2010年11月18日

広州アジア大会7 女子サッカー、予選から頂上決戦!

今日は注目の一戦を担当することになりました。女子サッカー予選、日本vs北朝鮮。2010年8月13日付のFIFAランクは日本が5位、北朝鮮が6位で、アジアでは文句なしの二強です。もちろん中国(14位)と韓国(21位)も優勝争いに絡んでくるわけですが、連携と安定感では日本と北朝鮮が上という感があります。

いつもはホテルから他の通訳者と一緒にシャトルバスに乗って会場へ向かうのですが、これだと試合開始に間に合わず前半を見逃してしまうので、この日から注目の試合については自腹を切ってタクシーで早めに向かうことにしました(といってもタクシー料金は激安なので痛くも痒くもない)。ホテルで待機している時間がもったいないですし、やはり観客の反応を生で感じながらのスポーツ観戦は楽しいものです。ALL ACCESSのカードを頂いているので、使わない手もない(笑)。

ぞくぞく集まる中国ファン
 試合は両チームにいくつかの決定機があったものの、印象としては北朝鮮ペースで進み(正確なデータは分かりませんが、支配率は北朝鮮が上だったと思います)、日本は北朝鮮の厳しいプレスに対して上手くボールを前に進めることができなかった様子でした。ただやはりベテランの澤と宮間の安定感には安心しますし、ブーイングを続けていた中国人ファンもGK山郷のスーパーセーブ連発には「おおっー!」と驚いていました。普通に2-0で負けてもおかしくなかった試合ですが、山郷の活躍もあり、引き分け(0-0)で予選一位通過を決めました。

さて試合後の記者会見ですが、本大会での記者会見は中国が関係する試合を除き全てメディアの要望により開催されるらしく(この点も情報が錯綜していたのですが)、この試合については決められた時間までに日本メディアから開催要請がなかったので開催は見送られることになりました。ただこの決定についての公式発表が遅れ、そしてそもそも要請が必要なことすら日本メディアは伝えられていなかったらしく、記者会見場の外では「ここまで注目されている試合なのに公式記者会見が無いのはどう考えてもおかしいだろ!」と怒号が飛ぶシーンも。最終的にミックスゾーンでのぶら下がりのみになりました。

選手リストや結果など、プレス用の情報
 シャトルバスのスケジュールの関係でスタジアムに残ることになり、中国と韓国の試合もフル観戦しました。スピーディーな攻撃をする中国に対して鉄壁の守りでゴールを死守する韓国、といった印象。特に見せ場もなく0-0の引き分けに終わったのですが、予選通過順位を決めるためにPK戦が行わたのは予想外の展開で、中国ファンも大いに盛り上がりました(韓国が勝利したのですが)。

ちなみに今大会では中国語通訳者が非常に重要な役割を担っています。基本的には全ての発言は中国語に通訳され、中国語の発言は通訳者を介して私のような他言語にリレーされるわけですが、中国語通訳者の英訳クオリティ(発音、構文、表現など)が良くないと他言語の訳出にも大きな影響が出るわけです。通訳者の中には早くも「あの中国語通訳者とはちょっと組みたくない」と漏らしている人もいます。私はどう評価されているのでしょう・・・