前回の続きです。 インタビュー後について。
After the interview
1. Go over the interview with your translator immediately. Bearak notes in his memo that they will often correct themselves. Plus, you can ask questions about any responses that confused you.
"自分の訳をたびたび事後修正する"通訳者がどれほどいるのかは分かりませんが、これは聞き方にも影響されると思います。私もよくインタビュー後に、特定の発言の正確なニュアンスなどについて聞かれることがあるのですが、長い取材だと細かなことは覚えてないのが正直なところです。その意味では、実際の訳と事後の解釈ではニュアンスのズレが生じる可能性は十分に考えられます。ただ、コミュニケーションの本質に影響を与えるようなズレは通訳中に修正するのがプロなので、誤った事実に基づいて取材が終わることはまず考えられません。
2. If the story involves a long chronology or otherwise complex material, go over the facts repeatedly with your translator. Bearak wrote in his memo: “If you’re not aggravating your translators (making them complain, ‘You’ve already asked that!’), you’re not being precise enough.”
これはある意味、危険な行為です。というのは、通訳者の記憶が一番新鮮なのは現場で通訳している瞬間であり、事後に記憶をたどって、「えーっと、あの時は確かこう言ってた気がします」というのは、記憶の上書きをする行為で、そこには改変の可能性が生まれます。正確な通訳ノートがあれば一定の正確性は担保できるかもしれませんが、あくまでも内容のおおまかな理解を目的とするべきであり、正確なコメントをとる目的では勧められる行為ではありません。
3. Get your translator’s opinion on the source. Since your bullshit detector is turned off, tune into your interpreter’s. Bearak says, “I usually ask, ‘So what do you think of who we’ve just talked to?’ And they’re always pick things up that I didn’t pick up” — namely, whether the interviewee was being evasive or had an axe to grind.
前にも書きましたが、通訳者は言葉以外のコミュニケーション行為も注意して見ているので、取材対象についての印象を聞くことは問題ないと思います。あくまでも個人的な意見ですが。それに確かに、通訳者はジャーナリストとは異なる視点を持っているので、意外な事実に気付くこともあるかもしれません。
4. When you write, tell the reader what language was spoken and that a translator was used. As Bearak said in his memo, “the reader deserves to know that the words have passed through the translation process.”
読者としても、通訳者を通して行われたインタビューだと知ればニュアンスに注意しながら読むかもしれませんね。良いアイデアだと思います。
5. Have the translator read the story before you turn it in. At that point, he or she may have further corrections.
記事の最終確認を通訳者がするべきか。これには賛否両論あると思いますが、私は賛成です。というのも、数年前に某ゲームメディアの取材を通訳をした時、明らかに訳とは異なる事実が記事として発行されてしまった経験があるからです(私はそのゲームのファンだったので、訳した部分ははっきりと覚えていました)。本筋から離れた細かい内容だったので大きな問題にはならなかったようですが、やはり通訳者としては正直悔しいです。私が確認していれば絶対にありえなかったミスですから。
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