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2019年5月8日

【執筆後記9】通訳者の危機管理

この回は実は業界的には結構難しいトピックです。通訳者は建前としては「原文に忠実に、正確に」を前提としてしっかり訳さなければならないのですが、やはりそこは人間、集中力が途切れたり、雑音が入って(会議の参加者が肝心な部分で大きなくしゃみをしたり!)聞き取れない時もあります。でも通訳者が頻繁に「もう一度お願いできますか?」などと聞き返していたらクライアントの信頼を失ってしまうので、そこは網を広げて無難に訳したり、前後の文脈から予測して安全な(誤爆を回避する)訳を出すわけです。通訳者であれば例外なく誰でもやっていることです。もちろん上手い人ほど回数は少ないですが。

経験を積むと、訳出のテンポやスピードは正確性と同じくらい重要だということに気づきます。実際、選ばれ続ける通訳者は本当に重要な部分でしか質問しません。経験から話の流れを止めるべきではないと知っているからです。長年の現場経験から文脈の予測精度が高くなっているというのもありますが。

通訳者の危機管理については『通訳翻訳ジャーナル』で連載したこともありますが、使い方には本当に注意してほしいですね。


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