2012年2月28日

3/24 IJET-23 プレイベント 広島通訳セミナー

そして最後のプレイベントです。今回は翻訳から離れて通訳一色。この後は6月に広島で会いましょう!

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対象: 通訳を目指す学生・社会人 通訳学校で勉強中の方 ご興味のある方!

テーマ: 広島在住のプロ通訳2人による通訳セミナー。理解すること、伝えることの大切さをゲーム等を取り入れ実感・体感してもらい、その中から通訳という仕事の醍醐味をお伝えします。

* セミナー修了後には交流会も予定されています。ネットワーキングに絶好のチャンス。是非ご参加下さい。

プログラム:

【第一部】 地元プロ通訳が語る「通訳ってどんな職業?」


地元広島を拠点に活動するプロ通訳者Pauline Baldwinと宮原美佳子がそれぞれの経験を語りながら、「通訳ってどんな職業?」を解き明かしていく対談。同じ通訳者でありながら、全く経歴の違う二人が繰り広げる興味津々なトークセッション!

【Q&A】Paulineとみかこが、何でも質問に答えます!

【第二部】 「理解する」「伝える」とは一体どういうこと?その大切さとは?


通訳を挟まない日常会話でも常に「理解し」「伝える」という行為を行っています。でも、その日常的な行為の重要性、そして「ことば」の持つチカラを本当に私達はわかっているのでしょうか?簡単なゲームなどを通じて、参加者の皆さんに「理解する」「伝える」とは一体どういうことなのかを体感してもらいます。

【Q&A】Paulineとみかこが、またまた何でも質問に答えます!

日時:3月24日(土) 13:30-17:00
場所:広島YMCA 本館408号室

参加費:JAT会員無料 JAT非会員1,000円 学生500円
持参するもの:筆記用具 想像力(!)

講師紹介:

Pauline Baldwin
Self-employed translator, interpreter and language instructor. After majoring in Pacific and Oriental Studies at university, she worked for Japanese trading companies in Vancouver, before moving back to Japan – where she was raised – to teach English while working in television and radio. She is knowledgeable in many fields and can be counted on for almost any type of translation or interpretation.

宮原 美佳子
フリーランス会議通訳者・翻訳者(日英)。中3女子・中1男子の「かーさん」。基本なんでもチャレンジ!な体育会系。ベンダー系列システムエンジニアリング会社で5年間SEとして勤務経験あり。地元大手企業で社内通訳をへてフリーランス通訳・翻訳者へ。得意のIT・製造業の知識を活かし国内外のクライアント向けにビジネス・国際会議などで稼働中。顧客満足を第一に考えながら、お客様・同業者と信頼関係を育てられる仕事をしたいと思っています。

交流会:
Cusco Cafe 17:30~

お問い合わせ先: kat@jat.org

2012年2月27日

3/17 IJET-23 プレイベント 福岡翻訳セミナー

まだまだ続くIJETプレイベント。今年はかなり気合を入れてPRしています。

第一部:品質管理チェックシートの活用と音声合成ソフトによる翻訳レビュー


■講演概要

・ケアレスミス低減のための品質管理チェックシートの作成
  用語集、ブラックリスト、ロジックチェックリストなど
・音声合成(Text to Speech)ソフトを活用した翻訳レビュー
  音声合成ソフトを活用した訳文チェック

この講演では、翻訳品質向上を目的とした品質管理チェックシートの作成方法と訳文5,000~7,000ワード/時のプルーフリードを可能とする音声合成ソフトの活用方法をご紹介します。

■講演者紹介

○ベンジャミン・トンプキンス

1994年、福岡の翻訳会社に入社。社内翻訳者/編集者として翻訳の世界へ。現在は医薬・特許・生物医薬を専門とする日英翻訳者。仕事関連の関心事は、生産効率、神経可塑性、抗癌剤など。第16回日英・英日翻訳国際会議(IJET-16)実行委員長。アメリカ翻訳者協会(ATA)会員。

第二部:実践!日⇔英翻訳ワークショップ


第二部は会場に4つのステーション(英日×2&日英×2)を設置して、各ステーションで30分のミニ翻訳ワークショップを行います。一口サイズの内容で、講師も分かり易く説明しますので、全くの未経験者でも安心です。ローテーションで回りますので、最終的には4つ全てのステーションを体験します。

■英日翻訳
立花 陽一郎「翻訳してみましょう ~難しさ vs 面白さ~」
楠 カトリン「翻訳Step by step」

■日英翻訳
大越 正浩「そこ、見られてますよ! ~英文表記のお作法」
牧野 一成「最も適切な訳文を探そう(´・ω・)キリッ」

日時:2012年3月17日(土)13:30~17:30
場所:AQUA HAKATA
住所:福岡県福岡市博多区中洲5丁目3-8

参加費:JAT会員は無料、一般は1,000円。
必要なもの:筆記用具、電子辞書等

18時から「十徳や中洲」で交流会を予定。

お問い合わせ先:kat@jat.org

2012年2月26日

最高裁アップデート(タニグチ vs. KPS)

約一ヶ月前に翻訳と通訳は同じか?米最高裁で決戦! で報告したケースがあれからどうなったかというと・・・

Matter of Interpretation: Supreme Court Sympathetic to Japanese Litigant

ラッキーなことに日本語訳もあった。ちょっとビミョーだけど。

米最高裁で元プロ野球選手・谷口功一氏の審理開始

21日の最高裁審理全記録はここで入手できるが、とりあえずは記事にもあるようにタニグチ有利、といったところでしょうか。特にアリート判事のツッコミと笑いのセンスが光る(笑)。アメリカの裁判官はユーモアがあるんですよね。

JUSTICE ALITO: Somebody did a computer search in the database of, let's say, newspaper articles and magazine articles for use of the term "interpreter" in relationship to a foreign language. And let's say you look at 1,000 hits. How many of those do you think would use the term "interpreter" to refer to rendering a written document from one language to another?

MR. HIMMELFARB: I would not be at all surprised if it was more than 50 percent of the hits that used it in its narrower sense.

JUSTICE SOTOMAYOR: You are like daring Justice Alito to go do this now.

(Laughter.)

MR. HIMMELFARB: However --

JUSTICE ALITO: How much would you bet?

(Laughter.)

JUSTICE ALITO: If you bet me enough, I will look at 1,000, I would be surprised if it's 2 percent.

7月に予定されている判決が楽しみです。

2012年2月22日

映画に於ける最適な字幕表示方法の調査・研究 ご協力のお願い

これは地味に重要な企画なので、協力できる方はぜひ。

映画に於ける最適な字幕表示方法の調査・研究 ご協力のお願い

障害者権利条約批准に向けて、聴覚障害者用字幕の整備が進みつつあります。その中で、聴覚障害者にとっての最適な字幕提示方法を得るための調査・研究が行われており、当事者の協力が必要とされています。

逆に協力者がいないと、いつまで経っても整備が進まないのですよ。頼む。

2012年2月20日

エージェントの現実と限界。

先日、6月に広島で開催されるIJETのプロモーションとして、大阪プレイベント第二弾を開催しました。第一部の吉富さんの講演も面白かったのですが、やはり多くの参加者は第二部の煽りタイトルに注目されていたのではないでしょうか…というのは冗談ですが。

タイトル「まずは年収500万!~いま、エージェントとの付き合い方を考える~」の500万は、実行委員の立花陽一郎さんと牧野ポールさんと一緒に大阪の居酒屋で企画会議をした時に、①フリーランスで、②エージェントの仕事だけ受けた場合(ソースクライアントとの直接取り引きは無し)、妥当な年収はどのくらいなのかなあ?という問いから出発して、「うーん、感覚的には500万円くらいがイイ線なのかなあ」とテキトーに決まった数字です(笑)。昨秋、私が大阪で講演した際には直接取引の重要性を説いたのですが、やはりフリーランス翻訳者の大多数はエージェントから仕事を得ている現実があるわけで、それなら次のイベントでは「エージェントと上手く付き合いながら500万稼ぐ方法」を見つけよう!と決まったわけです。ここらへんも98%ノリで。

パネリストは5名いたのですが、やはり参加者の注目は株式会社アスカコーポレーションの石岡映子社長に集まりました。エージェント代表ですからね。いやらしい質問を華麗にかわしつつも、示唆に富む発言を随所に残すあたりはさすがでした。私が気づいた点を以下に簡単にまとめます。

■時代は質よりスピード

アスカコーポレーションは医学・薬学を専門に扱う翻訳会社です。分野が分野ですから、翻訳スピードを犠牲にしてでも正確性を求めるのだろうと誰もが思っていたはずですが、パネリストの一人が「翻訳の質が85%で作業が速い人と、95%で作業が遅い人がいたら、どっちをとります?」と質問したら、間髪いれずに「95%を切ります (キリッ」と断言しました。あまりにもハッキリと言われたので、会場にいた全員が( ゚д゚)ポカーン としてしまったくらいです。

もちろん、石岡社長は質を軽視しているわけではないでしょう。アスカに限らず、エージェントが翻訳者を評価する際には、まず訳文が商品として「許容できるレベル」にあるのかを見ます。翻訳のスタイル等は十人十色ですから、100%はありませんし。そのレベルに達していれば、例えばそのレベルがアスカの場合は84%だとしたら、作業スピードも含めて総合的に評価した場合、85%の翻訳者が95%より重宝されるのは十分にあり得ることです。さらに重要なのは、これを求めているのはエージェントではなく、ソースクライアントだということです。

私はどちらかというと作業が遅い方だと思いますし、100%に近づけたいタイプなので、それを理解してくれるソースクライアントを探して一緒に仕事をする道を選びました。けれど、エージェント経由で仕事をする道を選ぶのであれば、今後は「質よりスピード」の流れを今まで以上に意識せざるを得ないと思います。

一部のパネリストは「今後はもっとスピードを上げて対応していく」と発言されていたのですが、私にはこの発言の意味が理解できません。というのは、当たり前ですが、人間には限界があります。機械翻訳が作業スピードを限りなくゼロにしてしまった今、人間がスピードアップして何の意味があるというのでしょうか。「機械翻訳は質が低い」と言われます。確かに現時点ではあまり使えません。しかし5年、10年のスパンで見た場合、機械翻訳の性能が劇的に向上する可能性が高い、少なくともそのケースを想定して動いていない翻訳者は淘汰されると思います。「スピードを上げて対応していく」のはとりあえずの策であり、問題を根本的に解決することはできません。フリーランスとしては自殺行為に等しいと思います。


■スターでも年収500万円は容易ではない

年収500万円の話の時に、石岡社長が「アスカのスター翻訳者でも全員500万円は稼いでいない」と発言されました。規模にもよりますが、エージェントが抱えるスター翻訳者(質が高い訳文を安定的に生産できるので、常に仕事を依頼される翻訳者)の数はあまり多くありません。おそらく業界では中堅クラスのアスカですが、そこのスター翻訳者でさえも全員年収500万円には達していない(むしろ実態は300万円に近いとか)。フリーランス翻訳者はこの事実を重く受けとめなければなりません。


■キャリアがあっても最初は新人扱い

他のエージェントでどれだけ経験を積んでも、アスカでは基本的に新人としてスタートするそうです。これは当たり前のことで、アスカに限る話ではありません。ただ、SNSの普及等により評価経済が重視されつつある今、新しいエージェントと取り引きを始めるたびにゼロ評価からのスタートを強いられるのはちょっとなあ…と私は思います。しかもそのエージェントでどれだけいい仕事をしても、翻訳者個人はソースクライアントから評価してもらえない。エージェント経由の仕事が多い翻訳者は、この「失われた評価」の価値について改めて考えるべきだと思うのです。


エージェントと上手く付き合いながら年収500万稼ぐ方法を見つけるのがパネルの目的だったのですが、個人的にはやっぱり難しいなと感じました。こんなオチですみません。

ちなみに私は石岡社長を批判するわけでもありません。エージェントにはエージェントの立場がありますし、私にもそれは理解できます。翻訳会社だってビジネスですから、基本的には安く仕入れて(翻訳者のレートを低く抑えて)、高く売るしかないのです。だから多くの翻訳者のエージェントレートが低いのはむしろ当たり前のことなのですよ。

最後にもう一つ。数年前のJTFイベントで石岡社長が「いい仕事をすればOK」という参加者の意見に対して「いい仕事をするだけじゃダメ」と反論して、そのあとプチ炎上したという話を彼女から聞いたのですが、これについては私は石岡社長の姿勢に大賛成です。「いい仕事」をどう定義するかにもよりますが、「翻訳技術さえ磨けば結果は必ずついてくる」という考えであればそれは甘い、というのが(たぶん)石岡社長の本意であり、私もそう感じています。マーケットが開かれている以上、そこで生き残りたかったら常に自分とマーケットの関係性、自分の立ち位置を意識しなければなりません。

というか、当たり前じゃん…

【2/26 追記】

ツイッターでのその後の反響をまとめました。

【2/29 追記】

まったく気づいてなかったが、この件についてアスカの石岡社長がブログ記事をアップしてました。

2012年2月14日

3/3 医療通訳とメディカルツーリズム:地域医療の視点から

2月11日の大阪プレで講演していただいた吉冨さんがファシリテーターを務めるイベントです。

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        医療通訳を考えるセミナー
「医療通訳とメディカルツーリズム:地域医療の視点から」
~あなたはメディカルツーリズム推進派? 反対派(慎重派)?~
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近年、医療ツーリズムが注目を集めています。一方で、日本語の理解が不十分な外国人住民が安心して診療を受けられないという地域医療の現状があります。医療ツーリズムは地域医療にどのような影響を与えるのでしょうか?医療通訳を軸に医療ツーリズムと地域医療について考えるセミナーです。

■日時
2012年3月3日(土)14時~17時

■会場
国際健康開発センター 3階 交流ホールABC
神戸市中央区脇浜海岸通1-5-1 TEL 078-230-3261
〔アクセス〕JR灘駅から南へ徒歩約12分/阪神岩屋駅から南へ徒歩約10分

■講演(14:10~15:10)
「医療通訳とメディカルツーリズム」
講師:松尾 信昭 氏(神戸夙川学院大学観光文化学科教授・総合診療医)

■ワークショップ(15:30~17:00)
「医療通訳とメディカルツーリズム:地域医療の視点から
-あなたはメディカルツーリズム推進派? 反対派(慎重派)?」
※ワークショップの参考としてFACIL制作の医療通訳DVDを上映します。
アドバイザー:松尾 信昭 氏
ファシリテーター:吉富 志津代
(多言語センターFACIL代表・大阪大学グローバルコラボレーションセンター特
任准教授)

■参加費:無料
前日までに 【①名前 ②連絡先 ③職業 ④所属機関・団体名
⑤メディカルツーリズムに対する意見(推進派か反対派(慎重派)か)】
を記載し、下記までお申込下さい。

■申込・お問い合わせ
(特活)多言語センターFACIL (担当:李)
TEL: 078-736-3040 FAX: 078-737-3187
Email:facil@tcc117.org
URL:http://www.tcc117.org/facil/

■主催
公益財団法人兵庫県国際交流協会
特定非営利活動法人多言語センターFACIL

■後援
兵庫県、神戸市、社団法人兵庫県看護協会
兵庫県医療ソーシャルワーカー協会
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2012年2月13日

3/20 公開シンポ「裁判員裁判経験の法廷通訳人が語る」

公開シンポジウム「裁判員裁判経験の法廷通訳人が語る」というイベントにパネリストとして参加することになりました。英語の私の他に中国語、ペルシャ語、韓国語、スペイン語の法廷通訳人が集まるそうです。

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◆ 公開シンポジウム
◆ 裁判員裁判経験の法廷通訳人が語る
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日本語を十分に解しない外国人被告人にかかる要通訳の裁判員裁判は、十数件に1件の割合で行われています。実際に裁判員裁判で法廷通訳人を務めた者より裁判で苦労している点、以前の裁判とは異なる点などをお話しいただきます。一般的にはあまり知られていない法廷通訳人の生の声をお届けします。

日 時: 2012年3月20日(火・祝日) 13:30~17:00

場 所: 大阪大学中之島センター 7階セミナー室
   (大阪市北区中之島4-3-53)
    
参 加: 無料、事前申し込み不要

主 催: 大阪大学グローバルコラボレーションセンター

お問い合わせ:
大阪大学グローバルコラボレーションセンター
info@glocol.osaka-u.ac.jp

2012年2月5日

手書き漢字検索

Handwritten Kanji Search

標準のPCなら必ずついてくる機能なのですが、これだとキャンバスを広く使えるのがいいですね。地味に便利。Four-cornerをクリックすると部首でも検索できます。元々は日本語を勉強する外国人向けに作成されたものだと思うのですが、便利なことには変わらないので紹介しておきます。