはり難しいという。

これについてはいくつか実験記事があるので、そちらを参考にしてほしい。

YouTubeの自動キャプション機能を試す

YouTube“自動字幕”で文字起こしはできる?

英語字幕の自動生成・表示が実装された時から、「近いうちに日本語にも実装されて、将来的には映像翻訳の市場にも食い込んでくるのだろうなあ」と思っていたのですが、予想以上に早い展開で技術が発展している感があります。もちろんまだまだですが、着実に進化しています。

動画を再生すると画面下にCCボタンが表示されるので、そこから音声を文字に変換してください。



雑音が多いとやっぱりダメですが、この辺はまだ愛嬌ということで。

2011年7月20日

笑える音声認識ソフト


翻訳業界でもDragon Naturally Speakingをはじめとする音声入力ソフトが徐々に人気を集めていますが、今回はその音声入力(認識)の精度の話です。豪ブリスベーン・タイムス紙の記事 Lost in translation: voice-to-text confounds users によると、用意された映像作品等の音声を機械に自動認識させたところ、かなり笑える結果になったとのこと。例えば・・・

Tom Hanks' Forrest Gump was a little confounded without anyone else's help, but voice-to-text's version of his well-worn line takes it to a whole new level.

Gump: “My mama always said life was like a box of chocolates. You never know what you're gonna get.”

Translation: “Oh mama it's dad last we'd like a box of chocolate you never know what you doing again.”

In Star Wars, Han Solo's comment, “Hey Luke, may the force be with you”, would have carried a little less weight if converted to text: “Hey Lou, we're working with you.”

プロの翻訳者が使う場合は高性能のマイクを使ったり、ソフトにユーザの声の特徴を覚えさせて認識の精度を上げたりすることで、かなり使えるレベルを達成できていると聞いています。ただ全てを機械に頼るのはまだ難しいですね。

2011年7月19日

なでしこ「頑張って」優勝。


なでしこジャパン、なんと優勝してしまいました!

ネットでは『風の谷のナウシカ』での予言、つまり「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」が実はなでしこジャパンの優勝を意味していたのではないかと盛り上がっていますが、なんにしても快挙です。私も早朝から頑張って起きて観戦したかいがありました。



ただ私が今回注目したいのは、以下のワシントン・ポスト紙の記事です。

Women’s soccer team embodies Japan’s post-disaster resilience

TOKYO — Like flags in a soccer stadium, the banners are everywhere across Japan’s tsunami disaster zone.

They often bear a single Japanese word — “ganbare,” which Japanese have been murmuring like a mantra ever since the March 11 disasters.

Interpreters and bilingual Japanese say that “ganbare” is one of the hardest words to translate: “Persevere,” “fight on” and “hang in there” don’t quite capture its deep significance.


But Japan’s women’s soccer team does.

一般人は翻訳・通訳という営みを数学のように正解は一つしかないと考える傾向があると私は思うのですが、「頑張る(頑張れ)」という表現一つをとっても、与えられた状況・文脈にピッタリ合う訳を探すのは実は結構難しいのです。少なくとも英語には「頑張る」のニュアンスを正しく全体的に含意した万能な単語は存在しません。ですから、その時々で「耐える」や「辛抱する」などと状況をみながら表現しますが、これだと我慢のニュアンスばかりが目立ってしまい、「頑張る」が表現する「前を向かって進む」または「強い決意をもって戦う」というニュアンスがかき消されてしまいます。

簡単に説明すると、「頑張る」という表現は意味の(解釈の)幅が広いので、情報の送り手と受け手の空気を読む力に強く影響されるのです。残業を命じられた会社員がボソッと「頑張るよ」とつぶやいたら、それは「やる気はないけど上司の命令だから我慢してやる」のか、「死ぬほど疲れてるけど、まあ大事な仕事だからベストを尽くさなきゃねー」なのか、判断が難しいところです。通訳者はその状況、話者の態度や表情、喋り方などを参考して訳を考えます。翻訳者は与えられた文字だけで空気(文脈)を読まなければならないので、解釈が難しいケースが発生するのも容易に想像できると思います。

そういう意味では、翻訳者・通訳者は当事者と同等またはそれ以上に空気を読めていなければならないと言えるでしょう(いつも頭をかかえていますが)。

2011年7月18日

笑える誤訳を集めた動画

世界各地の笑える誤訳(英語)を集めた動画です。説明するより観た方が早いです!



Special cocktails for the ladies with nuts あたりは最高ですね。シモですが。

2011年7月15日

The Interpreter's Launch Pad

Common Sense Advisoryナタリー・ケリー(Nataly Kelly)さんが中心となり、新しい通訳ニュースレター(月刊)が創刊されました。通訳関係のニュースやリソースをを集めた無料のニュースレターです。なんと(イマイチ萌えない)マスコットもいて、ツイッターとフェースブックとも連動しているようです。ソーシャル時代のニュースレターですね。

登録はこちらから。いま申し込むとケリーさんの著書である『Telephone Interpreting』の電子版が無料で手に入ります。

The Interpreter's Launch Pad

2011年7月14日

Newspaper Map で世界中の新聞を読む

地図上のピンの一つひとつがその地域の新聞のウェブサイトであり、クリックすると指定の言語に翻訳される読めるというサービスです。翻訳エンジンはグーグル翻訳ですね。

最初は世界中の紙の新聞をOCRで書き出して翻訳しているのかなと思ったりもしましたが(ちょっと期待してしまった)、やはりコンテンツはウェブ版に限定されているようです。ウェブサイトを丸ごと翻訳するサービスは何年も前からあったのですが、このように新聞社に特化してまとめられたのはおそらく初めてではないでしょうか。


Newspaper Map

これまで海外で大事件が発生した時は、PressReaderで新聞を購入していたのですが、これだと言語が限定されますし、「とりあえずなんとなく知りたい」程度であればNewspaper Mapはかなり使えるかと。地域別の見出し・特集記事等の比較研究にも便利かも。

2011年7月13日

ツイートをお手軽に自動翻訳

ツイッターのアカウントとリンクすると、ツイートにハッシュタグを付けて指定の言語に自動翻訳できるというサービスです。名前もそのままTranslate Twitter Tweetsだったり。例えば下のサンプルでは英語のツイートに #es(スペイン語) #ko(韓国語) #ja(日本語)とタグを付けてそれぞれの言語に翻訳しています。シンプルですが使えそうなサービスですね。


私も日本語→フランス語で試してみました。対応言語とタグは公式サイトに掲載されています。


このようなサービスが広く普及すると、災害時等の情報共有がますます容易になりますね。

Translate Twitter Tweets

2011年7月12日

沖縄キリスト教学院 同時通訳集中講座の資料

沖縄キリスト教学院が主催する同時通訳集中講座(8月2日~9日)で、私が授業で使用する動画と教材をアップします。クラスを間違えずに宜しくお願いします。

■上級クラス 日英逐次

現代アーティストの村上隆が「アーティストになる方法」を語ります。このシリーズは後に一冊の本(芸術闘争論)にまとめられたのですが、授業では動画で語られている内容のみを使います。重要な概念やキーワードを事前に確認してください。

受講者の中にはニコニコ動画を利用したことがない方もいるかもしれませんが、簡単に言えば動画にコメントを投稿し表示できる動画配信サービスです。コメントを非表示にするには画面右下の吹き出しの形をしたアイコンをクリックしてください。

村上隆の芸術実践論 第4回 「未来編」 1/2


村上隆の芸術実践論 第4回 「未来編」 2/2


なお、上級クラスは日英のみです。英日の予定はありません。


■初級クラス 英日逐次

米最高裁判所判事であるアントニン・スカリア(Antonin Scalia)についての番組です。こちらも重要な概念やキーワードを事前に確認してください。

Justice Scalia on CBS 60 Minutes 1/2


Justice Scalia on CBS 60 Minutes 2/2


■初級クラス 日英サイトラ

【特別対談】三島由紀夫の栄光と挫折

内容について質問などありましたらコメント欄に書き込んでください。

2011年7月11日

FIT World Congress 2011 in San Francisco

3年に一度開催されるFIT World Congressですが、今年は8月1日~4日の日程で、サンフランシスコで開催されます。短期間でしたが住んでいた時期があり、個人的に思い入れのある土地です。今はもうだいぶ変わってしまったのでしょうが。

International Federation of Translators - XIX World Congress

この夏は予定があるので行けないのですが、面白そうなセッションをいくつかピックアップしました(セッションリスト)。Ustream等での生配信はなさそうです。誰かツイッターで実況&まとめてくれないですかね。

AT-4 The Automation of Subtitling: The Launch of Newspeak?
CI-4 International Job Analysis for Medical Interpreters
HR-4 Translation Controversies in Officially Bilingual Countries: The Case of Cameroon and Canada
LG-9 Team Interpreting in the Courtroom and Compliance to the Code of Ethics and Professional Responsibility
LS-2 Translation Quality Standards
LT-13 The Intriguing Relationship Between Literary Translation and Creativity
NT-9 Translation Market Trends: What Freelancers Need to Know
TC-19 Linguisitic Relativity of Pronouns in Rakugo Translation
TE-1 Wikis in Translation Teaching: A Study
TT-6 Improving Translation Memory Systems Through Linguistic Knowledge
VR-3 Knowing What is Good: Conference Interpreters Performance Quality Criteria

金城学院大学の水野真木子さんもベニース事件について発表するとのこと。これについては私も思うところがあるので、最高裁の判決が出てから色々言おうかなと考えていたのですが、肝心の判決がいつになるのかわからないので、今ある情報だけで考えをまとめて発表するべきでしょうか・・・(鑑定書を読まないと何ともいえない部分があるのですが)

2011年7月10日

海賊フセインの裁判、通訳不足で開廷困難

日本ではこれまで特に問題にならなかった希少言語の通訳不足がついに表面化する事態になりました。私も一部関与している事件です。

海賊フセインの裁判、通訳不足で開廷困難
(6/28 NHKニュース)

オマーン沖のアラビア海で日本の海運会社のタンカーを襲撃したとして、自称ソマリア生まれの男らが海賊対処法違反の罪で起訴された事件で、被告らが話す「ソマリ語」の通訳を確保するめどが立たず、起訴から3か月近くたっても裁判を開くための手続きを開始できないことが分かりました。

この事件はことし3月、オマーン沖のアラビア海で商船三井が運航するタンカーが武装した海賊に襲われたもので、自称ソマリア生まれの、アブデヌール・フセイン・アリ被告(28)ら4人が海賊対処法違反の罪で起訴されています。

東京地方裁判所は、このうち4月1日に起訴されたアリ被告ら3人について、裁判の前に争点などを整理する手続きを先月から開始する予定でしたが、関係者によりますと、被告らが話すソマリ語の通訳を確保するめどが立っていないということです。

被告らが日本国内で起訴されるまでは、ソマリ語の通訳をつけて取り調べが行われ、裁判所は、ほかに通訳が見つからなかったため、起訴のあともこの通訳に引き続き、依頼しようとしたところ、弁護側が「中立性を保てない」と反対しているということです。

裁判所は「裁判が始まるのが遅れ、勾留が長引くのは、被告の人権上も問題がある」として、弁護側に理解を求め、一刻も早く裁判に向けた手続きを始めたいとしています。

希少言語の通訳者問題は、司法通訳制度が進んでいるアメリカでも重要な課題になっています。今回を機に法務省はヒアリング等を通じて本腰を入れて対策を練るべきでしょう。希少言語だからこそ、国内に限らず、隣国の韓国や中国、香港などに住む通訳者の登録も可能性としてあり得るかもしれません。法廷通訳人の登録には、現時点では特に試験はないのだから、コスト面を除けば登録の障害になる問題はないと思います。

2011年7月9日

ポーキーな翻訳者の集い in 東京

7月29日に六本木で@mamirockzさんとしゃぶしゃぶオフ会を企画しています。普段ツイッターでつぶやいている翻訳・通訳クラスタのみなさんが主な参加者になると思いますが、基本的にはかなりゆる~い会なので、ツイッターをやっていなくてもOKです(ただ下のリンクから参加申し込みをするにはアカウントが必要になります。Facebookアカウントでの登録も可能)。学生や志望者も参加ウェルカムです。

ポーキーな翻訳者の集い in 東京


豚組 しゃぶ庵

※タイトルは単なるシャレですので、あまり深読みせずに。

2011年7月8日

文芸翻訳検定

第1回文芸翻訳検定が9月17日に開催されるそうです。どんな検定かというと…

・ 文芸翻訳に必要不可欠な原語の読解力と、母国語の表現能力、一般教養のレベルを判定。
・ 文芸翻訳を勉強中の方、すでに職業としている方、あるいは分野を問わず一般の方々も、自らの語学レベルを認識できる。
・ 合格者には認定証を発行。
・ 準1級、1級に合格するとホームページでプロフィールをご紹介。
・ 1級合格の方は、プロの翻訳家として後援各社にご紹介。

やはり受験者としては「プロの翻訳家として後援各社にご紹介」の部分が一番気になるところでしょうが、3級、2級については来年(2012年)1月に実施予定の第2回検定より行う予定で、準1級以上は、2級合格者が受験対象となり、2012年5月の第3回検定より実施の予定とあります。

作家の椎名誠も審査員として名を連ねています。日本語表現の審査も厳しく、というところでしょうか(来年の1級試験までは出番はないのだろうけど)。

文芸翻訳検定

2011年7月7日

小児科での通訳(特に糖尿病)

先日、糖尿病の子供を持つ外国人クライアントに付き添って通訳してきました。なぜ民間(つまり基地の外)の病院に来るかというと、沖縄の基地の病院には内分泌科の専門医がいないので、インスリンの投与量調整等ができないのです。この状況が改善されない限り、今後も同じような通訳をお願いされる人が出ると思うので、とりあえず最低限知っておくべき知識をまとめておきます。

まずは受付でチェックインした後に、問診表の記入があります。

小児科外来問診表 琉球大学付属病院

百日咳、はしか、おたふくカゼ、喘息など、小児科であればどこでも必ず使われる用語です。Wikipediaの糖尿病ページと併せてきちんと予習しておきましょう。ちなみに沖縄に限って言えば、通訳の依頼は1型糖尿病の子供を持つ親からが大半です。なぜなら、米軍は2型糖尿病を持つ軍人の沖縄配属を認めていないので、これだけで2型糖尿病の外国人の数が激減するからです。

もう一つ重要なのが、養子の問題です。医師は必ずと言っていいほど「父親・母親の家系で糖尿病だった人はいましたか?」と質問しますが(そしてこれは非常に重要な質問)、患者である子供が養子の場合があるのです。子供の年齢によっては言葉の意味が分かる場合があるので、子供の前では話しにくい親もいます。その気配を感じたら、親だけをちょっとだけ外に連れ出して聞き出しても良いと思います。

日本の糖尿病治療は、技術的にはアメリカに10年ほど遅れをとっているそうです。例えばアメリカでは一般にも広く普及しているAccu-Checkのような技術も日本ではまだ市民権を得ておらず、日々の血糖値等を手帳にかかさず記入しなくてはなりません。この違いにかなり違和感を持つ親もいるので(日本の手法は技術的にはかなりアナログな感が否めない)、医師の説明を丁寧に通訳して安心させてあげましょう。

加えて、沖縄県では小児1型糖尿病患者を対象に補助金プログラムもあるので、日本の保険がない外国人でも100%カバーされる可能性があります。治療が長引くと医療費がありえない額になる可能性もあるので、この辺も医師と協力して説明してあげましょう。

通訳とは直接関係ありませんが、小児科での仕事で便利なのがキャラクターもののシールと食玩です。採血では泣き出したり悲鳴をあげたりする子供が少なくないので、ニンジン作戦で黙らせるのです(笑)。男の子だったらドラゴンボール、女の子だったらプリキュアあたりが無難でしょうか。

2011年7月6日

長期の案件が一段落。

2年以上も続いた通訳案件が先日めでたく終わりました。総額でウン百億円が動く案件で、厳しい交渉が続きましたが、クライアントの支援と心遣いで何とか乗り切れたという感じです。というのは、クライアントは世界有数のグローバル企業で、社内規定や技術情報の関係で事前に資料が頂けないケースも多々あったのですが(しかたないのですが)、現場の担当者が用語や背景・文脈について適宜サポートしてくれたのです。特に前回の会議から2ヶ月以上も空くと、前回話したこともほぼ忘れていますし、覚えていたとしても、2ヶ月で契約の諸条件がかなり変更されているという場合もあります。

契約書の署名式では担当者をはじめ、「実は通訳の人が一番たいへんだったねえ!ありがとう」と関係者の皆さんに感謝の言葉を頂きました。素直に嬉しいですし、これからの励みになります。クライアントのリーダーからは高級ブランドのペンも頂いてしまいました。私にはもったいないのですが…

私に高級ブランドは似合わないけど。

持つべきものは良いクライアントですね!(笑)

2011年7月5日

ABAの言語アクセス基準

American Bar Association(米国法曹協会)がついに本気を出したと言ったら大げさですが、司法現場における言語アクセスについて明確な立場を表明したのは大きな一歩です。過去にもそれらしきものはあったのですが、今回の基準は細部にわたって踏み込んだ内容だと聞いています。私も時間ができたらじっくり読んでみたいと思いますが、ザッと軽く目を通した第一印象は、裁判所が提供するべきとされる言語アクセスの範囲が広すぎるのではないかなということ。例えば37ページ(PDF42ページ)には以下のような文言が。

Persons with a Significant Interest in the Matter

Finally, there are LEP persons who have a significant interest in a matter before the court, even if they have no ”legally recognized” interest at stake. Examples include non‐testifying victims in a criminal case, tenants in a public housing complex in a legal action that affects their tenancy, members of a class action who are not lead plaintiffs, or family members of the victim or the defendant in a trial for murder or other aggravated offense. The court should inquire whether there are individuals in the courtroom who may be in need of interpreter services, and determine whether their interest warrants provision of language services.

要は法的当事者でなくても、訴訟の結果によって影響を受ける人はいるわけで、そういう人々にも裁判所は十分な配慮をするべきですよね、という内容。必ずしも無条件で裁判所が負担して通訳者を手配せよという内容ではないが、ちょっと記述が曖昧すぎて、解釈の余地を残すところです。

詳しくはこちらから。

ABA Language Access Standards Project

ドラフトのPDFリンクはこちらから。

ABA Standards for Language Access in Courts

2011年7月4日

通訳と非言語コミュニケーション

下記の記事がアメリカの通訳仲間のあいだで話題になっています(読み易さを考慮して改行を加えています)。政治的な事はおいておくとして、政府は手話通訳の使い方、具体的には手話通訳を利用する人間の立場を考えていないという話。

余録:どちらに逃げればいいのか…
毎日新聞 2011年6月6日 東京朝刊

どちらに逃げればいいのかわからない。手を引かれて高台にたどりつき初めて津波を知った人もいるという。避難所でも情報が届かず孤立しがちだ。そうした聴覚障害者にとって「3・13」は記念すべき日になった▲

首相官邸での官房長官会見に手話通訳が登場したのだ。弱者に優しい民主党の面目躍如である。ところが、この手話通訳付き会見、さぞや好評かと思ったらそうでもないらしい。「まったく理解できなかった」「少しだけ理解できた」という聴覚障害者が7割近くに上ったというアンケート結果がある▲

さまざまな理由の中で気になったのが「距離」と「表情」だ。通訳者が官房長官から離れて立っているのでテレビ画面には小さくしか映らない。そのため表情がよく見えないというのだ。手話の種類によって表情は文法と深い関係があり、手の動きを見ているだけでは意味が伝わらないという▲

話し言葉でも表情や声の調子は重要な役割を果たしている。どこにアクセントを置くかで「辞めない」は否定にも疑問にもなる。声や表情だけでなく相手との関係性によってもニュアンスは異なる。本当の意味を伝えあうためには、言葉の土台にある感情や信頼が重要なのだ▲

税と社会保障改革で野党に協議を呼びかけてもうまくいかず、電話で自民党総裁に入閣を要請し怒りを買う。不信任決議案をめぐる騒動もそうだ。野党時代は論客で鳴らしたはずなのに菅直人首相のコミュニケーション不全は深刻だ▲

首相並びに官房長官は「距離」や「表情」を考えてみてはどうか。手話に熟練した人は通訳の指よりも表情を見ながら意味を読むという。

話者の表情や身振り手振り、姿勢等の非言語コミュニケーションは通訳者にとって非常に大事なものです。サミットで首脳の顔を映すカメラがあるのは有名な話ですね。実は話者の表情が読めないだけでも、通訳の質に影響がでます。というのは、状況によっては話者が真面目なのか、単に冗談を言ってるのか、または冗談の含みがあるけれど主張自体は大真面目なのか、この辺の細かいニュアンスの理解は非言語コミュニケーションに頼る部分が大きいので、話者の真意が読み取れないと通訳者は踏み込んだ訳ができない。比較的無機質な、無難な訳に落ち着いてしまうわけです。

テーブル中央の物体は実はカメラ

手話通訳がどんなものか知りたい方は、とりあえずNHKの手話ニュースがお薦めです。こちらから放送時間をご確認ください。