2010年11月23日

広州アジア大会12 成長する若きサムライたち

男子サッカー準決勝、イラン戦です。日本同様、イランも23歳以下の選手を中心にチーム編成をしていたのですが(試合後の記者会見でイラン監督が「クラブチームが選手を出してくれなかったのでベストメンバーを揃えられなかった」と述べていたので、意図的ではないかもしれませんが)、フィジカルでは全体的にイランが日本を圧倒。個々の創造性、ダイナミズムで勝るイランは観客を大いに沸かせてくれました。縦パス一本でするっと抜けて先制点を取った時は日本選手が浮き足立っているのが手に取るように分かりましたし、イランはその後も前線から激しいプレッシャーで日本の肉体的・精神的タフネスを試しているようでした。

しかし日本は立ち直ります。少しずつリズムを作り、パスをつなぎ始め、イランのようにロングボールにこだわらずに、細かくつなぐ組織的サッカー、関塚監督の掲げた日本のサッカーを貫きます。すると選手が徐々に落ち着きを取り戻し、水沼が抜け出して同点ゴール。後半はイランが背の高いFWを投入してクロスからの攻撃を試みますが、日本も當間を投入してディフェンスラインを固め、イランの猛攻に我慢の時間。そして居合いのように一瞬のスキを突いて、永井のドリブル3人抜きの逆転ゴールが生まれました。イランの監督が「イランは6度の決定機があり1ゴール、日本は3度の決定機があり2ゴール。決定力が勝負を決めた」と話していましたが、その通りだと思います。

先制されるも集中を切らさず逆転!
いつもはあまり話さない関塚監督もこの日は記者の質問に長く丁寧に話していました。選手一人ひとりの成長、そして一つのチームとしての成長を実感し、とても喜んでいるようでした。逆転ゴールを決めた後に選手全員がベンチ前に集まって抱擁していた姿が目に焼きついて離れません。二日後の決勝もぜひ担当したいものです(単に試合を観戦したいというのもあるけど)。

■イランの監督は発言する時に必ず「In the name of Allah...」と言っていたので、私もしかたなく「アラーの名において・・・」と訳しました。そういうものなのですかね。

■この日の午後2時半頃、韓国が海の軍事境界線と定める北方限界線(NLL)に近い韓国西方沖の延坪(ヨンピョン)島と周辺の黄海水域に、北朝鮮側から砲撃があり、50発以上が着弾、多数の民家が炎上したとの一報。韓国軍が応戦し、少なくとも韓国軍兵士2人が死亡、兵士や住民20人が重軽傷を負ったとのこと。北朝鮮人の通訳をしなければならない韓国語通訳者にとって、かなり複雑な状況になりつつあります。もともと複雑なのに、もう勘弁して!