2019年5月7日

【執筆後記8】意訳と直訳

10連休中に執筆後記を書き溜めておこう!と思っていたら、あっという間に終わっていました。個人的にはあるあるです。

「意訳と直訳」のエピソードを書きながら考えていたことは2点。1つは、通訳学校で教える先生は本当に大変だなあということ。場合によっては直訳寄り、はたまた意訳寄りと、言語化しにくい直感というか、現場の空気を読むスキルを肌感覚でわかるように教えなければならないのですが、これは本当に難しい。私自身もたまに学校で教えますが、このあたりのさじ加減を説明するのにいつも苦労しています。

もう1つは、私は米原万理的にいえば「不実な美女」寄りの通訳者であり、それが求められている現場は心から楽しめるということです。私の主戦場が法務と知っている方がこれを読んだら驚くかもしれません。法務の現場はガチガチの直訳が求められ、創造性あふれる意訳には価値はないのですから。

法務が嫌いというわけではありません。むしろ好きです。でも、スポーツやエンタメ関係の現場がもっと好きなのです。現場自体が自由でのびのびとしていて、言葉の「感情」を伝えることに重きが置かれることが多いからです。ただ、スポーツやエンタメだけで生活していくのはとても難しい。やりがいは問題ないのですが……

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