2020年12月2日

メディア活動いろいろ。

もう12月ですね。2020年はずっと自分自身と他の通訳者のコロナ対応支援に忙しくて、時間ができたようで実はあまりなかったような気がします。よく考えると、2月に『通訳というおしごと』を発表して、感染拡大が本格化する前にカリフォルニアに出張、3月~4月は自分の遠隔環境を整えながらJACIの遠隔イベントを40件ほど実施、8月は1日も休まずに日本通訳翻訳フォーラム2020を開催しました。9月からの繁忙期は全然期待していなかったけれど意外に仕事が戻ってきました。いや、過去に取引があった顧客が戻ってきたというよりは、新規の顧客が増えました。なぜなのか私もまだ説明できませんが、この秋は昨年以上に忙しかったかもしれません。ありがたや。でも遠隔は正直飽きたので、現場に出たいですね。

■11月25日に発売された『通訳翻訳ジャーナル』冬号で日本通訳翻訳フォーラム2020のインタビューが掲載されています。白倉淳一理事と一緒です。業界史上初の超お祭り企画がどのように生まれたかを語りました。本号にはJACI会員のブラッドリー純子さん、巽美穂さん、岩瀬和美理事、袖川裕美さんも登場しています。

いま振り返ると、結構大胆な企画をほぼ勢いでやってしまったなあという感じです。ただ、協会側で舞台設定をしたら後は講演者が素晴らしい講演内容で参加者を唸らせてくれたので、そのあたりは講演者の一人ひとりに感謝です。来年のフォーラムをどうするかはまだ決めていませんが、コロナの感染拡大はまだ続いているので、劇的に状況が変わらなければまた完全遠隔になってしまうのかな、という感じもします。いずれにせよ、来年もやる予定なのでよろしく。

■English Journalの12月号にも顔を出しています(私だけではないですが)。巻頭特集で2020年を表す言葉を選んでほしいと依頼されたので、testicular fortitude...ではなくsocial justiceを選びました。コロナ関係の言葉が多い中、個人的にはコロナという一つの現象が強調した様々な社会問題が印象に残ったからです。BLMはその代表ですが、これ以外にも貧富の差だったり、マイノリティ差別だったり。

加えて、実は私は米国最高裁判所のファンなのですが(マニアまではいかない)、弁護士時代から社会正義の諸問題に鋭く切り込んできたルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が死去したのも大きいです。リベラル寄りの彼女のあとに任命されたのはゴリゴリ保守派のエイミー・バレット判事で、今後しばらくは最高裁の保守寄りが避けられないでしょう。

『通訳の現場から』連載も続いています……が、次のフェーズに移行するため、今期で終了します。まあネタ切れで無様な姿を見せる前に引いた方が良いというのもありますが。

■英国翻訳通訳協会(ITI)が発行するITI Bulletinの2020年11月・12月号にもフォーラムに関する記事が掲載されています。海外でも31日連続のイベントは前代未聞らしいですね。この企画は業界が誇る「歌って踊れる翻訳者」の杉本優さんにインタビューされたものです。あ、正確には「歌って」の部分は聴いたことがないのでわからないけれど、サルサの腕前はセミプロ級だと聞いているので踊れることは確かです。というか、トレッドミルにノートPCを取り付けて、講演を視聴しながら走るくらいアクティブな方です。

■11月に開催された日本翻訳連盟のJTF Online Weeksに当協会のFri McWilliams理事が講演者として参加しました。私も理事代表として応援メッセージ?的なものを出しています。今後こういう「顔出し」の業務が増えるのであれば、本格的に減量してヒョンビンになる計画を遂行しなきゃなあと思う今日この頃。

ちなみに2021年は年初から通訳講座を開催します。試験的な企画なのでこれ1回で終わるかもしれませんが、ガチで教えるつもりです。まあ3か月で一人前の通訳者が育てられるわけがないのですが、進むべき方向性とか、自己修正の仕方とかはしっかり教えられるのかなと。それだけで結構成長できると思っていますから。