もうすっかりサッカー担当になってしまった感がありますが、好きなので特に文句はありません(笑)。今日は中国でも注目されている準決勝。女子サッカーは中国でも注目を集めていて、入場ゲートはどこもカオス状態(中国人は列に並ばないというのも理由の一つですが)。会場内のセキュリティも通常より厳しく、スタジアム内も熱気がムンムン。一般に混じって観客席で日本を応援したら危ないのかなあと考えていたら、なんとエグゼキュティブ・ルーム(!)に案内された。11月中旬になっても昼間は暑いので、空調がある部屋での観戦は助かります。それにエグゼキュティブ・ルームからはフィールドが全て見渡せる。日本で普通に借りたら30万円くらいはするのでしょうか。
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VIP待遇っぽい |
暑い暑いと文句ばかりの私ですが、ピッチ上の選手はもっと暑いはずで、中国の猛攻を90分間しのぎ続け、0-0で延長に入る頃には日も暮れ始めていました。0-0でも通訳者は残り時間15分くらいの時点で記者会見場に移動して準備を始めます。マイクのチェック、通訳の順序の確認、メディアリストの確認等(会見に参加するメディアのリストが配布される)、色々あります。ただ準備が終わっても、試合はまだ終わる気配がありません。延長に入っても一進一退、いやむしろ中国がやや優勢のムードで、周囲の中国人記者たちの「いけるぞ!」的な雰囲気の中、私だけがハラハラして肩身が狭い感が。
しかし日本代表はやってくれました。ずっと我慢のサッカーを続けてきたFW大野が延長後半、こぼれ球に反応してがら空きのゴールにシュートを叩き込む。「あぁー」のため息が会場を包み、メディアラウンジにも悲鳴が。そして日本は残りの8分をがっちり守って逃げ切り、試合終了。ホイッスルが鳴り響いた瞬間、中国の選手はフィールドに倒れこみ、日本も手を挙げて喜ぶ選手は少なく、その場に座り込んだりして、本当に限界まで疲労していたことが伺えました。
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完全アウェーの中、よく頑張った! |
3ヶ月前に新しい監督が就任してから、中国はとても素晴らしいサッカーをしていただけに、ファンにとっては痛い敗戦だったことでしょう。会見でも質問は中国代表の監督に集中し、3ヶ月でここまでのサプライズを演出できたのであれば、次のアジアカップやW杯はもっと期待できるのではないかと、もう将来を見据えている質問が多かったように思います。男子代表が予選で敗退した時はかなり叩かれて酷評されただけに(現地の新聞では「全員クビにしろ!」とか「恥をさらすくらいならサッカーなんてやめてしまえ!」などの見出しが並んだ)、反応が極端だなあと思いました。
日本側からは佐々木監督とMF澤選手が登壇。佐々木監督は非常に礼儀正しく、通訳者にも色々配慮してくださる方です。監督や選手の中には、勝ったにしても負けたにしても、なぜか機嫌が悪くて質問にまともに答えなかったり、わざと挑発的な答え方をしたりする方もいる中、本当に紳士的でした。
会見後に澤選手が「三ヶ国語喋れるんですか?」と訊いてきたので、私は中国人通訳者の英語を待ってリレーしているのですと説明したら「すごくスムーズなので中国語も分かるのかと思っていました」とありがたい一言を頂きました。いやいや、15歳から日本代表のあなたの方が百倍凄いですって。今までもファンでしたし、これからもずっとファンですよ!