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2026年1月19日

2026年は札幌で開幕

個人的には長めの冬休みを経て(ぽつぽつ遠隔会議がありながらも、10日までしっかり休養)、111日から本格始動です。本当は米国の某弁護士に「13日にテキサスまで来て稼働できない?」と聞かれていたのですが、さすがにそれは……私も偉く(?)なったもので、好条件の仕事よりもイッテンヨンでの棚橋の引退試合を優先できるまでになりました、ということにしておきしょう。 

私は毎年目標を決めるタイプではないのですが、今年の目標は明確で、「通訳においてAIをしっかり使える・語れるレベルまで勉強すること」です。KPIすらない曖昧な目標かもしれませんが、AIの進化のスピードを考えると抽象的にせざるを得ません。実はすでに法務案件では公開情報(特に特許)を効率的に整理・活用していて、準備効率が数倍上がったことを実感しているのですが、それとは別に今の研究テーマは「資料が出ない講演について、公開情報から講演者のスピーチ内容をどう予測するか(プラスその精度をどう上げるか)」です。ある程度のメドがついたらJACIで講演してもいいかなと思いつつ、私が思いつく程度のことは絶対に誰かが先に発表しそう、と始まる前から弱気です。「やる前から負けること考えるバカがいるか!」と猪木にビンタされそう。

2025年4月21日

Star Wars Convention

 4月のハイライトはもう1つ、Star Wars Conventionでの仕事です。お世話になっているゲーム会社の依頼で、Star Wars Zero Company のメディアインタビューなどを担当しました。

会場は幕張メッセ。入場者の数も、コスプレの質・量も段違いです。看板なども日本を意識しているモノが多め。

2025年4月12日

Xbox Developers Streamsにて同通

Xbox Deverlopers Steamsイベントの同通を担当しました。ホテルのネット回線は信用できないので、この案件のために高速インターネット完備のAirbnbを予約したり。今回担当したタイトルはこちら:

The Zodiac Trials

Agni: Village of Calamity

Nightmare Circus

Vapor World: Over The Mind

Kriegsfront Tactics

本件ですが、ライブ同通が終わったあとに一部再録もありました。技術的なトラブルで通訳音声が2分程度抜けてしまったとのこと。再録はその部分だけだったのですが、前後には通訳音声が入っているので、正確な録音時間を確認して、対象部分の尺にしっかり収まるように仕上げなければなりません。私の場合は、最後のパラグラフだけ原稿を用意して、時間ピッタリに終わることを心掛けています。

2025年2月3日

ALGS札幌を大いに楽しむ!

スイスから帰国した翌日、午前の便で札幌へ。本来であれば無理っぽい移動スケジュールなのですが、コロナ渦からApex Legendsの新シーズン発表会や開発者インタビューの大半を担当してきた通訳者として、日本で世界大会が開催されるのであればこれは行かなきゃアカンやろ、という感じです。私の通訳ぶりを「マジシャン(魔法使い)」と呼ぶ開発チームやPRチームのメンバー(たぶん私以外の通訳者を知らない可能性大)とリアルで会うのも実はこれが初めて。現場での仕事はもちろんですが、今後の展開も考えると一度挨拶しておくのが良いかなと思いました。遠隔では何度も会っているのですがね。

さて、2月上旬の札幌は当然ながら雪、雪、アーンド雪。寒い。さっぽろ雪まつりの直前の週末ということもあり近場のホテルがとれず、あまり効率的な移動ルートにならなかったのも残念……けれど会場はアツい!そして若い!明らかに10代~20台前半の若者が多めです。おじさんは彼らからエネルギーを頂こうと思います。

私の今回の仕事は大会期間中の①スタッフ間のコミュニケーション支援(世界大会なので海外から多数のスタッフ&メディアが来日していた)、②メディアインタビュー、③優勝者インタビューでした。①と②は以前にも書いたので、今回は③をメインにどう準備したかを説明していこうと思います。

2024年12月27日

Fortniteの特別イベントでお仕事。

 
実は23年からFortnite案件にも関わるようになっています。最初はFortniteのゲーム自体ではなく、開発元のEpic Gamesが抱える大型訴訟関連から入り、縁がありゲーム自体のイベント通訳も任せてもらえるようになりました。11月末に都内で会場を貸し切って開催された新シーズンお披露目&試遊デモのイベントを、いつものゲーム通訳者メンバーで対応。このようなイベントを日本で開催したのは初めてだったそうです。

フォートナイト バトルロイヤル チャプター6 シーズン1: 鬼ノ島

ゲーム業界に限る話ではないですが、重要な新情報を初めて出すイベントでは、通訳者に提供される情報が限定される場合が多いです。なので通訳者は与えられたわずかな情報から周辺情報の調査を行い、YouTubeなどで識者の予想を確認してヤマをはり、隙あらば担当者にお願いして情報を出し続けてもらう、に尽きるといっても過言ではないです。あと、ゲーム業界のイベントで同通ブースが設置されるのは稀なので、生耳パナの場合は通訳者の立ち位置をしっかり事前確認することを勧めます。スピーカーが近すぎると厄介なので。

2024年9月28日

東京ゲームショウ2024

 
スケジュールが合わず対応できなかった年を除けば、東京ゲームショウにはほぼ毎年なんらかの形で関わっています。といっても私はメイン会場での通訳より、別会場/ホテルでのデモ会やメディアインタビューのパターンが多いのですが。文句ではありません……実際行ったことがある人はわかると思いますが、メイン会場は周りがうるさすぎてとても集中できる環境ではありません。クライアントもわかっているので、ゲームの魅力をしっかり伝えるために静かな環境を自身でセッティングします。今年の対応タイトルは以下の通り。

Path of Exile 2

Dune: Awakening

Exoborne

さすがに1人では無理なので、ゲーマー通訳者を2人追加手配。やはりゲーム案件はゲーム好きが強い。男性3人という珍しい組み合わせですが、頼りになるブラザーたちです。

2024年7月19日

Little Nightmaresはじわじわくる作品。

 
時間は有限なので、私は担当するゲームをすべてプレイするわけではありません。状況によってはネット上の情報を基本としながら、YouTube動画やTwitchでゲーム実況をひたすら視聴して、「疑似的に」プレイする手法をとっています。そのような意味では結構プラクティカルな私ですが、関わった作品の中でもLittle Nightmaresシリーズはモバイルを含めて全作品プレイしていますし、3も出たら買います。なんかこう、世界観がじわじわ伝わってくるというか、惹かれてしまうんですよね。

メディアが変わると世界観が壊れてしまう事例は過去に結構目にしてきたので、通訳していた会議でポッドキャストの話が初めてでたとき、ファンとして「これは大丈夫なのかな…‥」と心配しましたが、完成したものを聴いて、そのリアルさと完成度に言葉が出ませんでした。クオリティめっちゃ高い。物語系ポッド好きにはお薦めです。

2024年6月29日

Wild Hearts

 
Wild Heartsは私が初めて担当したコーエーテクモさんの作品で、リリース直前のPR会議から携わりました。最初から「狩りゲーの新しい王道を作る」を大きなメッセージとして伝えたいということでしたので、各メディアのインタビューでも"We've set out to create a new standard of hunting games" や "This is the game all other hunting games will be measured by" と表現することで、何度も伝えました。モンスターハンターという横綱がいる中で誰もが「大きくでたな」と感じたはずですが、ゲーム自体はとても完成度が高いと私も遊んで感じました。

最終的にゲームの主要タグラインとなった"Tame a World Gone Wild”が会議で初めて出てきたとき、まだ日本語訳が決まっていない状態で、私は「荒ぶる自然を手なずけよ」と訳出したのですが(そしてその後の会議でも数回、それで通していたのですが)、最終的には「生きろ、立ち向かえ」になっていました。確かにこっちの方がいいな。自分の訳が採用されるか、されないかも、通訳の楽しみの一つです。

2024年6月14日

Immortals of Aveum (& Dead Space)

 
Immortals of AveumのPRイベントに関わらせてもらったのは23年の初夏でした。マルチプレイはもうスキル的に絶望的な私としては、「これは期待できそうなソロFPSだ!」と思っていたのですが、すぐに9月からの繁忙期に突入し、このゲームどころかどのゲームも遊べない日々が続きました。そして24年、やっと時間ができたので買って遊ぶかと検索したところ、本作を制作したスタジオは作品の売上が期待を大きく裏切ったため23年秋に社員の半数を解雇、24年4月には残りのスタッフも一時帰休に、という衝撃のニュースが。つまり1年ももたずにスタジオ崩壊です。

リリース時から技術的問題があったようですが、近年のトレンドとして、メタクリスコアなどの評価が最初からかなり高くないと手に取ってさえもらえない、つまりEAのようなメジャーレーベルから発売されても、Dead Spaceのような実績があるプロデューサーの作品でも、レーティングが高くないと発売から負け戦が確定です。これに加えて、本作のリリースはタイミング的に最悪といって過言ではないというか、この年のGOTYに選ばれたBaldur's Gate 3をはじめ、Armorned Core IVやStarfieldのような話題作・ヒット作と勝負せねばならず、埋もれてしまった感もあります。実際、ゲーム自体はそんなに悪くないのに、タイミング的に運が悪かったよね、というのがRedditの一般的な評価です。

実は私、過去にはDead Spaceの案件を通訳したこともあったので、個人的にはこれはとても残念なニュースです。今や大規模予算のゲーム開発は博打化しつつある気配なのですが、今後各社がどのように方向転換をしてくるのか注目です。

2024年5月20日

エルデンリングDLC:SHADOW OF THE ERDTREE

ファンを待たせて待たせて、待たせすぎたエルデンリング:SHADOW OF THE ERDTREEがついにリリースされました。本編のDLCです。フロム信者の私も当然購入しました。

バンダイナムコさんには昔から仕事でお世話になっていて、本編の開発中から会議で耳にするたびに心が躍ったものです。ただ開発中は当然、非公開の情報ばかりですので、最初に「Erdtree」を耳にしたときは「黄金樹」とは知らないので訳すことはできず、役員に対する重要なデモなのに適切な用語が出てこない、という残念な経験をしたものです。状況的にしかたないのですが。

以前にゲーム翻訳者の武藤陽生さんと「ゲームって楽しみながら用語とか表現を学べる素晴らしいツールだよね」という話したことがあります。私の場合はCoDで軍事用語を学び、魔法や呪術関係はエルデンリング(とダークソウルのシリーズ)から学んだ部分が大きいです。あと、エルデンリングの英語表現は、フレイバーテキストなども本当に勉強になります。というか、翻訳者のインタビューがありましたね。

2024年3月26日

ID@Xbox

 

ID@Xbox(Independent Developers @ Xbox)は、マイクロソフトが提供するインディーゲーム配信プログラムです。マイクロソフトは認定ゲーム開発者が、Xbox 本体やWindows、クラウドでゲームを自己公開できるよう、ツールやサポートを提供しています。インディーゲーム開発者が対象なので大きなPR予算がついているわけではないかもしれませんが、それでもイベントなどを通して盛り上げていこうという意気込みは伝わります。実はID@Xboxイベントの同通は今年が初めてです。担当ゲームは以下の通り。

Fallen Tear: The Ascension

InKonbini: One Store, Many Stories

Brocula

一緒に組んだ同通パートナーはブロキュラ推しなのですが、私はインコンビニですかねえ。

通常この種のイベントは読み原稿が準備されているのがほとんどですので大きな心配はないのですが、万が一それが用意されていなかった場合どうするか。YouTube動画やネット上のコンテンツを調べればゲームの特徴がある程度わかると思うので、そこの絞って通訳するのが無難かと思います。それ以外は訳さない、という意味ではなく、欲張ってすべてをぶっつけで訳そうとすると、だいたい焦点がブレブレの訳になることが多いのと、聞き手もそんなに覚えられないので、しっかり特徴(ゲームの「売り」)を記憶してもらった方が良い、という意味です。

2024年1月17日

ゲーム関係のFGI

 


BtoC の世界では FGI (Focus Group Interview) という個人消費者の意見や印象を調査する方法があって、私自身も昔から主に家電やビデオゲームを中心に通訳をしています。15年~20年くらい前は2時間ソロ同通を、休憩を挟みつつも1日3本、というようなハードな労働環境もあったと記憶しています。今は多くの会社がソロ同通は1時間までを基本とする調査会社が増えてきているので、そこまでひどい条件は見かけなくなったと思いますが。

ゲーム関係のFGIで大事なことはいろいろありますが、まずは①対象ゲーム、②対象ゲームが属するジャンルの競合、そして③最近ヒットしているゲームを順番に調べて把握しておくべきでしょう。③はSteamの売上チャートがわかりやすいです(リンク先のチャートは日本市場のものですが、FGIが米国で実施されるのあれば米国のチャート見るべき)。いまヒットしているゲームの傾向がわかります。ジャンル別のランクも表示できるので、②の特定にも便利ですね。

通常のFGIではインタビューガイドが作成され、通訳者にも共有されます。ガイドには対象者に聞く質問のリストはもちろん、どこに集中して何を聞き出したいか、どの部分にどれほどの時間を使うか、ということが詳細に記されています。基本的にはこれを読み込んでおけば大事故はまずないですが、これに上記の①②③を加えると準備度が格段と上がります。というのは、ガイドは質問する側が考えることしか記載されていませんが、インタビュー対象者は通訳者が聞いたこともないニッチなゲーム名や最新のモバイルゲームの話をしたりするので、念のために①②③を押さえておきたいのですね。

これに加えて、YouTubeでゲーム実況者の動画を観ておくと、実際にそのゲームをしている人たちの用語がわかります。それを通訳中に使うとかなりの「こいつ、わかってる」感がでるのでおすすめです。

ちなみに一時期、集英社IPのゲームに関するFGI通訳の依頼が続いたことがあり、そのときはワンピース(当時の最新刊まで)、NARUTO、Bleachの全巻をメルカリで購入して、数か月かけて読み込んだことがありました。ワンピース、最初は食わず嫌いで舐めていたのですが、やはり大人気になるだけのことはありますね。アラバスタあたりから食いつくように読みました!

2023年9月25日

【資料用】世界の主要ゲームイベント

The Game Awards (TGA)

Golden Joystick Awards

D.I.C.E. Awards

Game Develpers Conference (GDC)

BitSummit

Gamescom

Tokyo Game Show (TGS)

E3

GameFest

Paris Game Week

Taipei Game Show

Thai Game Show

Ani-Com and Games (ACG) Hong Kong

Summer Game Fest

2023年5月5日

Apex Legends

 


ゲームに強い通訳者として売り出し始めてから15年(?)近くになりますが、これまでは関わってきたゲームについてほとんど書いてきませんでした。発売/リリース前の情報は別として、一度世に出たゲームについては語れることが結構あるし、ゲーム自体のPRにもなるので本来はもっと書くべきなのですが、なぜかこれまでは放置してきました。本業が忙しくてこのブログも年に数回更新の残念な感じになってしまっているので、再起をかけて今年からはぼちぼち発表していこうと思います。

まずはApex Legends、大人気のマルチプレイヤー、バトルロワイヤル系のゲームです。記憶が正しければシーズン9(Legacy: 英雄の軌跡)からほぼ全部の日本向け公式配信イベントを担当しているのですが、実は私はバトロワ系が大の苦手で(主にソロ中心ゲーマー)、この仕事を始めるまではほぼ遊んだことがなかった。ほぼ、というのは、試しに遊び始めてもキャラの扱い方を学ぶ前に徹底的にボコられるので、長く続けるモチベがなかったのです。反射神経がモノをいうゲームで、おじさんは若者には勝てません。

そんなわけで、他のゲームの場合は実際にゲームを遊ぶことが予習の一部になっているのですが、Apexの場合はYouTubeの配信動画がメインになっています。ゲームには固有の専門用語が存在しますが、それを知っていると通訳もスムーズに進むし、「こいつはわかってる」感が確実に出ます。たとえば「漁夫る(third partying)」が良い例。

新シーズンの内容を発表する生配信イベントはだいたい日本時間の早朝が多いです。おそらくリーク防止の観点から情報も直前にしか出ず、それも必要最低限なので、日本語の公式訳を知らないまま同通することが多い。S16の「大狂宴(REVELRY)」は、辞書で確認したら「どんちゃん騒ぎ、陽気な酒盛り、お祭り騒ぎ」などが並んでおり、シーズン名としてはどれもダサすぎるなと思ったのでそのままRevelryと訳出した記憶がある。なんにしても、通訳者は与えられた情報と環境でベストを尽くしているので、このあたりはできれば大目に・・・

他の人気ゲームもそうだが、開発陣は各レジェンド(キャラクター)の設定を高度につくりこんでいる。S17の新レジェンド、バリスティックが参戦する経緯も興味深い。個人的には、設定がしっかりしているから感情移入がしやすくなるのだろうなと思います。



ちなみに公式による生配信イベントの同通以外にも、各メディアとのインタビューも逐次通訳しています。たとえばこちらのファミ通さんの記事で、開発との質疑の部分は記事用に編集されてはいますが、私が通訳した内容がベースになっています。