架け橋ゲームズの矢澤竜太さんとザック・ハントリさんがCEDEC2013ですべてのゲーム翻訳者の声を代弁するような(笑)素晴らしい発表をされました。
ローカライズに欠かせない“翻訳”の質を高めるには?【CEDEC 2013】
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まず、翻訳者がこのような発表をする機会がもっと増えてほしい私としては、この発表があったこと自体が非常に嬉しいです。何事も草の根からというか、まずは現場の人間の情報提供・共有から事は始まり、動いてきますからね。
特に“話し手/聞き手の性別と数”はゲームのキャラに魂を吹き込むのに重要な情報です。これが翻訳者に与えられていないと、翻訳者としてはどっちに転んでもよい無難な訳を付けることになり、結果的にゲーマーは消化不良な訳を目にするわけです。
実はこの問題はゲーム翻訳に限る話ではありません。私がよくやる法務関係の翻訳でも、例えば「現場には証人がいた」という文章からは証人の数がわかりません。a witness なのか、witnesses なのか、違いは大きいです。
似たような問題に brother/sister 問題があります。通訳の現場などで(翻訳でもいいのですが)、外国人が "I have a brother and a sister." と発言したとしましょう。これだけでは兄なのか弟なのかわからない。姉なのか妹なのかもわからない。まさか「兄弟が一人、姉妹が一人」という違和感たっぷりな表現にするわけにもいかないので困るわけです。
他にも翻訳者であれば「そう、そう!」と膝を叩いて納得するような内容ばかりですので、ぜひ読んでみてください。
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