2010年11月26日

広州アジア大会15 静かな最終日。

本日が通訳者にとって事実上の最終日です。明日は最終日、つまり男女マラソンで幕を閉じるわけですが、日本語通訳者は必要ないと実行委員会から事前に通知があったようです(マラソンは日本のお家芸なので、これまた不思議な決断ですが)。通訳者の多くは「早く帰りたい~」と心はすっかり帰国モードです。おそらくホテルのワンパターンな食事に飽きたのでしょう(笑)。もう二週間も同じ物を食べていると、お粥やスイカ、味付けなしの蒸しエビとか、シンプルなものしか美味しく感じられません・・・

さて、前日に「バスケを担当したい!」とお願いしたら、日本とイランの銅メダルマッチに担当することになりました。本当は囲碁も狙っていたのですが(一応、アマ五段です)、知恵の輪ジャパンは予選で韓国と中国に負けて、こちらも既に優勝戦線から脱落。持ち時間45分なんて日本のプロ棋士はほとんど打たないでしょうから、最後まで苦戦したことでしょう。名人戦は持ち時間8時間ですから、アジア大会の対局がどれだけ猛スピードで進むのか分かると思います。

まあそれはさておき、バスケ会場へ。日本のバスケファンなら誰でも知っているであろう田臥勇太を生で観るのは、私は今日が初めてです。NBAのプレシーズンやサマーリーグの試合に出場しているのはテレビで観たことがあったのですが。夜7時に中国―韓国の決勝が予定されていて、三位決定戦は3時半くらいから始まったのですが、試合ごとの入れ替えがないので(つまり一枚のチケットと2試合観戦できる)、早めに会場入りしている中国ファンも結構いました。

日本ーイラン
試合ですが、日本は試合開始からどうも波に乗れず。ここまで男女サッカーのしぶとさとチームワークを目にしてきただけに、どうも選手の動きが鈍いというか、足りないというか(サッカーと比べるのも酷だけど)。田臥はパス第一のPGですから周りの選手が動いてくれないと活きてこないし、昔から弱点と指摘されてきたジャンプシュートは相変わらず不安定。むしろイランのPGの方がねちっこい攻撃で存在感が強かった印象です。「こいつなら何かしてくれそうだ」感があったというか。勝ち続けるチームには必ずそういう選手がいるもので、この試合でもイランのPGは大暴れでした。日本は一度崩されたリズムを元に戻す事ができず、結局最後までリードすることなく完敗。特筆すべき展開が何もなかったのが残念です。

さて、最終日の通訳ですが・・・キャンセルされました(泣)。まあ日本メディアは4位のチームに興味はないでしょうし、中国メディアの関心は夜の決勝に100%注がれているので、考えてみれば当然の結果ということで。

なんとも締まりのない最後ではありましたが、広州アジア大会、色々な意味で楽しい仕事でした。また4年後に韓国に呼ばれたいものです・・・!

■最終日の夜に日本語通訳者が集まって食事したのですが、なんと同じレストランにマラソン解説で広州を訪れていた増田明美さんが。記念に一枚頂きました。

増田明美さんと一緒に
■余談ですが、今後はもっとエンタメやスポーツ関連の通訳を増やしていきたいと思います。政治やビジネスに飽きたわけではないけれど、今はそういうサイクルにあると言うか、純粋に楽しめる仕事をしたいですね。きちんと仕事すれば金メダルも貰えるしね!

どさくさに紛れて金メダルGET