2026年2月7日

NotebookLMで大量の特許情報を捌く

 


2月に入ってからすぐに香港出張。特許侵害の案件で、直前に大量の対象特許が送られてきた。限られた時間の中でどのように準備をするかというと、以前なら長年のカンというか、「このあたりが匂うな」と勝手に決めつけて臨んでいましたが、今はNotebookLMという心強いツールがあります。公式の定義では、Googleが提供する「資料(ソース)を読み込ませて対話するAIリサーチアシスタント」とありますが、これ、特許案件と相性がとても良いのです。

2026年1月29日

太秦と撮影技術

撮影技術に関するワークショップで通訳してきました。京都出張ではあの太秦の地を踏むことができて、「あの作品はここで撮影されたんだろうなあ」などと、たぶんまったく誤った妄想しながら仕事をすることができました。オーディエンスは主に映像のプロたちなので、普通に訳すだけではなく、「プロが使う言葉」で訳すことが基準ラインになります。短期間でそのラインに到達するにはどうするか。やはり初心者向けのものから始めて、基本情報を徹底的に叩き込むのが一番の近道。20年前であれば基本書を3冊くらい買って読み込むのが定番でしたが、今は動画が質・量ともにかなり充実しているので、YouTubeがかなり有力な選択肢です。参考までに本件において準備に視聴した動画を一部紹介します。

2026年1月19日

2026年は札幌で開幕

個人的には長めの冬休みを経て(ぽつぽつ遠隔会議がありながらも、10日までしっかり休養)、111日から本格始動です。本当は米国の某弁護士に「13日にテキサスまで来て稼働できない?」と聞かれていたのですが、さすがにそれは……私も偉く(?)なったもので、好条件の仕事よりもイッテンヨンでの棚橋の引退試合を優先できるまでになりました、ということにしておきしょう。 

私は毎年目標を決めるタイプではないのですが、今年の目標は明確で、「通訳においてAIをしっかり使える・語れるレベルまで勉強すること」です。KPIすらない曖昧な目標かもしれませんが、AIの進化のスピードを考えると抽象的にせざるを得ません。実はすでに法務案件では公開情報(特に特許)を効率的に整理・活用していて、準備効率が数倍上がったことを実感しているのですが、それとは別に今の研究テーマは「資料が出ない講演について、公開情報から講演者のスピーチ内容をどう予測するか(プラスその精度をどう上げるか)」です。ある程度のメドがついたらJACIで講演してもいいかなと思いつつ、私が思いつく程度のことは絶対に誰かが先に発表しそう、と始まる前から弱気です。「やる前から負けること考えるバカがいるか!」と猪木にビンタされそう。

2025年4月21日

Star Wars Convention

 4月のハイライトはもう1つ、Star Wars Conventionでの仕事です。お世話になっているゲーム会社の依頼で、Star Wars Zero Company のメディアインタビューなどを担当しました。

会場は幕張メッセ。入場者の数も、コスプレの質・量も段違いです。看板なども日本を意識しているモノが多め。

2025年4月12日

Xbox Developers Streamsにて同通

Xbox Deverlopers Steamsイベントの同通を担当しました。ホテルのネット回線は信用できないので、この案件のために高速インターネット完備のAirbnbを予約したり。今回担当したタイトルはこちら:

The Zodiac Trials

Agni: Village of Calamity

Nightmare Circus

Vapor World: Over The Mind

Kriegsfront Tactics

本件ですが、ライブ同通が終わったあとに一部再録もありました。技術的なトラブルで通訳音声が2分程度抜けてしまったとのこと。再録はその部分だけだったのですが、前後には通訳音声が入っているので、正確な録音時間を確認して、対象部分の尺にしっかり収まるように仕上げなければなりません。私の場合は、最後のパラグラフだけ原稿を用意して、時間ピッタリに終わることを心掛けています。

2025年4月8日

久々のハワイ案件を楽しむ。

昨年から仕事をしている団体の年次大会が今年はハワイ開催ということで、日本語通訳チームの一員として現地に1週間行かせてもらいました。私を含む通訳者はみんなだいたい同じことを考えていて、仕事はしっかりするけど、遊びも本気でいかせてもらいますよ、という雰囲気。そりゃそうだ、ハワイですもの。お子さんを一緒に連れてきたり、数日延泊したり、楽しみ方はそれぞれです。

会議は4か国語で進行です。面白いもので、同時通訳機材は世界中どこに行ってもだいたい同じです。大昔にたしかベトナムで「え、これどうやって使うの?」レベルで直感的に使い方がわからない同通ターミナルがありましたが、こんなことは稀です。

2025年3月28日

2年ぶりのシカゴ代表団来日

2023年に担当したWorld Business ChicagoWBS)案件を今年も担当。シカゴ市の政治家やビジネスリーダーが来日して、日本からの投資を呼び込む活動、といったらシンプルで分かりやすいかもしれない。東京と大阪でおよそ1週間にわたり投資セミナーや個別の企業訪問などを行いました。2年前は東京部分しか受注できなかったのですが、今回は全日程を任せてもらえることに。前回の仕事が評価されたのは素直に嬉しいですね。

1週間の日程で必要な通訳者と機材をすべて手配する役回りだったのですが、最近は3月でも秋の繁忙期のような忙しさなので、経験豊富な通訳者はなかなか手配できません。スケジュールもリアルタイムで変更されるので、朝10時に「マイクさん、今日の午後2時に通訳者さんお願い!」とお願いされることも。シカゴ側も限られた時間のなかでできるだけ多くの会議や企業訪問を詰め込みたいので、こちらも頑張って動かなければなりません。私自身、この1週間はフル稼働していたのですが、1人だけでも当然足りず……JACIの活動で知り合った仲間たちがいなければ、おそらく手配は無理だったでしょう。その意味では仲間たちに感謝、感謝です。

2025年3月10日

出張で意識・準備すること

3月上旬は米ミシガン州へ出張でした。案件自体については語れないのですが、今回は私が海外出張するときに意識すること、準備していること・モノについて書きます。個人のニーズや好みも当然あるので、あくまでも参考までに……というか私はキャリアを通して2度ロストバゲージの被害にあったことがあり、2度目のあとは「もう絶対に荷物は預けない」と決めているので、必然的にパックする荷物は最小限になります。女性には絶対向いてない。というか、バリバリの私服で要人の通訳をするのはつらい。

まずキャリーケースですが、私は昔からカリマーを使用しています。もともとは何を使っていたか忘れましたが、たしか2008年か2009年あたりに高城剛の本でAirport Pro 40が薦められていて、「まあ何を使ってもだいたい似たようなもんだから、旅ばっかしてる高城さんの意見を聞いておこう」(安易)と考えて決めたのでした。修理を繰り返してまだ現役ですが、今はソフトキャリーClamshell 40も使っています。たしか40Lがサイズ的に機内持ち込みの限度だったような。ケースの中は最低限の衣服と革靴くらいです。私服のスペースが十分に確保できないときは、持っていくより現地で安い古着を買うことも。これに加えて仕事用のリュックサックにはノートPCと筆記用具など。Manhattan Passage#4210です。

2025年2月15日

篠田顕子さんと組んだ日。

会議通訳者の篠田顕子さんが111日にご帰天された。日英通訳業界ではとても有名な勉強家で、技術も高く、歳を重ねた先輩通訳者にありがちなマウンティングもなく、むしろ新参者や後輩にも配慮する優しい方でした。私が一緒に仕事をしたのは一度だけ、15年以上前に韓国で開催された案件だったのですが、とても落ち着いて安定した訳出ぶりで、多くのことを学びました。仕事のあとはホテル近くの焼肉屋でほぼ肉を注文せずに、もう一人の通訳者である白江さんとくだらない話をしながら笑って過ごした記憶があります(もっといろいろ聞いておけばよかった)。

篠田さんは著書『愛の両がわ』で自身の波乱万丈な人生はもちろん、通訳者になったきっかけとその後の展開についても綴っています。特に女性通訳者にお薦めです。時間がなくても第9章~第12章の仕事に関する部分は読んでおいて損はありません。特に仕事の後に自分のパフォーマンスを徹底的に反省して復習する過程は、私も若手時代に同じようなことをしていて、技術の向上につながった感覚があります。もっとも私の場合はすぐに忙しくなって途中で辞めてしまったのですが、ちゃんと続けていたらもっと上手くなったかもしれない。 

実は2015年にJACIを立ち上げたとき、その夏に初開催する日本通訳フォーラムで篠田さんに基調講演を依頼していました。けれど、もうタイミングを逸してしまったというか、篠田さんはもう仕事を減らすフェーズに入っていて、夏は地方でゆっくり畑仕事を楽しみたい、ということで叶いませんでした。実際、その後は表舞台に姿を現すことはあまりなくなっています。いま思うのは、フォーラムでの講演は難しかったかもしれないけど、何か理由をつくってもっと話をしておけばよかった、ということ。通訳業界はただでさえ先輩たちの記録が乏しいので……。 

あの日、初対面なのに未熟な私を優しくサポートして、時には励ましてくれた大先輩・篠田顕子さん。いつか私もあなたのように他の通訳者を引き上げる存在になりたいです。

2025年2月3日

ALGS札幌を大いに楽しむ!

スイスから帰国した翌日、午前の便で札幌へ。本来であれば無理っぽい移動スケジュールなのですが、コロナ渦からApex Legendsの新シーズン発表会や開発者インタビューの大半を担当してきた通訳者として、日本で世界大会が開催されるのであればこれは行かなきゃアカンやろ、という感じです。私の通訳ぶりを「マジシャン(魔法使い)」と呼ぶ開発チームやPRチームのメンバー(たぶん私以外の通訳者を知らない可能性大)とリアルで会うのも実はこれが初めて。現場での仕事はもちろんですが、今後の展開も考えると一度挨拶しておくのが良いかなと思いました。遠隔では何度も会っているのですがね。

さて、2月上旬の札幌は当然ながら雪、雪、アーンド雪。寒い。さっぽろ雪まつりの直前の週末ということもあり近場のホテルがとれず、あまり効率的な移動ルートにならなかったのも残念……けれど会場はアツい!そして若い!明らかに10代~20台前半の若者が多めです。おじさんは彼らからエネルギーを頂こうと思います。

私の今回の仕事は大会期間中の①スタッフ間のコミュニケーション支援(世界大会なので海外から多数のスタッフ&メディアが来日していた)、②メディアインタビュー、③優勝者インタビューでした。①と②は以前にも書いたので、今回は③をメインにどう準備したかを説明していこうと思います。