2023年5月5日

【通訳の仕事 No. 1 】Apex Legends

 


ゲームに強い通訳者として売り出し始めてから15年(?)近くになりますが、これまでは関わってきたゲームについてほとんど書いてきませんでした。発売/リリース前の情報は別として、一度世に出たゲームについては語れることが結構あるし、ゲーム自体のPRにもなるので本来はもっと書くべきなのですが、なぜかこれまでは放置してきました。本業が忙しくてこのブログも年に数回更新の残念な感じになってしまっているので、再起をかけて今年からはぼちぼち発表していこうと思います。

まずはApex Legends、大人気のマルチプレイヤー、バトルロワイヤル系のゲームです。記憶が正しければシーズン9(Legacy: 英雄の軌跡)からほぼ全部の日本向け公式配信イベントを担当しているのですが、実は私はバトロワ系が大の苦手で(主にソロ中心ゲーマー)、この仕事を始めるまではほぼ遊んだことがなかった。ほぼ、というのは、試しに遊び始めてもキャラの扱い方を学ぶ前に徹底的にボコられるので、長く続けるモチベがなかったのです。反射神経がモノをいうゲームで、おじさんは若者には勝てません。

そんなわけで、他のゲームの場合は実際にゲームを遊ぶことが予習の一部になっているのですが、Apexの場合はYouTubeの配信動画がメインになっています。ゲームには固有の専門用語が存在しますが、それを知っていると通訳もスムーズに進むし、「こいつはわかってる」感が確実に出ます。たとえば「漁夫る(third partying)」が良い例。

新シーズンの内容を発表する生配信イベントはだいたい日本時間の早朝が多いです。おそらくリーク防止の観点から情報も直前にしか出ず、それも必要最低限なので、日本語の公式訳を知らないまま同通することが多い。S16の「大狂宴(REVELRY)」は、辞書で確認したら「どんちゃん騒ぎ、陽気な酒盛り、お祭り騒ぎ」などが並んでおり、シーズン名としてはどれもダサすぎるなと思ったのでそのままRevelryと訳出した記憶がある。なんにしても、通訳者は与えられた情報と環境でベストを尽くしているので、このあたりはできれば大目に・・・

他の人気ゲームもそうだが、開発陣は各レジェンド(キャラクター)の設定を高度につくりこんでいる。S17の新レジェンド、バリスティックが参戦する経緯も興味深い。個人的には、設定がしっかりしているから感情移入がしやすくなるのだろうなと思います。



ちなみに公式による生配信イベントの同通以外にも、各メディアとのインタビューも逐次通訳しています。たとえばこちらのファミ通さんの記事で、開発との質疑の部分は記事用に編集されてはいますが、私が通訳した内容がベースになっています。

0 件のコメント: