2011年2月4日

那覇地裁で法廷通訳研修。

昨日は那覇地方裁判所主催の法廷通訳研修に参加しました。年が明けてからお得意様からの依頼が相次ぎ、嬉しい悲鳴をあげつつ研修は不参加の方向で…と考えていたのですが、1月末になってこの日だけなぜかキャンセルが入り、加えて私の元生徒2名がオブザーバー参加することになったので、これはもう行かなければ逆に不自然な状況になったというわけです。

研修の内容は1月中旬で受けた福岡高裁主催の研修とほぼ同じでした。午前中は刑事裁判の流れと裁判員裁判の概要、午後は模擬裁判と、最後に裁判所関係者とのディスカッション。那覇地裁の某若手裁判官は新しい技術を積極的に取り入れる意欲的な方で、以前に公判前整理手続きのメモ取りにiPadを使っていたのを見てちょっと驚いたのですが(なにせネットに接続されているPCも限られている組織ですので)、この日はKeynoteで見事なプレゼンをされていました。海外留学の経験もあり、英語も喋れる方です。日本法令外国語データベースシステムの裏話なども聞かせて頂きました。

さて、どの都道府県でもそうですが、沖縄県でも有能な司法通訳者は不足しています。裁判所としても通訳者の技能の向上を図るために研修を開催しているのですが、そもそも優れた通訳技術のベースを持った人材が集まりにくい現状があります。裁判所・検察の仕事だけでは生活していけないので、多くの通訳者は基地内などでフルタイムの仕事に就くわけで、すると司法通訳者になる人は1)フリーランスで、2)他の仕事で生活費を十分稼いでいることが絶対条件になってしまうのです。今回集まった研修生もフルタイムの仕事を抱えている方ばかりで、これでは研修自体があまり意味ないのでは・・・という思いもありますが、同時に、既存の枠組みでできることをしなければならないとも思います。システムを根本的に変えないと、解決は難しいですね。

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