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日本通訳フォーラム2018 8月25日(土)

2010年2月4日

前科と前歴の違い

もともとは2チャンネルのスレッドに掲載されていたのですが、非常に大事・有益な情報であり、元スレがいつ消えてしまうかわからないので、本ブログに再掲します。

「前科」とは何ですか。

「前科」とは、有罪の確定判決を受けた経歴があることを言います。

一般用語で、法令用語として定義があるものではありません。(現行法令で「前科」の用語を使用しているのは、「犯罪捜査規範」だけです。ここでも、特別な定義は置かれていません。)「前科が付く」という表現がよく用いられますが、特定の行政機関が、「前科」を付けたり外したりしているわけではありません。 これも一般用語であり、単に前科を有する状態になったことを意味します。

「前科」という言葉自体は、法令上の意味はないのですが、有罪の確定判決を受けた経歴は、法令上、人の資格において様々な制約を受けることがあります。例えば、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」は、警察官を含む地方公務員となることができません。(「欠格条項」とか、「欠格事由」とか言われます。)また、個別の法律によって、例えば、「禁錮以上の刑に処せられ・・・5年を経過しない者」のように、前科を有することになってから一定期間を欠格事由とするものもあります。

このように、有罪の確定判決を受けた事実は、様々な不利益を伴いますから、永久にそのような状態に置くことは、更生に支障を生じさせるおそれがあると考えられます。そこで、一定の期間の経過によって、刑の言渡しの効力が失われることになっています。

・禁錮以上の刑 執行後、罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したとき。
・罰金以下の刑 執行後、罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したとき。
また、執行猶予付有罪判決の場合は、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しの効力は失われます。

これら刑の言渡しの効力が失われた場合でも、日常的には「前科がある」と表現することもあるようですが、一般的には、「前科が抹消された」と考えてよいでしょう。

「前歴」とは何ですか。

法令用語では、「前歴」とは、一定の公権力による処分を受けた経歴のあることを言います。(道路交通法施行令など)しかし、「前科前歴」という場合の「前歴」とは、「犯罪歴」すなわち、捜査機関によって被疑者として検挙された経歴のことを言い、法令用語ではありません。

「検挙」は主として捜査機関で用いられる用語であり、被疑者の「検挙」という場合には、被疑者を逮捕し、書類送致し、又は微罪処分とすることを指します。(交通赤切符による処理も「検挙」です。)

なお、犯罪歴に非行歴を加えて「前歴」ということもあるようです。このような意味での前歴は、捜査機関内部における情報に過ぎず、前歴のあることによって、日本の法令上はいかなる制限を受けることもありません。他方、前科と異なり、一定の期間が経過すれば「抹消」されるものではなく、捜査機関が必要と考える期間、保有されることになります。