2010年1月24日

中国政府、言葉で文化圏拡大を狙う?

New York TimesのForeign Languages Fade in Class — Except Chineseを読んだ。ざっくりまとめれば、過去10年で何千もの公立校が外国語の授業を廃止してきたが、最近では中国語に限っては教える学校が増加している、と。なぜか?中国政府が教師を派遣して、おまけに給与も一部負担しているようなのだ。派遣先は米国に限らず、世界各国との事。タダで先生を与えられたら、それは学校としては飛びつくでしょうね。資金が豊富な学校なんて少ないですから。

Some schools are paying for Chinese classes on their own, but hundreds are getting some help. The Chinese government is sending teachers from China to schools all over the world — and paying part of their salaries.

At a time of tight budgets, many American schools are finding that offer too good to refuse.

正直、やっぱり思想統制に力を入れている中国だけあって、文化圏拡大のグローバル戦略も大胆かつ緻密だなあと思いました。全てはまずは言葉から、という強いメッセージを感じます。幼い頃から中国語を学ぶという事は、必然的に中国文化もなんらかの形で学ぶ事になるわけで、それを何年も続ければ、必ずしも中国LOVEとはいかないまでも、中国の文化や思想に一定の理解を示す人間として成長していくわけです。プログラムが順調に広がっていけば、20年後は親中の若者の数が圧倒的に増加している事でしょう。

このプログラムの評価は別として、日本も国家としてもっと文化普及に力を入れていかなければならないと思います。近年では外務省のバックアップもあり、漫画や「カワイイ」文化を通して世界中の若者に日本についてもっと知ってもらおうと取り組んでいるようですが、規模的にはまだまだ小さい。コンテンツは素晴らしいのですから、ぜひとも頑張って欲しいものです。そして私たち翻訳者・通訳者もそのお手伝いをしていかなければなりません。

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