国際日本文化研究センターが最近、怪異・妖怪画像データベースをリリースしました。翻訳に妖怪が出てくる事はあまりないかもしれませんが、仮に出てきたら定訳はほぼ無いので困ることでしょう。そんな時は絵を見てイメージを膨らませ、それをメッセージにして伝達するしかありません。頭でしっかりイメージできる事は大事ですし、それができなければ味のある訳文は生まれないでしょう。妖怪に限らず全てに通じることです(笑)。
ちなみに水木しげる系の妖怪をいくつか検索してみたのですが、あまりヒットしないようです。英語で検索可能な妖怪(怪物?)はもっと少ないのですが、imp や ogre でいくつかヒットしました。掘り出せばまだありそうですね。
怪異・妖怪画像データベース
2010年6月22日
翻訳者・通訳者の行動経済学2 「締め切りを設定し、決意表明する」
私は学生の頃、先延ばしの常習犯でした。特に大学時代は期末レポートが多かったのですが、締め切りの3~4日目になってブツブツ言いながらやっと始めていた記憶があります。当然のことながら成績は中の下、いや、下の中?まあ良くなかったことは確かです。自分が興味を持てることしか学ぼうとしなかった生意気な若造でしたから。
この先延ばし問題の原因を探るため、そしてあわよくばこの人間共通の弱点の解決法を発見するため、アリエリーは消費者行動のクラスの学生を使って実験しました。12週間の学期中、レポートを三回提出するのですが、その締め切り設定方法を3つのクラスでそれぞれ工夫してみたのです。
この結果、一番成績が良かった順にC、A、B、つまり教授が強制的に締め切りを設定したクラスは最も良い成績を記録した一方、逆に完全な自由を与えられたクラスは一番悪かったのです。自主的に締め切りを設定(決意表明)したAの学生はBと比較して平均成績が高かった事も注目点です。
多くの人間は先延ばしをします。ただこの実験結果からも分かるように、大抵の人間は先延ばしの問題を理解していて、機会を与えられればその問題に取り組む行動を起こし、それなりの成果を得る事です。事実、Aの学生の一部はCと似たような締め切りを自主的に設定し、これらの学生はCの学生とほぼ同レベルの成績を残しました(ただ締め切りを設定せずに学期末にやっつけ仕事を提出した学生もいた為に平均成績ではAはC劣った)。一部の学生は締め切りの間隔を十分にとらなかったため、結果的に自分の首を絞めてしまうというケースもありました。
この先延ばし問題の原因を探るため、そしてあわよくばこの人間共通の弱点の解決法を発見するため、アリエリーは消費者行動のクラスの学生を使って実験しました。12週間の学期中、レポートを三回提出するのですが、その締め切り設定方法を3つのクラスでそれぞれ工夫してみたのです。
A 学生が自分で三回の締め切りを設定し、事前に申告する。
B 学期中は締め切りなし。最後の講義までに全部提出すればOK。早く提出しても成績が上がることはない。もちろん事前申告も不要。
C 教授が第四週、第八週、第十二週に締め切りを設定。学生には選択の余地なし。
※締め切りに一日遅れるごとに1%の減点。
この結果、一番成績が良かった順にC、A、B、つまり教授が強制的に締め切りを設定したクラスは最も良い成績を記録した一方、逆に完全な自由を与えられたクラスは一番悪かったのです。自主的に締め切りを設定(決意表明)したAの学生はBと比較して平均成績が高かった事も注目点です。
多くの人間は先延ばしをします。ただこの実験結果からも分かるように、大抵の人間は先延ばしの問題を理解していて、機会を与えられればその問題に取り組む行動を起こし、それなりの成果を得る事です。事実、Aの学生の一部はCと似たような締め切りを自主的に設定し、これらの学生はCの学生とほぼ同レベルの成績を残しました(ただ締め切りを設定せずに学期末にやっつけ仕事を提出した学生もいた為に平均成績ではAはC劣った)。一部の学生は締め切りの間隔を十分にとらなかったため、結果的に自分の首を絞めてしまうというケースもありました。
2010年6月21日
翻訳者・通訳者の行動経済学1 「客は相対性で選択する」
翻訳・通訳はビジネスですので、当然の事ながら見積書や請求書などの事務文書の作成が必要になります。エージェント経由で仕事を請ける人は何ら気にすることはありませんが、企業と直接取引をするフリーランスの翻訳者・通訳者は自分で作成する人が多いはずです(もっとも今は時間・手間コストを考えて事務文書作成や経理を外注する人も増えてきましたが)。今日からダン・アリアリーの『予想どおりに不合理』等の行動経済学の書籍を参考にしながら、シリーズで「翻訳者・通訳者の行動経済学」について書きます。第一回は人間の選択と相対性についてです。具体的には、効果的な見積書の作成の仕方です。
多くの人間は自分が何を求めているのか分かっていません。自分が何を欲しがっているのか、それは具体的な状況に置かれて初めて分かるものです。特に現代のように選択肢が多岐多様な時代において、人は炊飯器一つ買うにしても何か参考になる情報や状況なしではなかなか最終的な判断を下せないものです。
例えば私は中学生の頃にテニスを始めたのですが、初めて購入したラケットはアンドレ・アガシが当時使用していたHEADブランドの物でした。憧れの選手が使っているラケットなら間違いはないだろう、という論理です。友人に最近ドコモからソフトバンクのiPhoneに乗り換えた男性がいるのですが、彼は「ドコモの携帯でも十分だと思ってたよ。同僚がiPhoneを使ってるのを見るまではね。彼も熱く語ってたし!」と言っています。つまり同僚(他人)の選択・価値観に影響されての選択ということです。ここで重要なのは、行動経済学では人間は常に相対的な判断をするということです。目的地に案内してくれるガイドを常に必要としているのです。
多くの人間は自分が何を求めているのか分かっていません。自分が何を欲しがっているのか、それは具体的な状況に置かれて初めて分かるものです。特に現代のように選択肢が多岐多様な時代において、人は炊飯器一つ買うにしても何か参考になる情報や状況なしではなかなか最終的な判断を下せないものです。
例えば私は中学生の頃にテニスを始めたのですが、初めて購入したラケットはアンドレ・アガシが当時使用していたHEADブランドの物でした。憧れの選手が使っているラケットなら間違いはないだろう、という論理です。友人に最近ドコモからソフトバンクのiPhoneに乗り換えた男性がいるのですが、彼は「ドコモの携帯でも十分だと思ってたよ。同僚がiPhoneを使ってるのを見るまではね。彼も熱く語ってたし!」と言っています。つまり同僚(他人)の選択・価値観に影響されての選択ということです。ここで重要なのは、行動経済学では人間は常に相対的な判断をするということです。目的地に案内してくれるガイドを常に必要としているのです。
2010年5月28日
日本初の米軍人裁判員裁判を通訳しました。
5月24日~27日の日程で日本初の米軍人裁判員裁判を通訳してきました。パートナーはおそらく沖縄で最も知名度が高い通訳者である金城初美さんです(写真はこちら)。実は私は何ヶ月も前に選任されていたのですが、公判一週間前に咽頭炎で倒れて20年ぶりに入院する事態になり、一時は辞退もしたのですが何とか前日に回復してカムバックしたというドタバタ劇を演じてしまいました(実際、間に合ったとはいえ、全然かっこよくなかった…)。普段は健康体のモデルケースと言っても過言ではない私ですが、そろそろ健康に注意しなければならない年齢になったということでしょうか。いずれにしても、喋れない通訳者は役に立たないので、健康管理はしっかりしたいものです。
ちなみに事件の新聞報道はこちらからどうぞ(沖縄タイムス、琉球新報)。本来はStars and Stripesにも関連記事が掲載されるのですが、少年事件のため今回は皆無でした。
さて、各方面から「で、裁判員裁判、どうでした?」と訊かれています。まだ一回しか経験がないですし、法曹三者が慣れてきたら色々変わってくる面もあるでしょうが、通訳者としてはややマイナスだと思います(私は基本的に裁判員裁判には賛成なのですが)。例えば…
■良くなったこと
■悪くなったこと
従来の裁判システムでは裁判が始まって初めて直面する事実などがあったので(もちろん検察官と弁護人は知っており、通訳者だけが知らない)、それが無くなったという意味ではかなり助かる。ただやはり翻訳負担の激増と報酬の事実上の減額は痛い。プロとしての仕事を求めるのであれば、プロとしての評価をして欲しいと切に願う。
ちなみに事件の新聞報道はこちらからどうぞ(沖縄タイムス、琉球新報)。本来はStars and Stripesにも関連記事が掲載されるのですが、少年事件のため今回は皆無でした。
さて、各方面から「で、裁判員裁判、どうでした?」と訊かれています。まだ一回しか経験がないですし、法曹三者が慣れてきたら色々変わってくる面もあるでしょうが、通訳者としてはややマイナスだと思います(私は基本的に裁判員裁判には賛成なのですが)。例えば…
■良くなったこと
・ペア通訳で負担軽減。
・事件についての事前打ち合わせが複数回あり。
・裁判資料を従来よりずっと早く入手。
・裁判資料、特に冒頭陳述や論告、弁論要旨等はパワポを使って「物語」的に語られるので、理解しやすいし、通訳もしやすい。
・連日開廷なので記憶が新鮮で(従来は一ヶ月間隔などが多かった)、深いレベルで文脈が理解できた。
■悪くなったこと
・資料の量が従来と比較して3~4倍程度になり、事前翻訳を求められる部分も大幅増。
・実際、あまりにも翻訳の量が多すぎるため、一部は事前に翻訳せず、サイトラで「同時的通訳」した。
・さらに翻訳料については通訳報酬に含まれるというのが従来の理解だが、それが適正に反映されているとは思えない。
・事前打ち合わせについては報酬なし(交通費もなし)。
・報酬が通常の半分程度に減少(おそらくペア通訳だから折半という論理か)。
・連日開廷なので、平日が4日潰れるとなるとフリーランスとしてはさすがに厳しい。
従来の裁判システムでは裁判が始まって初めて直面する事実などがあったので(もちろん検察官と弁護人は知っており、通訳者だけが知らない)、それが無くなったという意味ではかなり助かる。ただやはり翻訳負担の激増と報酬の事実上の減額は痛い。プロとしての仕事を求めるのであれば、プロとしての評価をして欲しいと切に願う。
2010年4月27日
IJET-21(宮崎)セッション 「不況をどう乗り切るか」
先週は宮崎でIJET-21に参加してきました。運営委員の一人として裏方でドタバタしていたわけですが、二日目は「不況をどう乗り切るか」のMCもやってきました。9時半スタートなのに部屋は超満員!やはりリーマンショックは翻訳・通訳業界にもダメージを与えた(与えている)ようです。普通のパネルはグダグダな展開になることが多いので、MCとしてできるだけ具体的に突っ込んだ内容を引き出そうとしたのですが、なかなか難しいものです。まあでも、とりあえず動画はこちら。
その他にも多くの翻訳者・通訳者にノーアポで突撃インタビューしてますので、お暇があればぜひどうぞ。
その他にも多くの翻訳者・通訳者にノーアポで突撃インタビューしてますので、お暇があればぜひどうぞ。
2010年4月6日
IJET-21の申し込み締め切りが迫る!
日本翻訳者協会主催の第21回日英・英日翻訳国際会議(IJET-21)の申し込み締め切りまであと5日(4月11日)!まだ検討中の方、初めてなのでどうしようか迷っている方、理由は何であれまだ申し込みをされていない方々に実行委員長の姫野幸司さんが宮崎県の某所から最後にメッセージを贈ります。
私も参加予定です(というか実行委員会のメンバー)。ぜひ宮崎でお会いしましょう!
第21回日英・英日翻訳国際会議(IJET-21)
私も参加予定です(というか実行委員会のメンバー)。ぜひ宮崎でお会いしましょう!
第21回日英・英日翻訳国際会議(IJET-21)
2010年4月4日
Ustreamで法廷通訳の現状を語る。
今年はメディアを勉強する年にする!と宣言しておきながら2ヶ月も放置していたブログですが、存在を忘れ去られないうちにぼちぼち投稿していこうと思います。というか、過去二ヶ月は本業が多忙だったのと、主戦場をツイッターに移したのが大きかったかもしれません。でも社会学者の宮台真司が「主戦場はツイッター、ブログはデータベースとして使う」みたいな事をつぶやいていたので、そうだよなと納得して久しぶりの投稿です。今後もマイペース更新ですが!
といっても当初の宣言通り、今年に入ってからかなりの時間を使って新しいメディアについて学び、色々と積極的に試しています。Ustreamもその一つ。3月末に上京して「電子書籍の未来を考える会」という会合に参加したのですが、そこでたまたま知り合った太田さんが高円寺Ustreamスタジオの運営に携わっているという事を知り、軽いノリから「じゃあ一度、法廷通訳関係で生放送やってみようか」と話し始めたら48時間後には本当に実現してしまいました。ツイッターの登場あたりから情報のスピードが劇的にアップしたと感じていましたが、それに伴い、人間の行動スピードも格段とアップしたように思います。というか、アップしないとこれからの情報社会(競争)において生き残っていけないのかもしれない、とも個人的には感じています。
さて、ゲストは法廷通訳のページを長年運営されているベテラン通訳者の中西智恵美さんと、名古屋からたまたま東京に来ていた法廷通訳者・通訳研究者の毛利雅子さんです。私の唐突な出演依頼と放送中の無茶なツッコミに耐えてくれてありがとう!さて、その番組ですが、一部放送禁止用語などもあるので予め御容赦を(笑)。私は東京の天気予報を確認しておらず、不覚にも短パン&サンダルでの出演です。
やはり一時間では語り尽くせない内容でしたので、また機会を改めてもっとしっかりした内容を放送したいと思います。ちなみに三人は後半の「電子書籍を語る会」にもゲスト出演しました。電子書籍についてはほとんど知識がないのですが、楽しかったです。
といっても当初の宣言通り、今年に入ってからかなりの時間を使って新しいメディアについて学び、色々と積極的に試しています。Ustreamもその一つ。3月末に上京して「電子書籍の未来を考える会」という会合に参加したのですが、そこでたまたま知り合った太田さんが高円寺Ustreamスタジオの運営に携わっているという事を知り、軽いノリから「じゃあ一度、法廷通訳関係で生放送やってみようか」と話し始めたら48時間後には本当に実現してしまいました。ツイッターの登場あたりから情報のスピードが劇的にアップしたと感じていましたが、それに伴い、人間の行動スピードも格段とアップしたように思います。というか、アップしないとこれからの情報社会(競争)において生き残っていけないのかもしれない、とも個人的には感じています。
さて、ゲストは法廷通訳のページを長年運営されているベテラン通訳者の中西智恵美さんと、名古屋からたまたま東京に来ていた法廷通訳者・通訳研究者の毛利雅子さんです。私の唐突な出演依頼と放送中の無茶なツッコミに耐えてくれてありがとう!さて、その番組ですが、一部放送禁止用語などもあるので予め御容赦を(笑)。私は東京の天気予報を確認しておらず、不覚にも短パン&サンダルでの出演です。
やはり一時間では語り尽くせない内容でしたので、また機会を改めてもっとしっかりした内容を放送したいと思います。ちなみに三人は後半の「電子書籍を語る会」にもゲスト出演しました。電子書籍についてはほとんど知識がないのですが、楽しかったです。
2010年2月21日
TEDxRyukyuの感想と私的まとめ。
報告が遅くなったが、2月20日はTEDxRyukyuに参加してきました。TEDの動画は以前から通訳講座で使ったりしていて、個人的にも大ファンなので(学ぶ事を楽しまない人なんているのだろうか?)、今回は抽選で選ばれて本当にラッキーでした。で、まずはプログラムから。
※講演者リンクは基本的にTwitter優先ですが、アカウントが無い(見つからない)場合は、個人サイトなど適当だと思われるサイトにリンクしています。
Chris Anderson によるTEDxの説明動画
Bruno Bowden folds while Rufus Cappadocia plays
萩野一政(PO法人沖縄イベント情報ネットワーク):「沖縄の地域情報について」
Jacek Utko designs to save newspapers
東松照明(写真家、フォトジャーナリスト):「アフガニスタン」
具志堅隆松(沖縄戦遺骨収集ボランティア):「ガマフヤーと不発弾」
James Nachtwey's searing photos of war
☆ランチ☆
アコースティック10行によるライブ演奏
橋口幹夫(沖縄県立中部病院産婦人科):「産科医療の現状」
Jill Bolte Taylor's stroke of insight
高良剛ロベルト(沖縄県立中部病院地域救命救急診療科):「緊急医療 その目指すもの」
長嶺隆(NPO法人どうぶつたちの病院):「ヤンバルクイナ保護」
Nalini Nadkarni on conserving the canopy
上地正子(オーガニックカフェ&ギャラリーNOAH):「LOHAS」
☆おやつ1☆
Steve Jurvetson on model rocketry
Jacqueline Novogratz: From a Nairobi slum, a tale of hope:
Peter Diamandis on Stephen Hawking in zero g
屋比久友秀(株式会社OCC営業統括本部 経営企画部部長):「Open Source Software」
Daniel Libeskind's 17 words of architectural inspiration
和田知久(琉大情報工学科/総情センター/マグナ社チーフサイエンティスト):「ベンチャービジネスをやることの大切さ」
Johnny Lee demos Wii Remote hacks
ウィリアム・H.齋藤(インテカー)
☆おやつ2☆
篠宮龍三(プロフリーダイバー、アプネアワークス):「Deep Sea Diving」
内田詮三(沖縄美ら海水族館館長):「サメの話」
古谷千佳子(海人写真家):「海人生活」
Robert Ballard on exploring the oceans
久島昌弘氏(TEDxRyukyuオーガナイザー):「MEAtTEDx」
Benjamin Zander on music and passion
全体的な印象としては、ライブスピーカーより動画コンテンツの方が私が知るTEDスタンダードに近かった印象がありました(知ってた動画もいくつかありました)。決してライブスピーカーの質が悪かったわけではないのですが、大半はこのようなプレゼンに慣れていない感が否めず、リズムや観客の盛り上げ方がイマイチだったと。少なくとも100本以上は観たので、ちょっと期待度が高すぎたのかもしれません。ただローカル版ならではのコンテンツが並ぶ中、興味深いプレゼンもいくつかありました。
個人的に面白いと思ったのは長嶺隆さん(NPOどうぶつたちの病院)の、ヤンバルクイナ保護活動の話。ヤンバルクイナが絶滅の危機にあると叫ばれて久しいが、これまで効果的な保護活動は少なかった。長嶺さんの団体が地域の子供達、ビジネス、そして最終的には行政の支援をとりつけ、ヤンバルクイナの保護という目的に向かって進んでいく。私はこの発表を、ヤンバルクイナの保護活動という文脈だけではなく(もちろんそれはそれで大事なのだが)、いかに一つの社会的目標を達成するためにコミュニティーを巻き込んでいくのか、それについて様々な示唆に富んだ内容だと解釈しました。例えば極端な話ですが、反捕鯨活動で有名なシーシェパード。暴力的な強硬手段より、船を作るのにかかるお金(2億くらいするらしい)を地域での啓蒙活動に使ってはどうなのか。私は調査捕鯨に反対というわけではないが、反捕鯨の立場なら、長い時間がかかるかもしれないが、コミュニティー単位で人の考え方を変えていった方が効果的だと思うのだ。
次回のTEDxRyukyuも期待してます!
※講演者リンクは基本的にTwitter優先ですが、アカウントが無い(見つからない)場合は、個人サイトなど適当だと思われるサイトにリンクしています。
Chris Anderson によるTEDxの説明動画
Bruno Bowden folds while Rufus Cappadocia plays
萩野一政(PO法人沖縄イベント情報ネットワーク):「沖縄の地域情報について」
Jacek Utko designs to save newspapers
東松照明(写真家、フォトジャーナリスト):「アフガニスタン」
具志堅隆松(沖縄戦遺骨収集ボランティア):「ガマフヤーと不発弾」
James Nachtwey's searing photos of war
☆ランチ☆
アコースティック10行によるライブ演奏
橋口幹夫(沖縄県立中部病院産婦人科):「産科医療の現状」
Jill Bolte Taylor's stroke of insight
高良剛ロベルト(沖縄県立中部病院地域救命救急診療科):「緊急医療 その目指すもの」
長嶺隆(NPO法人どうぶつたちの病院):「ヤンバルクイナ保護」
Nalini Nadkarni on conserving the canopy
上地正子(オーガニックカフェ&ギャラリーNOAH):「LOHAS」
☆おやつ1☆
Steve Jurvetson on model rocketry
Jacqueline Novogratz: From a Nairobi slum, a tale of hope:
Peter Diamandis on Stephen Hawking in zero g
屋比久友秀(株式会社OCC営業統括本部 経営企画部部長):「Open Source Software」
Daniel Libeskind's 17 words of architectural inspiration
和田知久(琉大情報工学科/総情センター/マグナ社チーフサイエンティスト):「ベンチャービジネスをやることの大切さ」
Johnny Lee demos Wii Remote hacks
ウィリアム・H.齋藤(インテカー)
☆おやつ2☆
篠宮龍三(プロフリーダイバー、アプネアワークス):「Deep Sea Diving」
内田詮三(沖縄美ら海水族館館長):「サメの話」
古谷千佳子(海人写真家):「海人生活」
Robert Ballard on exploring the oceans
久島昌弘氏(TEDxRyukyuオーガナイザー):「MEAtTEDx」
Benjamin Zander on music and passion
全体的な印象としては、ライブスピーカーより動画コンテンツの方が私が知るTEDスタンダードに近かった印象がありました(知ってた動画もいくつかありました)。決してライブスピーカーの質が悪かったわけではないのですが、大半はこのようなプレゼンに慣れていない感が否めず、リズムや観客の盛り上げ方がイマイチだったと。少なくとも100本以上は観たので、ちょっと期待度が高すぎたのかもしれません。ただローカル版ならではのコンテンツが並ぶ中、興味深いプレゼンもいくつかありました。
個人的に面白いと思ったのは長嶺隆さん(NPOどうぶつたちの病院)の、ヤンバルクイナ保護活動の話。ヤンバルクイナが絶滅の危機にあると叫ばれて久しいが、これまで効果的な保護活動は少なかった。長嶺さんの団体が地域の子供達、ビジネス、そして最終的には行政の支援をとりつけ、ヤンバルクイナの保護という目的に向かって進んでいく。私はこの発表を、ヤンバルクイナの保護活動という文脈だけではなく(もちろんそれはそれで大事なのだが)、いかに一つの社会的目標を達成するためにコミュニティーを巻き込んでいくのか、それについて様々な示唆に富んだ内容だと解釈しました。例えば極端な話ですが、反捕鯨活動で有名なシーシェパード。暴力的な強硬手段より、船を作るのにかかるお金(2億くらいするらしい)を地域での啓蒙活動に使ってはどうなのか。私は調査捕鯨に反対というわけではないが、反捕鯨の立場なら、長い時間がかかるかもしれないが、コミュニティー単位で人の考え方を変えていった方が効果的だと思うのだ。
次回のTEDxRyukyuも期待してます!
2010年2月4日
前科と前歴の違い
もともとは2チャンネルのスレッドに掲載されていたのですが、非常に大事・有益な情報であり、元スレがいつ消えてしまうかわからないので、本ブログに再掲します。
「前科」とは何ですか。
「前科」とは、有罪の確定判決を受けた経歴があることを言います。
一般用語で、法令用語として定義があるものではありません。(現行法令で「前科」の用語を使用しているのは、「犯罪捜査規範」だけです。ここでも、特別な定義は置かれていません。)「前科が付く」という表現がよく用いられますが、特定の行政機関が、「前科」を付けたり外したりしているわけではありません。 これも一般用語であり、単に前科を有する状態になったことを意味します。
「前科」という言葉自体は、法令上の意味はないのですが、有罪の確定判決を受けた経歴は、法令上、人の資格において様々な制約を受けることがあります。例えば、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」は、警察官を含む地方公務員となることができません。(「欠格条項」とか、「欠格事由」とか言われます。)また、個別の法律によって、例えば、「禁錮以上の刑に処せられ・・・5年を経過しない者」のように、前科を有することになってから一定期間を欠格事由とするものもあります。
このように、有罪の確定判決を受けた事実は、様々な不利益を伴いますから、永久にそのような状態に置くことは、更生に支障を生じさせるおそれがあると考えられます。そこで、一定の期間の経過によって、刑の言渡しの効力が失われることになっています。
これら刑の言渡しの効力が失われた場合でも、日常的には「前科がある」と表現することもあるようですが、一般的には、「前科が抹消された」と考えてよいでしょう。
「前歴」とは何ですか。
法令用語では、「前歴」とは、一定の公権力による処分を受けた経歴のあることを言います。(道路交通法施行令など)しかし、「前科前歴」という場合の「前歴」とは、「犯罪歴」すなわち、捜査機関によって被疑者として検挙された経歴のことを言い、法令用語ではありません。
「検挙」は主として捜査機関で用いられる用語であり、被疑者の「検挙」という場合には、被疑者を逮捕し、書類送致し、又は微罪処分とすることを指します。(交通赤切符による処理も「検挙」です。)
なお、犯罪歴に非行歴を加えて「前歴」ということもあるようです。このような意味での前歴は、捜査機関内部における情報に過ぎず、前歴のあることによって、日本の法令上はいかなる制限を受けることもありません。他方、前科と異なり、一定の期間が経過すれば「抹消」されるものではなく、捜査機関が必要と考える期間、保有されることになります。
「前科」とは何ですか。
「前科」とは、有罪の確定判決を受けた経歴があることを言います。
一般用語で、法令用語として定義があるものではありません。(現行法令で「前科」の用語を使用しているのは、「犯罪捜査規範」だけです。ここでも、特別な定義は置かれていません。)「前科が付く」という表現がよく用いられますが、特定の行政機関が、「前科」を付けたり外したりしているわけではありません。 これも一般用語であり、単に前科を有する状態になったことを意味します。
「前科」という言葉自体は、法令上の意味はないのですが、有罪の確定判決を受けた経歴は、法令上、人の資格において様々な制約を受けることがあります。例えば、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」は、警察官を含む地方公務員となることができません。(「欠格条項」とか、「欠格事由」とか言われます。)また、個別の法律によって、例えば、「禁錮以上の刑に処せられ・・・5年を経過しない者」のように、前科を有することになってから一定期間を欠格事由とするものもあります。
このように、有罪の確定判決を受けた事実は、様々な不利益を伴いますから、永久にそのような状態に置くことは、更生に支障を生じさせるおそれがあると考えられます。そこで、一定の期間の経過によって、刑の言渡しの効力が失われることになっています。
・禁錮以上の刑 執行後、罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したとき。
・罰金以下の刑 執行後、罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したとき。
また、執行猶予付有罪判決の場合は、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しの効力は失われます。
これら刑の言渡しの効力が失われた場合でも、日常的には「前科がある」と表現することもあるようですが、一般的には、「前科が抹消された」と考えてよいでしょう。
「前歴」とは何ですか。
法令用語では、「前歴」とは、一定の公権力による処分を受けた経歴のあることを言います。(道路交通法施行令など)しかし、「前科前歴」という場合の「前歴」とは、「犯罪歴」すなわち、捜査機関によって被疑者として検挙された経歴のことを言い、法令用語ではありません。
「検挙」は主として捜査機関で用いられる用語であり、被疑者の「検挙」という場合には、被疑者を逮捕し、書類送致し、又は微罪処分とすることを指します。(交通赤切符による処理も「検挙」です。)
なお、犯罪歴に非行歴を加えて「前歴」ということもあるようです。このような意味での前歴は、捜査機関内部における情報に過ぎず、前歴のあることによって、日本の法令上はいかなる制限を受けることもありません。他方、前科と異なり、一定の期間が経過すれば「抹消」されるものではなく、捜査機関が必要と考える期間、保有されることになります。
2010年2月3日
通訳付き裁判員裁判 傍聴の家族は「誤訳」主張
個人的に知る限りでは、裁判員裁判制度が始まって初めての通訳者に対する「クレーム」です。
まあ細かい状況は分からないののだが、この間違い方が本当だとしたら、そもそも通訳者の能力に問題があるのではないかと疑問に思わざるを得ない。でももちろん文脈が誤解された可能性もあるし、複数の解釈ができる単語を通訳者が選んだ結果、誤解を招いたかもしれない。例えば日本語で「善処します」と言われたら、言葉以外の様々な背景情報がないと上手く訳す事は難しいだろう。
沖縄でも5月以降に初の通訳付き裁判員裁判が予定されている。米軍人関係は日本初らしいので、なにかと注目が集まりそうな事件。裁判員裁判になってから、通訳者の無能ぶりが明らかになったという事態だけは避けたいものです。
通訳付き裁判員裁判・被告人質問 殺意の有無 何度も確認 傍聴の家族は「誤訳」主張 長崎地裁
長崎地裁(松尾嘉倫(よしみち)裁判長)で開かれている九州初の法廷通訳付きの裁判員裁判は2日目の27日、被告人質問があった。やりとりは法廷通訳人を介して行われたが、うまく伝わらない場面もあり、検察官や弁護人は表現を変えて何度も質問。閉廷後、被告の家族が「誤訳」と報道陣に訴える場面もあった。裁判員からの質問はなかった。
審理されているのは昨年5月、大村市で元妻をナイフで刺したとして殺人未遂罪に問われた中国籍の余文発被告(40)。被告人質問は通訳人が質問と被告の供述を逐次通訳する形式で行われた。
弁護側は「未必の故意」を前提に殺意を認めているが、検察側の質問に余被告は「酒を飲んで当時のことは覚えていない。殺すつもりはなかった」と供述。検察側は「記憶がないなら殺意の有無も覚えていないのでは」と質問したが、余被告は同じ返答を繰り返し、割って入った松尾裁判長が質問を重ね(1)殺すつもりはないというのは記憶にある場面のこと(2)犯行前後の記憶がないこと‐を時間をかけて確認した。
余被告の主任弁護人の川端克成弁護士は閉廷後、「『未必の故意』について(被告は)微妙なところまで理解しておらず、殺意の有無を問われると否定してしまう。裁判長のまとめで裁判員も理解できたのではないか」としている。
また、閉廷後、傍聴していた余被告の長女(15)は報道陣に対し「父が不利になる誤訳があった」として(1)元妻について尋ねた弁護側質問に対し、余被告は「愛(いと)しい人です」と答えたが、通訳人は「一番親しい人」と訳した(2)余被告は酒を飲んだ状態を「理性がない」と述べたが、通訳人は「無意識」と訳した‐などの例を挙げた。
=2010/01/28付 西日本新聞朝刊=
まあ細かい状況は分からないののだが、この間違い方が本当だとしたら、そもそも通訳者の能力に問題があるのではないかと疑問に思わざるを得ない。でももちろん文脈が誤解された可能性もあるし、複数の解釈ができる単語を通訳者が選んだ結果、誤解を招いたかもしれない。例えば日本語で「善処します」と言われたら、言葉以外の様々な背景情報がないと上手く訳す事は難しいだろう。
沖縄でも5月以降に初の通訳付き裁判員裁判が予定されている。米軍人関係は日本初らしいので、なにかと注目が集まりそうな事件。裁判員裁判になってから、通訳者の無能ぶりが明らかになったという事態だけは避けたいものです。
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