2010年11月18日

広州アジア大会7 女子サッカー、予選から頂上決戦!

今日は注目の一戦を担当することになりました。女子サッカー予選、日本vs北朝鮮。2010年8月13日付のFIFAランクは日本が5位、北朝鮮が6位で、アジアでは文句なしの二強です。もちろん中国(14位)と韓国(21位)も優勝争いに絡んでくるわけですが、連携と安定感では日本と北朝鮮が上という感があります。

いつもはホテルから他の通訳者と一緒にシャトルバスに乗って会場へ向かうのですが、これだと試合開始に間に合わず前半を見逃してしまうので、この日から注目の試合については自腹を切ってタクシーで早めに向かうことにしました(といってもタクシー料金は激安なので痛くも痒くもない)。ホテルで待機している時間がもったいないですし、やはり観客の反応を生で感じながらのスポーツ観戦は楽しいものです。ALL ACCESSのカードを頂いているので、使わない手もない(笑)。

ぞくぞく集まる中国ファン
 試合は両チームにいくつかの決定機があったものの、印象としては北朝鮮ペースで進み(正確なデータは分かりませんが、支配率は北朝鮮が上だったと思います)、日本は北朝鮮の厳しいプレスに対して上手くボールを前に進めることができなかった様子でした。ただやはりベテランの澤と宮間の安定感には安心しますし、ブーイングを続けていた中国人ファンもGK山郷のスーパーセーブ連発には「おおっー!」と驚いていました。普通に2-0で負けてもおかしくなかった試合ですが、山郷の活躍もあり、引き分け(0-0)で予選一位通過を決めました。

さて試合後の記者会見ですが、本大会での記者会見は中国が関係する試合を除き全てメディアの要望により開催されるらしく(この点も情報が錯綜していたのですが)、この試合については決められた時間までに日本メディアから開催要請がなかったので開催は見送られることになりました。ただこの決定についての公式発表が遅れ、そしてそもそも要請が必要なことすら日本メディアは伝えられていなかったらしく、記者会見場の外では「ここまで注目されている試合なのに公式記者会見が無いのはどう考えてもおかしいだろ!」と怒号が飛ぶシーンも。最終的にミックスゾーンでのぶら下がりのみになりました。

選手リストや結果など、プレス用の情報
 シャトルバスのスケジュールの関係でスタジアムに残ることになり、中国と韓国の試合もフル観戦しました。スピーディーな攻撃をする中国に対して鉄壁の守りでゴールを死守する韓国、といった印象。特に見せ場もなく0-0の引き分けに終わったのですが、予選通過順位を決めるためにPK戦が行わたのは予想外の展開で、中国ファンも大いに盛り上がりました(韓国が勝利したのですが)。

ちなみに今大会では中国語通訳者が非常に重要な役割を担っています。基本的には全ての発言は中国語に通訳され、中国語の発言は通訳者を介して私のような他言語にリレーされるわけですが、中国語通訳者の英訳クオリティ(発音、構文、表現など)が良くないと他言語の訳出にも大きな影響が出るわけです。通訳者の中には早くも「あの中国語通訳者とはちょっと組みたくない」と漏らしている人もいます。私はどう評価されているのでしょう・・・

2010年11月17日

広州アジア大会6 見世物パンダになった件。

今日は昼過ぎから射撃場へ。ホテルを出発した時にはメダリストが確定していなかったので私も呼ばれて行ったのですが(メダルが有力視されていた日本選手がいた)、結局は中国が金・銅、イランが銀を獲得。出番が無くなったので表彰式の様子を覗いてきました。



表彰式や関係者誘導に登場する女性アシスタントが、「セクシーすぎる」として各国メディアで話題になっていますが、確かに露出度は高いです、というか妄想を刺激する程度に高い(笑)。体のラインがはっきりと分かる中国の伝統衣装「旗袍」(チーパオ=チャイナドレス)を身につけており、水色を基調にしているため、下がある程度透けて見えるのです。5メートルくらいの距離に近づくと目のやり場に困ります。いや、本当に!

近くで見るとヤバいです

記者会見場のモニター
夜の部はまた競泳の記者会見。この日はオフだった日本人通訳者4名がなぜか私の通訳を見に来た。というか本当の目当ては入江陵介だったらしいけど。仕事が始まれば集中してゾーンに入るので、誰が見ていようと緊張はしないのですが、途中から空調が抑えられたようで、暑がりの私は汗をぽたぽたこぼしていました。もしかしたら緊張しているように見えたかもしれません。実は初日も同じように汗がこぼれていたので、「緊張しているのかな、珍しいな」と思っていたのですが、指先をじっと見つめても震えていないし、足も大丈夫。思考も明瞭。単に暑いだけでした(笑)。最近は緊張感が無さ過ぎて困っているくらいなので、もう少し緊張感が欲しいのが本音です。適度な緊張感は集中力を維持するためにも重要ですので。

実は貴重なネクタイ姿
 私自身も会見が始まる前にミックスゾーンで朴泰桓(韓国)のパワフルな泳ぎを覗いてきました。スタートに遅れて、折り返し地点で体半分遅れていたにもかかわらず、最後の30メートルでググっと追い上げる底力は正直「凄い」の一言です。たまに中国人記者がいやらしい質問を投げかけるのですが、それにもきちっと大人の対応をしていました。

競泳ミックスゾーンから一枚
私はといえば、一本目に上田春佳選手の通訳をしたのですが、中国人記者の「北島選手が明日の200メートル平泳ぎを棄権したそうですが、理由を教えていただけますか?」との質問にJOC(日本オリンピック委員会)の藤原理事が「後で説明します」と間に入って答えたのが唯一の印象的なシーンで、それ以外は普通の記者会見でした。まあ公式記者会見に大きなドラマはあまり望めないのですが。会見後に藤原理事に「通訳者の方々が良い仕事をしてくださって、選手も本当に助かっています」とお礼の言葉を頂いたのが心に残っています。まだ大会は半分も終わっていませんが、今後も頑張らなくては。

2010年11月16日

広州アジア大会5 男子サッカー、決勝トーナメント!

実は前日夜に男子サッカーを担当することが決定していたので、なんとなく夜遅くまでテレビで韓国と中国の一戦を観てしまいました。仕事でサッカー(というかスポーツなら何でも)が観られるとは、本当に幸せですね。日本の決勝トーナメント一回戦の相手はインドです。格下といえども油断はできません・・・と言うべきなのですが、私が試合会場に到着した時点ですでに日本が4点リードしていて、最終的に5-0で完勝しました。エース永井が2得点。関塚監督は「個人としても、チームとしても、一試合ごとに成長が感じられる」と述べ、試合内容にも納得している様子でした。インド代表の監督は、選手の経験不足と、A代表に中心選手を取られているためにベストメンバーを組めなかったことを敗因に挙げていました。それでも素直に「日本のスピーディーな試合展開についていけなかった」と認めるところは大人です。

前回と同様、記者会見場は日本のメディアで超満員。今後の日本の試合は毎回こうなることが予想されます。「サイドの揺さぶり」や「引き気味のラインからカウンター狙い」など、うっかりしていると足をすくわれる表現などもポンポンと出てくるので、サッカーを比較的知っているといえども油断はできません。日本語の通訳が付かない記者会見ではあまり質問をしない記者たちも、通訳者が付くと待ってましたとばかりに鋭いツッコミ的な質問をビシバシ投げかけてきます。というか、私より中国人通訳者の方がタジタジだったかもしれません。

ところで今夜は早く仕事が終わったので、通訳仲間とホテル近くのマーケットに繰り出しました。1)スケジュール確認→2)リサーチ→3)現場→4)寝る→1)に戻るという毎日が続いているので、遠出はおろか近場でも探検する時間があまりありません。けれどやはり少しは観光らしきものもしたいのが人間の性というもの。ただ尖閣諸島で日中関係が揺らいでいるので、ここで食事をした際には韓国人のふりをしました(笑)。意外とバレなかったかも・・・いや、普通にバレてたか。

あやしい韓国人たち
これまた怪しい韓国人2名
さらに怪しい韓国人たち
ちなみにコーディネーターの方々は毎日朝の3時~4時頃まで調整業務を行っています。私達通訳者は表面的な部分しか見えていませんが、裏では様々なロジ調整が行われているわけで、本当に感謝、感謝です。

午前1時ですが、まだ調整中です。

2010年11月15日

広州アジア大会4 負けても北島康介は偉大だった、の巻

今日はホテルを午後5時に出発して奥体遊泳館(Aoti Aquatics Centre)で競泳の通訳でした。よほどの注目競技(または選手)でない限り、通訳はファイナルの後の記者会見のみと説明を受けています。ただ記者会見はメダリストしか参加できないので、日本選手がメダルを取らないと私が輝くチャンスも失われるというわけです。そういう意味でも頑張れ、ニッポン!

競泳の記者会見は次から次へとスピーディに進んでいきます。この日は7つの決勝レースが予定されていたのですが、メダリストは表彰式の後すぐに会見場に案内されるので、一つの会見が終わる頃には次の選手が入ってくるという感じです。レース前に参加選手の名前と予選タイムなどが記載された資料(スタートリスト)が配付され、記者会見直前には試合結果のシートも配られます。きちんとライバル選手の名前などに目を通しておかないと、選手の名前を言い間違えるかもしれないからです。というか、名前や数字をしっかり訳出するのはプロの通訳者なら当然のことなのですが。

本日の競泳スタートリストなど
ちなみに会見場はプールのすぐ横にあるのですが、スケジュールの関係上、通訳者は観客席でレースを観ることができません。記者会見場のモニター(消音!)で静かに観戦です。

プレスの作業ルーム
さて、私が今夜担当したのは以下の通り。

  • 女子50メートル背泳ぎ 寺川綾(銀)
  • 男子50メートル自由形 岸田真幸(銀)、原田蘭丸(銅)
  • 女子400メートル自由形 藤野舞子(4位につき通訳の出番なし)
  • 男子100メートル平泳ぎ 立石諒(金)、北島康介(銀)
  • 女子200メートルバタフライ 星奈津美(銀)
  • 男子200メートル背泳ぎ 入江陵介(金)
  • 男子800メートルリレー 小堀勇気、内田翔、葛原俊輔、松田丈志(銀)

中でも印象に残っているのは・・・

■ 入江陵介の堂々とした発言。今年は度重なるケガや、コンディションをなかなか上げることができない日々が続いていたが、アジア大会連覇を目標にしてきたと。私よりもずっと年下なのに、落ち着きといい、立ち振る舞いといい、私より明らかに大人です。言葉の端々に王者の風格を感じました。ちなみに至近距離で見たら、今なにかと話題のあひる口がキュートでした!

入江ファンの通訳仲間が撮ってました
 ■星奈津美のネイル(笑)。爪に綺麗な金の星屑ラメが施してあり、ああ、やっぱりまだ若者なんだよなあ、と勝手に納得してしまいました。泳ぎは堂々としていましたが。国際大会で初のメダル、おめでとうございます。

■立石諒と内田翔の北島に関する発言。北島の残念な結果をどう思うかと問われて、立石は「北島選手はアメリカでひとりハードなトレーニングを積んできて、個人的に見ても良いコンディションではありませんでした。でもそのコンディションでもあのタイムを出すのは凄いと思いますし、彼のプロとしての底力を感じます」と発言。内田は日本がリレー二位に終わったことについて「現実を受け止めなければならない。選手村に戻って北島さんとミーティングをします。大会はまだ終わっていないので、これまでの事を反省しつつ、今後チームとして何ができるかを考えたい」と。たとえ負けても北島康介は日本競泳チームの精神的支柱なのだなと強く感じさせる一幕でした。

ちなみに競泳のレースを game と訳す通訳者には、ちょっとイライラします…!

記者会見場の後ろから一枚

2010年11月14日

広州アジア大会3 いきなりオフ!

前日深夜に14日のスケジュールが発表され、まだ大会は始まったばかりだというのに私は早速オフが決定しました。前日の仕事が遅くまでかかったのを配慮してくれたのでしょうか(スタジアムがホテルからかなり離れていたので、戻ったのは夜11時頃)。まあでも他の通訳者もいるので休める所は素直に休んでおきます。

日本語通訳者は10名いるのですが、2名は「バックアップ」として呼ばれています。基本的に出番は少ないのですが、正通訳者の体力的負担を軽減するために所々サポートに入っています。この日も一人、馬術とカヌーのファイナルに呼ばれて、早朝から車で数時間かけて山奥の会場に向かったのですが、会見がなぜかキャンセルになったとのこと。これは他の競技でもそうですが、メダルが想定されて通訳者が派遣されても、4位に終わったりすると会見がキャンセルになることもあるそうです。その他にも運営上の理由があるらしいですが。

大会期間中、通訳者はホテルから移動時間10分の範囲に拘束されます。突然の通訳者派遣要請にも迅速に対応するためです。すると買い物はもっぱら隣の売店に限定されるわけですが、これがまたシュールな売店で、もちろん普通に軽食や飲み物が売られているわけですが、レジ横のショーケースには大人のおもちゃや怪しい錠剤が並べられています。これはどう考えても外国人の宿泊客が乱痴気騒ぎしているな、と推測してしまいます。夜になるとホテル各階のエレベーター前にホテルスタッフが立っているのですが、おそらく売春婦を水際でストップするためでしょう。大会期間中はセキュリティも厳しくなっていて、売店でジュースを買って2分で戻ってきても持ち物を検査され、金属探知機で全身をなめ回されるという徹底ぶりです。

会場アクセス&地下鉄も無料になるIDパス
ネット検閲も予想はしていましたが、やはりGoogle.comはアクセス不可(香港のGoogle.com.hkは大丈夫でした)。でも日本のGoogle.co.jpはアクセスできるし、ウィキペディアで「天安門事件」も検索できる。 Facebook / Twitter / Tumblr などのSNSも規制対象になっており閲覧不可。これらは大きな問題ではないのですが、YouTubeにアクセスできないのは通訳の準備に多少影響があります。事前に各競技のルール等は調べてきているものの、やはり実際に通訳する前に可能な限り競技が行われている様子を目にしておきたい。例えばアジア大会ではセパタクローという競技があるのですが、今回はニコニコ動画の映像が役立ちました。ちなみに部屋で待機中に事業仕分け第3弾を観たりして、ニコニコ生放送にも大変お世話になっています(笑)。

2010年11月13日

広州アジア大会2 初日からメダルラッシュ、そして初仕事はサッカー

経済誌『フォーブス』が11月12日に発表した今年の中国商業都市ランキングで、広州は上海を抜いてトップに立ちました。広州の昨年の経済成長率は脅威の11.5%。世界各地で経済不況が続く中、本当に驚くべき数字です。今朝はアジア大会会場の一つである天河体育中心(Tianhe Sports Centre)の近くにあるショッピングモールを覗いてきたのですが、やはり経済成長は本物だな、という実感が得られました。

ホテルに戻ると、市来崎大祐が武術太極拳の男子長拳で銀メダルを獲得したとのニュースが。このイベントにはオーストラリアから来た通訳者さんが朝早くから派遣されていて(5時半起床だったとか)、競技後の市来崎の記者会見を通訳した。いよいよ始まったのだな、と実感がこみ上げてくる。通訳者の中には「この競技を担当したい」とか「この競技はあまり知らないので避けたい」などと好き勝手を言う人もいるのですが、個人的には日本がメダルを狙えそうな競技なら何でもOKというスタンスです(笑)。アジア大会の競技については一通り調べてあるのでどこに派遣されてもさほど心配はありませんが、やはりどうせ通訳するなら、どんよりムードな敗戦の弁よりニコニコモードで勝利を語る方が楽しいものですよね。気持ち的に。

その私はと言えば、ランチ前に今日の担当競技が決定しました。サッカー日本代表(U21)対キルギスの一戦です。日本はすでに予選リーグの一位通過を決めているため、実質的には消化試合なのですが、個人的に好きな競技なので、一発目としては当たりかなという感じです。

スタジアムに到着すると通訳者の詰め所に案内され、7時から日本戦キックオフ。メインスタンドのメディア席に移動して観戦しました。日本はスタメンを8人入れ替え・・・なのですが3-0で完勝。本日が20歳の誕生日の登里が2ゴールを決めました。試合内容でさほど記憶に残るシーンは無かったのですが、観客(ほぼ全員中国人)が日本の国歌斉唱の時に凄まじいブーイングを浴びせていたのは何かと新鮮でした。そうか、これが例の有名なやつか・・・
ゲートでID確認&金属探知機

韓国人通訳者が選手リストを確認
試合後はすぐに記者会見場へ。キルギス代表監督の会見の後、関塚監督と登里選手が登壇。基本的に全ての発言は中国語に通訳される必要があるため(メディア的な理由からだろう)、リレー通訳の方式が採用されていて、例えば関塚監督が日本語で喋るとまず私が英語に訳し、その英語訳から中国語に訳されるという感じです。当然かなりの時間がかかってしまうわけですが、仕方がありません。関塚監督は「決勝トーナメントは予選とは全く別。気持ちを引き締めてチーム一丸となって戦う」と述べられていました。冷静沈着、知将のイメージです。発言も筋が通っていて分かりやすく、通訳がしやすい。助かりました。

日本vsキルギス
記者会見場で打ち合わせ
ただ、消化試合だというのに日本のメディアの数には驚きました。時事通信、日刊スポーツ、集英社など計10社。一番盛り上がった記者会見でしたし、会見後もスタジアムの外で選手のぶら下がりをしていました。これで決勝が日本対中国になったら祭りな展開になるのだろうなあ、色々な意味で。

選手は公式記者会見後、裏でぶら下がり取材。
 ■一部の韓国人通訳者が北朝鮮関係者の通訳を拒否するという事件がありました。「私達は韓国人の通訳をする契約であって、北朝鮮人の通訳はしない」と主張したらしいです。ただ契約にそんなことは書いてあるはずもなく、予期せぬ問題にコーディネーターも頭を抱えていました。個人的に言わせてもらえば、仕事に政治を持ち込む通訳者はプロ失格です。それをしてしまったら、特にアジア大会やオリンピックのようなスポーツの祭典の精神に反することになりますし、なにより本大会に北朝鮮代表が参加することは周知の事実でしたから、強い政治的感情を持っているのであれば最初から断れば良いだけの話です。

北朝鮮監督が韓国人通訳者を受け入れた貴重な一枚
 ■ちなみに今日はトライアスロン女子で足立真梨子が金メダル、土橋茜子が銀メダルを獲得したのですが、なぜか通訳者の手配はされなかった模様。メダルを獲得しても、必ずしも通訳者が派遣されるわけではない事が判明しました(記者会見は選手が英語で応じたのだろうか)。逆にサッカーやバスケットボール、武術太極拳などの注目競技は予選の試合から通訳付きの記者会見がいくつも開かれるらしいです。

通訳担当表

2010年11月12日

広州アジア大会1 日本代表通訳者として。


明日から4年に一度開催されるアジアのスポーツの祭典、第16回アジア競技大会が始まります。アジア大会規模のイベントで通訳者が具体的にどのような仕事をするのか、伝えられる範囲内で詳細に伝えていきたいと思います。

さて、今夜が開会式なのですが、通訳者は必要ないとのことなので、全員ホテルで待機です。本大会の通訳者は合計55名、日本語の通訳者は10名(日本語通訳者といっても全員日本から来たわけではなく、イギリスやアメリカから来た方もいます)。私以外はアジア大会規模の国際イベントを経験するのが初めてという方ばかりで、表情にやや緊張が見て取れます。後で聞いた話なのですが、緊迫する日中関係を考慮して、一度来ると約束した後に辞退した日本語通訳者が何名かいたそうです。僕もアホなことで逮捕されないようにしなければ(「尖閣領有権を主張する日本人、中国で逮捕」なんてヘッドラインになるのだろうか)。

ホテル2階の一室に通訳者のための情報センターがあるのですが、競技が翌日から始まるというのに、夜の9時半になってもまだ通訳者のスケジュールが発表されていません。どの競技に通訳者が派遣されるか最後の最後まで主催者側と調整が続いていたようで(競技の数に対して通訳者の人数が不足している)、しばらくはこの状態が続きそうな気配です。

無駄に大きいけどダイヤ級に硬いベッド
作業デスクとしてはイマイチ(泣)
これまた無駄に豪華なレストラン

これから2週間ほど滞在するホテルですが、なんとベルサイユ宮殿をモチーフにした(外見は)豪華な造りで、「無駄に広い」「内装にセンスがない」と概ね不評なのですが、私は「たまにはセレブチックな気分を味わえて面白いでしょ…」と思っています。部屋に予備のトイレットペーパーが置いてなかったり、冷蔵庫に鍵がかかっていたりと不思議な点もありますが。

ちなみに大半の通訳者は一つのフロアに集められている中、私の部屋だけはスタッフが集まる階で、四方をコーディネーターに囲まれています。どう考えてパーティー防止策というか、目をつけられているとしか思えない(笑)。私の悪評もついにキャズムを越えたのでしょうか……!

ヨルダン選手団と一緒に便でした

2010年11月11日

2010年 翻訳・通訳忘年会

早いもので2010年も残すところあとわずか。普段は横のつながりが何かと希薄な翻訳者・通訳者ですが、年に一度くらいは同業者と集まってワイワイしても良いと思いませんか?

沖縄で翻訳・通訳業務に従事する方はもちろん、翻訳や通訳に興味がある学生や社会人の方々もぜひ御参加ください。基本的には食べて、祈って、恋をして・・・ではなく、食べて、飲んで、ゆんたくをする会です。初参加も大歓迎です!

■日時
2010年12月4日(土) 19:00~

■場所
カフェ・トラットリア Pino Vino
那覇市高良 3-3-17 コーポナガミネ1F TEL: 098-859-0415

■会費
3,500円。定員は35名ですので、申し込みはお早めに!

2010年 翻訳・通訳忘年会

2010年10月23日

エバーノート創業者、フィル・リービンさんの通訳とか。

大阪・心斎橋でエバーノートの創業者であるフィル・リービンさんの通訳をしてきました。エバーノートといえばiPhoneアプリの中でも定番中の定番、ここ数年勢いを増しているフリーミアムモデルの代表格ともいえるウェブサービスです。当初予定していた通訳者が都合で来れなくなり、イベント企画者からツイッターで当日(というかイベント数時間前に)打診を受けて急遽神戸から駆けつけました(日本翻訳者協会のイベントに参加していた)。ツイッターでは何でも流れが速いですね。

エバーノートは私も利用していますが、主にテキスト中心のライトユーザです(出張する時、現地のホテルや訪問先のデータ等をまとめて保存してある)。イマイチ上手い使い方が分からないというのもあるかもしれません。そもそも手帳も持っていないし、基本的に情報はストックしないでフローとして流していく人間なので…。そんな私が通訳しているとバレたらリービンさんに怒られるかもしれませんが(笑)、まあ仕事は真面目にやりますので。IT系は好きですし。

リービンさんのプレゼンは20分くらいと聞いていたのでエンジン全開で飛ばしていたら、なんと45分くらいあって、最後の方はバテ気味になってしまい、Ustで見苦しい姿をさらしてしまったのですが、たまたま一緒に参加していた広島の宮原美佳子さんにサポートしてもらって何とか乗り切りました。準備無しのぶっつけ本番通訳って、心臓に悪いのであまりやらない方が良いですね。まあ与えられた環境でベストの仕事をするのがプロだと考えているので、その意味では良い仕事をしたかなとも思っています。

リービンさんは、これからは「希少性」が市場を動かすのではなく、「(製品に対する)愛や情熱」が市場における価値判断の核となっていくのだと力説していました。確かにIT分野においては、製品はいくらでも複製できるので、希少性はもはや意味を成しません。そのような市場でどのように製品の価値が決まっていくかというと、消費者の製品に対する愛と情熱の度合い、というわけです。つまりただ作るのではなくて、ユーザに深く愛されるようなモノを作らなければならないということです。ユーザにとって便利であれば、支持は自然と得られる。グーグルがそうであったように。

リービンさんは本当に気さくな方で、日本にも頻繁に訪れているようです。それもそのはず、日本にはかなりの数のエバーノートユーザがいるのです。また通訳する機会があるかもしれないので、その時までにもう少し使い方を勉強しておきます!

2010年10月19日

基礎通訳講座 2011年1月期 申し込み開始!

2011年度の基礎通訳講座の詳細が決定しましたのお知らせいたします。

「現場で使える通訳技術を実践的に学ぶ」をモットーに、少人数制で密度が高い授業を提供し続けて早や5期目になります。嬉しいことに、講座をきっかけに通訳としてのキャリアを本格的にスタートした方々もおり、私も教える側として今後もしっかり頑張らなくてはな、と身の引き締まる思いです。

毎回新しい試みを心がけている本講座ですが、今期はソーシャルメディアを効果的に絡めた授業を考えています。今やソーシャルメディアは一つの時代を象徴する大きな流れになり、「知らない」ではすみません。むしろ情報を扱う事が仕事である通訳者にとって、ソーシャルメディアは有効活用すれば大きな大きな武器となることでしょう。

1月9日には無料で公開講座(体験授業)も予定しております。これについてはまた後日。講座について質問などありましたらいつでも御連絡ください。

基礎通訳講座 2011年1月期