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2026年6月21日

J.LEAGUE スポーティングダイレクタープログラム

 

Jリーグインターナショナル様の依頼で、JリーグとUEFA(欧州サッカー連盟)が共同開発したオリジナルのスポーティングディレクター・プログラムで一部通訳しました。3月26日から6月10日まで、全5回(延べ9日間/60時間)のプログラムです。私は第3回の遠隔セッションから最後まで入りました。私は純粋な競技としてのサッカーも好きですが、どちらかというと経営サイド、つまりサッカークラブの運営や管理、選手の育成、移籍市場などの方に強い関心があります。その意味では個人的趣味と仕事が重なり、とても楽しい案件でした。 

2025年1月24日

2025年シーズン開始 in AUS

明けましておめでとうございます。年末年始にいつものパターンで体調を崩したので、開幕にあわせてしっかり調整?という名のだらだら休養生活を続け、今年は1月7日に無事に法務案件でシーズンINです。今年から若手通訳者向けに、現場ではどんなことを考えているのか、どんな準備をしているのかを中心にもっとブログを頑張って書こうかなと思います。

年明けの1発目の案件、つまり開幕戦はいつも相当緊張します。私の場合、年末年始はだいたい2~3週間は通訳から離れるのですが、開幕戦が迫ると「同時通訳のスピードについていけるかな」と不安になります。不安になるくらいなら1日15分でもいいから同通の練習をすればいいのに、と思う方もいるでしょう。もっともです。でも秋の繁忙期を終えたあとは何も残っていないというか、とにかくゴロゴロして、仕事の連続で4か月我慢していたことを純粋に楽しみたいという気持ちが勝ります。秋は本当に仕事一色ですから。

さて、1月15日からはFIFA(国際サッカー連盟)案件で一週間のオーストラリア出張でした。FIFAは世界各地で各種ワークショップを開催しているのですが、今回はのトピックはtalent development(優秀な選手の発掘と育成)です。FIFAといえばワールドカップ、というのが一般人の感覚だと思いますが、通訳者として関わるFIFAはどちらかかというと10年先のサッカー界を見据えた取り組みの方が多めの印象です。その意味ではタレント発掘はとても重要。できるだけ多くの子供たちにサッカーをする機会をつくり、その中から優秀な選手を発掘し、しっかり育成していく。普通のサッカーファンはあまり意識しないけれど、サッカーが強い国はどこでも組織的に取り組んでいることです。

2023年7月19日

FIFAの仕事~裏方編

4月に日本で初開催されたFIFA Diploma in Club Managementで同時通訳してきました(写真奥のブース、右側が筆者)。「FIFAの公式通訳者ってどんな仕事してるの?」とたびたび質問されるので、今回は一般のファンがアクセスできない案件、いわゆる”裏方案件”を中心に紹介します。試合のヒーローインタビューなどファンが通訳を聞ける案件については、またの機会にということで。

FIFAといえばワールドカップを想起する人が多いと思いますが、そのワールドカップにも各年齢カテゴリーの大会があって、たとえばつい最近でいえば5月20日から6月11日まで開催されたFIFA U-20 男子ワールドカップ・アルゼンチン2023が一例です。私は日本担当で、準決勝まで勝ち残ったら記者会見などを通訳する予定だったのですが(アンダーカテゴリーは予算が潤沢ではない)、日本代表はあえなく予選ラウンドで敗退。残念。けれど裏では大会に先立つロジ周りの会議とか、宿泊先で必要になる施設や設備、備品の手配確認の会議など、いろいろあるのです。

そして近年、FIFAがとても力を入れているのがサッカー(競技)以外の事業で、FIFA Diploma in Club Management (以下、Diploma会議)もその一つ。Diploma会議はこれまで各国で開催されている健全なクラブ経営に関する国際会議なのですが、3日間の本会議に加えて、国内のクラブチーム&スタジアムの視察もありました。Jリーグの野々村チェアマンはJリーグの今と成長戦略を語り、鹿島アントラーズは地方クラブの挑戦と成功モデル、横浜F・マリノスはシティグループの戦略、普段はなかなか聞けないセルヴェットFCの経営改革の歴史など、とても充実した内容でした。最近のFIFAは女子サッカーを盛り上げるための活動に積極的で、その意味ではWEリーグ理事の小林美由紀さんの発表がとても印象に残っています。

案件に先立つ準備ですが、私はそもそも専門知識がある通訳者としてFIFAと契約しているので相当ニッチな内容でない限り上手く捌く自信はあります。ただそれでも、最近のクラブ経営について改めて学習しておこうかなと、以下の本を読みました。『海外のサッカーはなぜ巨大化したのか』では特にドイツ・ブンデスリーガのクラブ経営システムについて特に勉強になりました。ブンデスリーガは多くの発展途上のリーグがモデルにしている安定的な成長を志向するリーグで、スタジアムがチームの勝敗に関係なくほぼ毎試合満員になるという経営者としての一つの理想を実現しています。実際、Diploma会議でもブンデスリーガのチームとスポンサーとの関係や、ファンコミュニティとの関係の重要性についても話がありました。

『MLSから学ぶスポーツマネジメント』は、最近リオネル・メッシのマイアミ移籍で話題になっている北米のリーグ、MLSに関する一冊です。競技レベル的にはまだ欧州と対等とは決して言えないけれど、ビジネス的には近年目覚ましい躍進を遂げています。かつてサッカー不毛の地と呼ばれ、実際いくつものプロリーグが北米で立ち上がっては潰れていった過去がある中、その失敗から学んだMLSの戦略と実践がかなり詳細に語られていて、個人的には一番面白かったです。

クラブ経営の国際会議なのだから、マーケティング関連の内容も出てくるだろうなと思って『SHOW ME THE MONEY! ビジネスを勝利に導くFCバルセロナのマーケティング実践講座』も読んでおいたのですが、ここで得た知識は本会議よりクラブ訪問で役に立ちました。特にスタジアム関連の広告やマーケティング手法、チケット販売戦略、VIPルーム関連の戦略など、昔のスペインで当たり前だったことが今は日本でも標準になってきています。ちなみにガンバ大阪のスタジアム(パナソニックスタジアム吹田)がエスパニョールのスタジアムをモデルにしているのは、この仕事をするまで知らなかった!そしてここパナソニックスタジアム吹田では、訪問時にフィールドの端で子供向けのサッカースクールが開催中で、元スイス代表のセンデロスさんと元オーストラリア代表のケーヒルさんが試合に乱入して子供たちに直接指導していました(写真)。遊びたかっただけかもだけど。みんな心からサッカーが大好きなので!

サッカーが大好きといえば、元日本代表監督のジーコさんも本会議で登壇。私も許可を頂いて写真を1枚撮らせていただきました。Diploma会議の参加者は基本的に各クラブの幹部や幹部候補生ばかりで、その意味では元選手を含め長年サッカーにどっぷり浸かっている人ばかりなのですが、それでもジーコさんの講演のあとはサインと写真を求めて長蛇の列が。レジェンドはレジェンドですね、ホントに。

さて、Diploma会議とは別ですが、6月6日にFCバルセロナが来日した際、バルサの胸スポンサーであるSpotifyとの記念イベントも担当しました。こちらは後日各メディアで報道されたので裏方仕事ではないかもしれませんが、スペインサッカーのファンとしてはとても充実した仕事でした。ちなみにスポーツ通訳者の中には「ファンは通訳をするべきではない」と言う人もいて、その気持ちというか発言の趣旨は分からないでもないのですが、要は通訳者としての役割をわきまえて行動すれば良いだけの話だと個人的には思っています。わきまえて行動できれば、あとはファンの方が知識が豊富で熱量もあるでしょうから、むしろ高品質な訳になる可能性は高い。私もプロですので現場ではおとなしくしていましたが、本当は「レヴィのサインほしい!」と思ってましたよ。そりゃファンですもの。


上の写真ではJO1の河野純喜さんとフジファブリックの山内総一郎さんの耳にウィスパー同通。バルサの公式インスタグラムのリールに掲載されたようです。下の写真は別アングルから。

さて、明日からFIFA 女子ワールドカップが開幕します。私は一応、日本担当でブッキングされています。優勝したら激アツな通訳をするので、日本代表には頑張ってほしい。個人的には猶本光選手と熊谷紗希選手が推しです!