2024年1月17日

ゲーム関係のFGI

 


BtoC の世界では FGI (Focus Group Interview) という個人消費者の意見や印象を調査する方法があって、私自身も昔から主に家電やビデオゲームを中心に通訳をしています。15年~20年くらい前は2時間ソロ同通を、休憩を挟みつつも1日3本、というようなハードな労働環境もあったと記憶しています。今は多くの会社がソロ同通は1時間までを基本とする調査会社が増えてきているので、そこまでひどい条件は見かけなくなったと思いますが。

ゲーム関係のFGIで大事なことはいろいろありますが、まずは①対象ゲーム、②対象ゲームが属するジャンルの競合、そして③最近ヒットしているゲームを順番に調べて把握しておくべきでしょう。③はSteamの売上チャートがわかりやすいです(リンク先のチャートは日本市場のものですが、FGIが米国で実施されるのあれば米国のチャート見るべき)。いまヒットしているゲームの傾向がわかります。ジャンル別のランクも表示できるので、②の特定にも便利ですね。

通常のFGIではインタビューガイドが作成され、通訳者にも共有されます。ガイドには対象者に聞く質問のリストはもちろん、どこに集中して何を聞き出したいか、どの部分にどれほどの時間を使うか、ということが詳細に記されています。基本的にはこれを読み込んでおけば大事故はまずないですが、これに上記の①②③を加えると準備度が格段と上がります。というのは、ガイドは質問する側が考えることしか記載されていませんが、インタビュー対象者は通訳者が聞いたこともないニッチなゲーム名や最新のモバイルゲームの話をしたりするので、念のために①②③を押さえておきたいのですね。

これに加えて、YouTubeでゲーム実況者の動画を観ておくと、実際にそのゲームをしている人たちの用語がわかります。それを通訳中に使うとかなりの「こいつ、わかってる」感がでるのでおすすめです。

ちなみに一時期、集英社IPのゲームに関するFGI通訳の依頼が続いたことがあり、そのときはワンピース(当時の最新刊まで)、NARUTO、Bleachの全巻をメルカリで購入して、数か月かけて読み込んだことがありました。ワンピース、最初は食わず嫌いで舐めていたのですが、やはり大人気になるだけのことはありますね。アラバスタあたりから食いつくように読みました!

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