2012年4月30日

高速バス事故と東北観光博HP誤訳問題の共通点

関越道で高速バス事故 7人死亡 39人けが

これを読んで東北観光博HPの誤訳問題を思い出した。株式会社クロスランゲージが訳を提供した案件。もっと早く記事にすべきだったな。

誤訳多発で東北博HP閉鎖 秋田が「飽きた」に

 観光庁は13日、東北6県で3月に始まった「東北観光博」のホームページ(HP)で紹介している
観光名所などの英語、韓国語、中国語訳に誤りが多数見つかったため日本語以外のHPを閉鎖した。
自動翻訳機を使い、その後のチェックをしなかったのが原因。
同庁は「関係者にご迷惑を掛けた」としており、修正して4月下旬に再開する。

観光庁や各県によると、秋田市の「あきた千秋公園桜まつり」では「あきた」を英語で「飽きた」の意味の「tired」に誤訳。
仙台市指定有形文化財「旧伊達邸」はローマ字表記で「きゅういたつてい」に。
秋田県男鹿市の伝統行事「ナマハゲ」に至っては中国語で「はげ頭病」の意味になっていた。

これを見た私の第一印象はというと・・・


それはさておき、私が興味深く思ったのは2つの事件の共通点。

①関係者が問題(またはその予兆)に気付いていても改善しない

機械翻訳を使う人間は機械翻訳の欠点をよく理解しています。決して万能だとは思っていません。それがなぜここまで酷い翻訳になったのか。「固有名詞等のデータを提供してもらえなかった」と言い訳しているようですが、それでも秋田→飽きたは言い訳にならない。

②発覚して問題にならなければ万事OK…だと?

高速バス運転手で居眠りを経験、または眠気を感じたまま運転をした経験がある人は90%近くに上ると報道がありました。つまり居眠り運転的現象はほぼ毎日のように発生しているわけで、単に事故になっていないので問題視されていないだけなのだ。これは翻訳でも同じことで、誤訳もバレなければ問題にはならない。私も文書や書籍を読んでかなり酷い誤訳を見かけるときがあるが、一つひとつを指摘していけばきりがない。要は潜在的な大誤訳問題はそこらに山ほど落ちているのである。機械翻訳を利用する側はこのリスクを正しく評価できているのだろうか。

③結局、消費者行動は変わらない

このバス事故の翌日、高速バスの乗車率にはまったく影響がなかったようでした。不安だが安さが魅力、と。これは翻訳でも同じで、東北観光博の一件が機械翻訳の利用に歯止めをかけることはないだろう。結局のところ、消費者は何も学ばない。「リスクはあるだろうけど、自分に限っては…」のメンタリティーなのだ。問題が発生してからでは取り返しがつかないというのに。

2012年4月29日

TEDxOsakaとニコニコ超会議!

IJETでも講演する@sei_nさんに誘われてTEDxOsakaに潜入してきました。とりあえず当日の放送はこちらからどうぞ。

TEDxOsaka 2012/04/28 Ustream Archive

動画で流れたプレゼンはこちら。





個人的にはガー・レイノルズと杉本先生のプレゼンが面白かった。来年はネタを練ってオーディション受けてみようかな。実は翻訳2.0的なアイデア(妄想?)はあるのだけど。

翌日は幕張メッセでニコニコ超会議2日目に参戦。ドワンゴの本気を見せてもらおうじゃないの、大赤字覚悟の一大イベントだっていうしさ。感想は書くのが面倒なので写真をいくつかだけ。というかニコ動でタイムシフト視聴しようよ、525円で全部観られるんだから。あと、まとめ記事もあるし。

駅からこの列。入場まで一時間強。初日よりは改善されたらしい。

GEISAIで私のイチオシだった小野眞智子さんも!

黒字化のネ申こと夏野剛

空いてるように見えるこど、死ぬほど混んでました

私は主にニコニコ学会と言論コロシアムに参加。
特にニコニコ学会βはいま日本で一番アツい学会だと思います。まさにマッドネス。なんでもあり、知と技術の総合格闘技。超注目です。

2012年4月28日

2012/05/19 岩瀬大輔講演会 in 沖縄




【講演概要】

「ネットで保険は売れない」というそれまでの常識を根底から覆したライフネット生命保険。その副社長である岩瀬大輔氏が自身の経験を振り返りながら、これからの社会を担う若者に必要なスキルや能力はなにか、イノベーションを起こすための思考法や戦略の立て方について講義します。大学生と新社会人はもちろん、これからの社会で若者に何ができるか、何をすべきなのかを考えるヒントを提供します。

【講演者プロフィール】

1976年埼玉県生まれ。1998年に東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループ、リップルウッド・ジャパン(現RHJイン ターナ ショナル)を経て、ハーバード経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で卒業(ベイカー・スカラー)。
2006年にライフネット生命保険の設立に参画。2009年2月より現職。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。日経ビジネス「チェンジメーカー・オブザイヤー 2010」受賞。

■ 主な著書
「金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記」(文春文庫、2009年)
「生命保険のカラクリ」 (文藝春秋、2009年)
「132億円集めたビジネスプラン」 (PHP研究所、2010年)
「ネットで生保を売ろう!」 (文藝春秋、2011年)

■日時

2012年5月19日(土) 午後4時~6時半

■場所

琉球新報本社 2階多目的ホール
沖縄県那覇市天久905


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※駐車場はないので、公共交通機関をご利用ください。

■入場料

1,000円

お申し込みはこちらから。

Fill out my online form.


講演会の後には参加者限定の懇親会があります(先着順で30名程度、別料金)。

■主催・お問い合わせ

主催:沖縄アイデアラボ
お問い合わせは @okinawalab またはこちらのお問い合わせフォームから宜しくお願いします。

※ハッシュタグ #iwase0519 で岩瀬さんへの質問を募集中です。

2012年4月3日

お薦めポッドキャストを選んでみた。



ある程度のレベルに達した翻訳者・通訳者は必ず壁(というかプラトー?)にぶち当たり、それを乗り越えてさらなる成長を実現するためには、翻訳・通訳の技術論ばかり勉強していては意味がないと私は思います。この職業は言葉や表現の引き出しが命なのであって、「引き出し力」を鍛えるには多種多様な情報に常日頃から接していなければならないと思うのです。何もしないで自然に言葉が生まれるなんてありえないですから。「そもそも言葉にオリジナリティーなどあるのだろうか」とはフッサールの言葉です。

以前は読書が中心だった私の情報収集活動も、ケータイをiPhoneに替えてからポッドキャストがかなり大きなパイを占めるようになりました。特に移動中の隙間時間を有効に使えるようになったことは大きいです。それに文庫本を読みながら歩いてるとたまに喫茶店のメニューボードとかを勢いよく倒してしまいますからね。はは。

さて、そんなわけで私が聴いているポッドキャストの中からいくつかお薦めします(日本語か英語です)。


Freakonomics Radio

『ヤバい経済学』の著者であるスティーヴン・ダブナーとスティーブン・レヴィットが目から鱗のウラ(ミクロ)経済学トークを繰り広げます。特に印象に残っているのは「飲酒運転するより飲酒歩行(飲んで歩いて帰宅する)の方が危険」とか、中国某所の子供たちの学力が低いのは教育システムに問題があるからだと思ってたら実は単に視力が悪くて黒板を見えなかっただけだったとか(安いメガネを買ったら成績がドーンと上がった)、サッカーのPKの戦略としては、統計的にみるとGKの真正面に蹴るのが一番成功率が高いのになぜみんな蹴らないのか、などなど。あと、高級娼婦と元国家元首が競演するのはこの番組くらい。ホント面白いです。


60 Minutes - Full Audio

言わずと知れたCBSの長寿番組。医療から音楽、フェミニズムから政治犯罪まで幅広い分野で切れ味鋭い調査報道を展開します。私のクライアントはアメリカ人が多いので、アメリカの時事問題を知っておくことはかなり重要です。昨年あるビジネス通訳現場でスタックスネットが話題になったことがあったのですが(現場自体はセキュリティ問題とは関係ない)、幸運にもそれについてのエピソードを直前に聴いていたのでなんとかしのぐことができました。それはさておき、これは本当に完成度が高い番組なんです。まずはお試しあれ。


TED Talks (audio)

TEDは映像がないと意味ないだろ!と容赦ない野次が飛んできそうですが、私はiPhoneで動画を観ることはほとんどないので(そもそもポッドキャストは移動中に聴くのがメインだし)、音声だけでいいのです。でも聴いてビジュアルが気になったプレゼンは後でネットで確認しますよ。知を刺激するプレゼンを15分程度の一口サイズで。召し上がれ。


TBS RADIO 954 kHz │ 柳瀬博一・Terminal

残念ながら3月23日の回で終了してしまったのですが(また戻ってくるのかな?)、アーカイブは今でも宝の山です。各業界で活躍する経営者や文化人、知識人などを招いて、フォーカスされたテーマについて深く議論・説明します。文化系トークラジオライフでは博識ぶりを披露している柳瀬さんですが、この番組では聞き役に徹しています。幅広いリスナーを想定しているらしく、意識して素人っぽく振舞って詳しい解説を聞き出したりするところはさすが。


ラジオ版 学問ノススメ Special Edition

@yukicoy さんに薦められて聴いてみたらホントに面白くてハマってます。各回は60分程度と長いのですが、各業界の本音や裏話がビシバシ飛び交います。個人的に笑えたのは芥川賞作家の西村賢太、ジーンときたのは詩人の和合亮一、意外性を感じたのは内田樹。内田さんは本しか読んだことがなかったので私の中で一定のイメージができあがっていたのだが、実際の声とか話し方とかがイメージと全然かけ離れていてアレ?という感じでした(笑)。もちろん話は興味深いのだけど。


FORA.tv - Audio Program of the Week

一言で表現すれば、TEDは世界中の知を15分という限られた時間制限の中で伝えているのに対して、Fora.tvは時間をガンガン使って深く掘り下げようよ、という感じ。世界中で開催されているイベントやコンフェレンスの動画が無料で視聴できます。ポッドキャストもエピソード一本が1時間半を超えるのが普通なので隙間時間の活用というわけにはいかないのですが、東京から大阪への新幹線とかでどうぞ(私の定番パターン)。「もう宗教なんていらないんじゃない?」をテーマにしたディベートとか肝細胞のトークは個人的にお薦め。ちなみにScienceEconomicsUS Politicsに特化したポッドキャストもあります。


This American Life

@Fucchi_Yにイチオシされたので先週から聴き始めているのだが、初めて聴いたエピソードで泣けた。たまたま悲劇モノだったのかもしれないけど(出生時にナースが赤ちゃんを取り違えて、40年後に本当の親に会ったという話)。ノンフィクションだけかと思ったら、たまにフィクションのエピソードもあるらしい。1時間番組なので決して短くはないのだが、ストーリーの語り方が秀逸なのであっという間に時間が過ぎてしまう。毎週配信。バックナンバーは公式サイトで購入可能。99セントは安い。


NBC Meet the Press (audio)

@yanonanoneのお薦め。というかよく見たら私のポッドキャストにも登録されてたけど、なぜか「更新しない」設定になっていたので1年くらい放置プレイだったという。毎回、政治家を招いてアメリカの政治問題について話すというのが定番コース。似たような番組にWashington Week PodcastABC News This Weekがあります。この辺は番組ホストの好みで選んだらよいのでは。共和党支持者なら黙ってFOX Newsなのでしょうが。


週間日経トレンディ

いまの流行ネタとかガジェット系ニュースはこちらで仕入れてます。女性に話題の商品とかをここで知って、それを実際に女性に話してみると驚かれたりする。なぜだろう?


NPR: NPR: Live Concerts from All Songs Considered Podcast

数日おきに更新されるライブ音楽ポッドキャスト。私の隠れナンバーワンです。メジャーなアーティストはあまり出てこないけど、そもそもライブはパワーがあるのであまり気にならない。たまに作業音楽にもしてます。ワールドミュージックからR&B、モダンロックからアコギソロまで何でもあり。


Entrepreneurial Thought Leaders 

アメリカの財界、特にIT業界のビッグネームのスタンフォード大学講演録。個人的に面白いと思ったのがNVidia社長のトーク。製品が時代を先取りしすぎていてまったく理解されず、母親にも「早く就職しろ」と怒られた過去。超ビッグになった今も母親はよくわかってないらしい。エバーノートのリービン社長も日本では温厚な人として知られているが、ここでのトークは不敬な言葉も連発したり(笑)。アツくてスマートな学生たちを前にすると、講演者も気合いが入るのでしょうね。


挙げていくときりがないので今回はここまで。次回はiTunes Uや有料メルマガのお薦めもまとめようかね。


【おまけ】 歴史好き&通勤時間が長い人にはDan Carlin's Hardcore Historyがいいかも。短いエピソードでも80分程度、長いのは5時間を超えるこの空気が読めないポッドキャストをお楽しみください。

2012年3月31日

【英国発】法廷通訳人のボイコットで開廷できませんの巻

先日の大阪シンポでもチラっと話したのですが、とりあえずはこちらの記事を。

Court chaos follows interpreter change

そろそろ歯医者の時間だから読んでる暇はありません、という方に向けて経過をまとめると・・・

従来、イギリスとウェールズではNational Register(全国登録制度)に登録していた法廷通訳人を採用していた。

政府は法廷通訳業務をApplied Language Solutions (ALS)に外注。
ALS「年間6000万ポンドかかっていた通訳費を3分の一カットできます。してみせます!」

登録者2300人の6割がボイコット
「ふざけんじゃねーよ、そんな理不尽な報酬カットのめるはずねーだろ」

2月にALSのサービスが開始してから各地の裁判所で以下のようなことが。
①開廷しても通訳人がいないので何もできずに閉廷(公判延期)
②なぜか指定言語とは違う言語を喋る通訳人が来たものの何もできずに閉廷
③通訳人は来たものの、技能的に難があるため誤訳連発

政府「こりゃダメだ。とりあえず各裁判所は独自の裁量で通訳人を手配してください」
ALS「新サービスへの移行期にトラブルは付き物です。大丈夫だからもう少しご辛抱を!」
通訳人「ALSざまあwww」←イマココ

どれくらいの報酬カットかというと、従来はまず85ポンドの保証があり、3時間を超えた分は15分ごとに一定レートで追加報酬が支払われていました。これに交通費と諸経費分も支払われていました。ALSの新基準では交通費・諸経費無し、85ポンドの保証金も廃止、完全時給制にして通訳人の技能や資格に応じて一定レートを支払うとしています(16、20、22ポンドの3段階)。

最高額の22ポンドでも時給2800円程度。従来のレートも比較的低いのに、この新レートはどう考えてもプロレベルの通訳者が受け入れられるようなものではありません。集団ボイコットは当然の流れでしょう。

で、裁判所はどれくらいひどいことになってるの?

Manchester Crown Court Judge Martin Steiger QC slammed ALS as ‘very unsatisfying’ – hitting out after the sentencing of a sex offender from India was postponed twice when interpreters for the agency failed to turn up. He was so outraged he said he had considered putting the firm in the dock for contempt.

Judge Steiger said there had been no way to contact the interpreters who failed to attend the two previous hearings and ALS had not been able to explain their absence. The sentencing went ahead on the third attempt, when an interpreter attended.

A trial at Leeds Crown Court had to be called off and rescheduled because no one was available to translate for the Czech defendant, with the judge slamming the cost of rescheduling the case.

Solicitor Robert Moussalli, a lawyer with 20 years' experience from Manchester firm Burton Copeland, said he was ‘unimpressed’ by some of the replacement interpreters sent by the agency. ALS denies sending untrained agents to court – and says all its translators undergo rigorous tests.

Justice minister Crispin Blunt told MPs last week there were ‘unacceptable delays’ with the contract.

裁判官にもストレートに批判されたALSですが、社長は楽観的です。

Boss of court translation firm Applied Language Solutions hits back after judges blast service

弁護士のJohn Storerはこんな批判記事も書いてます。

Language Problem: The controversy over the court interpreters contract

ここぞとばかりに法廷通訳人の仕事ぶりなどがメディアでも取り上げられています。

Violent clients, traumatised victims, late payment - the life of a court interpreter

そしてこのALSですが、実はロンドン五輪の翻訳・通訳業務について独占契約を獲得しているのです。国の威信をかけてオリンピックにこんな会社を使っていいのかね・・・

2012年3月30日

つーほんニュース 3/30

TCA駐日代表・吉村章 「聞き返し」できるのがよい通訳

実は「聞き返し」は通訳者にとっては厄介なもの。というのは、聞き過ぎたらそれはそれで「この通訳者、ホントに大丈夫なの?」と思われてしまうからだ。通訳者としては、単に資料を貰えてないので内容がまったく分からないだけかもしれないのだが。まあ、メモととってない通訳者は問題外ですけどね。

川崎なぜ? 通訳困らせる英語会見

川崎選手としては、単に英語で答えるこどで自分の気持ちをストレートに伝えたいだけかもしれないけどね。僕は彼みたいな人を通訳するの、好きですよ。感情が溢れる言葉って訳すのが難しいけど、訳しててワクワクしてきますからね!

篠沢教授が難病と闘いながら翻訳本

姿を目にするのはクイズダービー以来だけど、難病と闘いながらまだ頑張っているようです。発症後も親指だけでタイピングして何冊も出版する執念というか、情熱というか、素直に尊敬します。

 パピレス、App Store や Kindle Store で漫画を英訳して販売

今はハークレインに牛耳られているApp Storeの漫画コンテンツですが(笑)、今後はもっと色々な漫画へのアクセスが増えてくるといいですね。個人的には横山『三国志』と手塚『火の鳥』をさっさと電子化してほしいです!定価で買います!

 エンターテインメントの現場! 映像翻訳の裏側に潜入

「多チャンネル化やネット配信など、媒体自体が増えているので、吹替も字幕も、翻訳家の需要は増えていると思います。ただし、実力重視の世界なのでそんなに甘くはありませんが」というのはワケアリ発言で、確かに翻訳対象になるコンテンツの絶対量は増加傾向にあるかもしれないけど、ここでいう実力主義は価格力も含めた実力なんですよね。つまり、いくら腕があってもレートが高ければ仕事はこない。そもそもテレビ字幕なんて予算があまりないし・・・

2012年3月13日

つーほんニュース 3/13

TCA駐日代表・吉村章 ビジネス通訳はプロに

吉村氏は控えめに書いているが、旅行社の(またはフリーの)ガイド通訳で、ビジネス通訳もできる人はかなり少ない。もちろん中にはできる人もいるだろう。ただ、ガイド通訳を専門的にやっている人でビジネス通訳もできそうな実力を持ってる人に私は会ったことがないし、通訳仲間からそういう話を聞いたこともない。これは決して偶然ではないと思う。


TCA駐日代表・吉村章 相手の通訳にご用心

「基本的に相手の通訳は相手の立場で発言する。シビアな折衝であればあるほど、相手の通訳は相手の立場で物事を考え、そして相手の立場で発言する。これは、実は「当たり前」のことだが改めて心得ておきたい。つまり、相手の通訳は自分の「敵」と考えるべきなのである」

これホントです。民間の商談通訳では、通訳者は通訳だけでなく、コンサル的要素も求められるのですよ。相手の通訳者に全部任せて、後で全然話が違ったなんてことがないように、ね。


自分の声と顔で26か国語を話す通訳アバター技術、マイクロソフトがデモ

2008年だったろうか、CNNの選挙番組でワイクリフ・ジョンがホログラム出演したのを観たとき、「これが通訳の未来だな」と思いました(残念ながら画像が見つからない)。映像技術自体は以前からあったのだけど、通訳者の声をかぶせて高い精度でマッチングする技術が足りなかったのかもしれない。ただ、これも時間の問題だと思う。10年後には通訳者の移動時間が劇的に減っていてもおかしくない。


聴覚障害者:「手話通訳者、増員を」訴え 豊岡で支援集会 /兵庫

これを読んで、昔のテレビドラマ『愛していると言ってくれ』を思い出した。主人公は聴覚障害者のため、電話が鳴ると赤いサイレンが点灯するしかけがあった。防災サイレンの音が聞こえない人に対しても、何らかの通知の仕組みが必要ですね。まあ全体的に充実しているのが一番なんですが。

2012年3月3日

つーほんニュース 3/3

インド企業と共同でマンガ翻訳事業開始

翻訳およびDTP作業など主な作業はインドにて行い、日本または米国で品質確認を行うとのこと。最近はちょっとアレな翻訳でも読めればいいや的な空気が世界的に広がっているのですが(特にエンタメ関係)、それを前提にしたビジネスということだと思います。


音声翻訳のVocreが無料化, 23言語をサポート

発表は“フリーミアム”と言っているが、本誌がVocreに確認したところによると、一般消費者向けには単純に無料だ。そして今後提供する企業向けのソリューションは、何段階かの有料制にする。たとえば複数の国をまたぐ電話会議などには便利だし、通訳を雇うより安上がりになるだろう。

フリーミアムモデルの有料部分を企業が支えて、一般の個人ユーザーは全部無料というのが最近増えてきている形ですね。エバーノートもさっさと企業スポンサーをつけて全機能を個人ユーザーに開放してくださいよ、と勝手に考えてみたり。


急加速に関する米CNN報道は「著しく不正確」=トヨタ

トヨタの急加速問題は2011年に一応の決着(シロ)が着いているのだが、メディアバトルはまだ終わっていない。トヨタにとってイメージ回復は大事ですからね。今回はCNNの一連の報道に対して「お前、誤訳に基づいて偏向報道すんなよ」という鋭い左フック。こちらから原文と訳文をすべて読めますが、一番大きいのは「勝手に」を "sudden unintended acceleration" と訳したことでしょうか。

2012年3月1日

つーほんニュース 3/1

翻訳センター<2483>、通訳・翻訳などのアイ・エス・エスを子会社化

「独立系翻訳大手の翻訳センター<2483>は、通訳・翻訳・国際会議企画運営等ののアイ・エス・エスの株式取得につき、基本合意を行ったと発表した(教育・コンサル業界のM&A)」との発表。翻訳センターもいよいよ通訳業に本腰というところでしょうか。


アルク 第16回映像翻訳コンテスト開催

今回から「英語字幕部門」(日英翻訳)が新設されたようです。日本の情報を海外に発信するのは良いことだと思いますが、ぜひとも価格破壊だけは勘弁を…(笑)。英日から逃げ出した私ですが、日英からも撤退する羽目にはなりたくありません(といっても、日英も半分引退してる感じなんだが)。締切日は2012年4月16日(月)で、結果発表は2012年6月15日(金)です。


ネットで対面通訳サービス、大垣市


実はネットを活用した対面通訳サービスは、あらゆる通訳分野において今後10年以内に主流になっていくのではないかと私は読んでいます。というのは、通訳ビジネスにおいてコスト的に一番大きいのは人件費(通訳者に支払う報酬)なのですが、交通費や宿泊費もバカにならないのです。「現場で通訳するのが一番。話者の体温や場の空気から細かいニュアンスを感じとって伝えられるから」というのは現実には通訳者だけに通じるロジックであって、マーケットには理解されないでしょう。


医療通訳:県、来年度から本格始動 派遣と電話で対応 /愛知

具体的なシステムはわからないけど、「大学や医師会などと医療通訳システム推進協議会を設立したり、市町村などと連携」できているのは大きいのではないかな。電話通訳についても、日本ではあまりポピュラーではないのだけど、もっと活用されるべきだと個人的には思います。


手話通訳派遣却下は違憲/高松の女性、市を提訴
 訴状によると、女性は2011年6月、長女(18)が進学を希望する東京の専門学校での保護者説明会に出席するため、市に手話通訳派遣を申請。派遣先が東京であることや、客観的な重要性が乏しいことなどを理由に、同7月に却下され、不服申し立てについても同10月に却下された。

具体的な内容がわからないので踏み込んだコメントはできないが、これが違憲と判断されたら他のコミュニティ通訳事業に多大な影響が及ぶことは間違いない。


NHN Japan、13ヵ国語に対応した無料翻訳アプリを公開

一部機能はオフラインでも使用可能らしいので、地味に便利そう。こういうアプリは使いやすさが命なんですよね。いくら情報が詰まってても、使い勝手が悪ければ放置プレイ確実ですから。


外国人受刑者の心情把握を 翻訳・通訳体制強化へ

先の李受刑者の脱獄騒動を受けての対策なのだが、そもそも刑務所に中国語を喋る職員が一人もいなかったってどういうことなの・・・


Lionbridge and Moxie Software Announce Partnership to Accelerate Global Enterprise Social Interactions With Real-time Translation

リアルタイム翻訳の流れは止まりません・・・というかグングン加速中です。まあプレスリリースなのでかなり盛ってある話もあるのですがね。

2012年2月28日

3/24 IJET-23 プレイベント 広島通訳セミナー

そして最後のプレイベントです。今回は翻訳から離れて通訳一色。この後は6月に広島で会いましょう!

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対象: 通訳を目指す学生・社会人 通訳学校で勉強中の方 ご興味のある方!

テーマ: 広島在住のプロ通訳2人による通訳セミナー。理解すること、伝えることの大切さをゲーム等を取り入れ実感・体感してもらい、その中から通訳という仕事の醍醐味をお伝えします。

* セミナー修了後には交流会も予定されています。ネットワーキングに絶好のチャンス。是非ご参加下さい。

プログラム:

【第一部】 地元プロ通訳が語る「通訳ってどんな職業?」


地元広島を拠点に活動するプロ通訳者Pauline Baldwinと宮原美佳子がそれぞれの経験を語りながら、「通訳ってどんな職業?」を解き明かしていく対談。同じ通訳者でありながら、全く経歴の違う二人が繰り広げる興味津々なトークセッション!

【Q&A】Paulineとみかこが、何でも質問に答えます!

【第二部】 「理解する」「伝える」とは一体どういうこと?その大切さとは?


通訳を挟まない日常会話でも常に「理解し」「伝える」という行為を行っています。でも、その日常的な行為の重要性、そして「ことば」の持つチカラを本当に私達はわかっているのでしょうか?簡単なゲームなどを通じて、参加者の皆さんに「理解する」「伝える」とは一体どういうことなのかを体感してもらいます。

【Q&A】Paulineとみかこが、またまた何でも質問に答えます!

日時:3月24日(土) 13:30-17:00
場所:広島YMCA 本館408号室

参加費:JAT会員無料 JAT非会員1,000円 学生500円
持参するもの:筆記用具 想像力(!)

講師紹介:

Pauline Baldwin
Self-employed translator, interpreter and language instructor. After majoring in Pacific and Oriental Studies at university, she worked for Japanese trading companies in Vancouver, before moving back to Japan – where she was raised – to teach English while working in television and radio. She is knowledgeable in many fields and can be counted on for almost any type of translation or interpretation.

宮原 美佳子
フリーランス会議通訳者・翻訳者(日英)。中3女子・中1男子の「かーさん」。基本なんでもチャレンジ!な体育会系。ベンダー系列システムエンジニアリング会社で5年間SEとして勤務経験あり。地元大手企業で社内通訳をへてフリーランス通訳・翻訳者へ。得意のIT・製造業の知識を活かし国内外のクライアント向けにビジネス・国際会議などで稼働中。顧客満足を第一に考えながら、お客様・同業者と信頼関係を育てられる仕事をしたいと思っています。

交流会:
Cusco Cafe 17:30~

お問い合わせ先: kat@jat.org