2015年3月14日
日本会議通訳者協会(JACI)が発足します。
本協会の目的はプロの会議通訳者、通訳志望者、アカデミア、そしてエンドユーザーである企業・組織をつなぎ、通訳に関するあらゆる情報が集まる場所を創造することです。様々な活動を通して業界の発展に貢献し、個人通訳者の成長を実現していきたいと考えています。
4月1日から会員限定のFacebookグループを立ち上げ、通訳に関する各種情報や動画コンテンツを配信していく予定です。
日本会議通訳者協会
お問い合わせはこちらから。
関根マイク
日本会議通訳者協会(当面の)世話人
2015年3月13日
【5/16】 JACIセミナー 「社内通訳からフリーランス通訳へ」
公式ウェブサイトの立ち上げは5月中旬になる予定ですが、それに先立ち、いくつかイベントを準備しています。第一弾は金融やコンサル業界で豊富な通訳経験を持つ大竹純子さん。実力だけでなく、他の通訳者やクライアントにも愛される人柄で知られるプロフェッショナルです。
大竹さんがいかに大手コンサル会社のインハウス通訳者からフリーランスに転じたのか、通訳者としての様々な苦しみや問題をどのように解決してきたのか。実務者の観点から時間が許す限り話す予定です。
なお、セミナーの後半は実務ワークショップを予定しています。実際の現場に近い形での通訳を体験し、プロの講評を得るチャンスです!
JACI東京セミナー 「社内通訳からフリーランス通訳へ」
事前アンケートに協力すると500円の割引コードが発行されますので、ぜひ!
2015年3月8日
English Journal で連載開始。
それにしても、English Journalの知名度はすごいですね。私の友人の母親やその親戚、英語学習に無縁の60代の方々にも知られている歴史ある媒体です。まあ知名度が高いとは思っていましたが、ここまで高いとは!
とりあえずこれで一発当てて、富裕層1%の仲間入りをしたいものです。ははは。
2015年2月28日
戸田奈津子さんの通訳について
あの戸田奈津子が迷訳 英語の玄米を「茶色い米」
まあ一言でいえば大失敗してネットでプチ炎上、ということです。そもそも通訳技術がかなり怪しい戸田さんになぜ依頼したのか、その理由がネームバリュー以外よくわかりません(テレビで彼女の通訳を見たことがある業界関係者で、彼女がうまいという人はまずいないでしょう)。別に戸田さんが通訳しているからといって視聴率が跳ね上がるわけではないでしょうに。
ただまあ、冷静に考えてみましょう。
…「brown rice(玄米)」を「茶色いお米」、「pine nuts(松の実)」をそのまま「パインナッツ」、「powdered sugar(粉砂糖)」を「こなパウダーシュガー」と訳した…
このあたりはまだ私も理解できますし、我慢もできます。人間ですから「玄米」を忘れることもありますし、今では「粉砂糖」ではなく「パウダーシュガー」の方を頻繁に使う人もいますから。クックパッドにもパウダーシュガーのレシピが2万件ありますしね。
しかし、やはり問題はこちらです。
また、視聴者から「パンケーキの生地を冷蔵庫で保存すること」について質問が寄せられると、戸田さんは勘違いしたのか、「なぜバターを冷蔵庫に保存するのか」と誤って伝えた。そのためグレンジャーさんは「溶けないように、保存するならば冷蔵庫に入れて下さい。2週間もちます」と答え、一時、やりとりが噛み 合わなくなってしまった。
テレビ番組はしっかり台本を作成しますから、ゲストの料理人がスタジオで何をつくるのか、どういう手順でつくるのかは事前に明らかになっています。その情報は通訳者である戸田さんに提供されているはずですし、仮に局から提供されなければ通訳者が催促をするべきです。ですから手順関係で「知らない」は理由にならないですし、プロとして失格です。
加えて、プロは常に文脈を考えた上でメッセージを理解・解釈し、訳を出しています。日本では他の地域と異なり、バターを常温保存する家庭はまずありません。ですから、「なぜバターを冷蔵庫に保存するのか」という訳を出すこと自体、文化文脈的にありえないのです。これは通訳学校一年目レベルのミスなのですね。
戸田さんの字幕にはずいぶんとお世話になってきたので、彼女のその分野での功績を批判するつもりはありませんが、やはりプロとして通訳もするのであれば、もう少し勉強してほしいですね。あれがプロのパフォーマンスと解釈されたら迷惑ですので……
ちなみにこういう記事もありました。
料理通訳ができなかった戸田奈津子氏
2014年11月28日
小学生に説明するように。
私は昔から、「小学生でもわかるような通訳をしなさい」と教えています。これは機械のようにぎこちなく直訳したり、専門家が話すような退屈な口調でなく、もっと自由に、相手に「伝える」ことを明確に意識した通訳をしなさいという意味です。自分が感じていること、実践していることを言語するのは簡単なことではないので、「小学生とはちょっと言い過ぎかなあ」と思っていた時期もありましたが、これを観てやはり自分は間違っていなかったのだなあと確信しました。
「賢い小学6年生に話しかけるように」はまさに私が感じていることと同じです。業界は異なりますが、聞き手を意識することは同じですね。
ちなみにこの動画に出ているAlex Blumbergはラジオ/ポッドキャスト業界でかなりの実績(This American LifeやPlanet Money)をもつプロデューサーで、今夏には自身のポッドキャストビジネスを起業して話題になっています。起業の「き」も知らないアレックスが試行錯誤しながら、そして時に妻に突っ込まれながらも、たくさんの支援を得ていく姿は現代のアメリカンドリームを見ているようです。
Gimlet Media
2014年10月27日
もっともっとポッドキャスト。
HBR IdeaCast
HBRはHarvard Business Reviewの略。ビジネスに関する様々なトピックをシンプルに紹介します。
The Tim Ferris Show
最近のイチオシ。ゲストも豪華。Google Ventures責任者であるKevin Roseとの「飲み放談」みたいなコンテンツは他で聴けるところはないと思います。ピーター・ティールとかも普通に呼んでるし!
NPR: Snap Judgment Podcast
NPRの新番組。This American Lifeと似たようなスタイルではありますが、こちらもなかなか。
荻上チキ Session-22
最近の寝る前チョイス。トピックの守備範囲が本当に広くて感心します。
Now Hear This: The Official Podcast of Blue Note Records
ジャズ好きの方にお薦めです!
Bulletproof Radio
既存のテクノロジーをフル活用して「人間はどこまでアップグレードできるか」 を追求する番組。ほぼすべてのエピソードがE指定(卑猥な言葉が一杯!)なのが笑える。
The 10-Minute Marketing Show
文字通り、マーケティングに関するトピックをサクサクと。
Johns Hopkins Medicine Podcasts
豊田さんの紹介で聴きはじめました。子宮移植して妊娠なんて驚きましたわ…
Grantland Sports
"Give the people what they want!" まあスポーツ好きの私ですからね。NFLからWWE(プロレス)までメジャースポーツを幅広くカバーしています。
2014年10月26日
『通訳者の便利ツール』を執筆。
いまさら感が充満している感じですが、翻訳通訳ジャーナルの10月号(8月21日発売)で私が普段使用している便利アプリやツールを紹介しました。詳細は購入していただくとして、実はこの記事発表後にイヤホンを新調したことをお知らせします(卵が飛んできそう)。
私は耳の奥までしっかりフィットするイヤホンが好きなので、Klipsch Image X10をずっと使っていました。 ただ、長時間の同時通訳になるとやはり耳が痛くなります。サウンドクオリティには満足しているのですが。
それで先月、海外出張に行ったら、偶然にも隣の百貨店にBang & OlufsenのA8 イヤホンが販売されていて、「耳掛けタイプも試してみるか…」と買ってみました。そしたら、これが、いい。耳が疲れない。耳の中にすっぽり入らない分、音が少し遠く感じるのですが、それでも長時間の案件にはもう手放せませんね。
今では2時間程度の同通はKipschで、それより長い案件はBang & Olufsenと使い分けています。
2014年10月25日
通訳忘年会 2014
ありそうでなかった、大規模通訳者忘年会。今年から始めちゃいます!
現役プロ通訳者も、通訳者を目指している方も、一緒にワイワイやりましょう。誰でも参加可能です。
飲んで食べて、通訳ネタを一晩中語る、それだけです! いや、もしかするとスペシャルゲストによるトークもある「かも」しれません!お楽しみに!
通訳忘年会 2014
↑ ※チケットの事前購入が必要です!
2014年10月23日
フリーランス翻訳者の桃太郎
最近、桃太郎のアレンジがネットで流行っているようなので、フリーランス翻訳者バージョンを作成してみました。まあ、ネタです。
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昔々あるところにおじいさんとおばあさんが手書きの原文に頭を悩ませていました。
おじいさんは締め切り前に山へ缶詰に、おばあさんは徹夜明けのストレスから何も考えずに川でボーッとしたいと思いました。
すると川上から桃がドンブラコドンブラコと流れてきたが、英語でドンブラコの雰囲気を表現するのは難しいんだからこんなの原文に書くなよとおばあさんは思いました。
桃を持ち帰って割ってみると、中から赤ん坊が現れて大声で泣きました。PDFのOCRがうまくいかないからです。
すくすくと育った桃太郎はある日、鬼退治へ行ってくると言いました。そうするか一週間スポッティングだけやって過ごすかの二択だったからです。
おばあさんは桃太郎にきび団子を渡しましたが、そんな余裕があるんだったらレートを上げてほしいと桃太郎は思いました。
桃太郎は「日本一」と書かれた旗を掲げようと思いましたが、英語の方がかっこいいのでBest in Japanにしました。けれどなんだか広告臭いのでやめて、「加油!桃小龍!」と書きました。
その途中、イヌ・サル・キジが「きび団子をください」と言ってきました。具体的には以下の通りでした。
イヌ「단고를하십시오」
サル「Пожалуйста Kibidango」
キジ「தயவு செய்து Kibidango」
やっぱりきび団子を外国語にするのは難しいんだなあと桃太郎は思いました。
イヌ・サル・キジは桃太郎の家来になりましたが、正社員ではなく登録制であり、鬼退治はトライアル扱いになりました。
桃太郎達は鬼ヶ島に到着しましたが、約束された追加原稿は午前2時を過ぎてもまだ届いていません。
イヌはそのするどい牙で鬼の足に噛み付きましたが、いくら噛み付いても締め切りは変わりません。
サルはそのするどい爪で鬼の顔を引っ掻きましたが、締め切りが迫っても思考は鋭くなりません。
キジは鋭利なクチバシで鬼の目をつつきましたが、多くのフリーランスは営利どころかボランティアすれすれの仕事をしています。
鬼達が負けを認め、ついに桃太郎達は勝利を収めましたが、翻訳仲間にヘルプでお願いした訳文はまだ納められていません。
こうして桃太郎は金銀財宝を持ち帰り幸せに暮らしたかったのですが、エージェントにほとんど抜かれて今夜もため息をつくのでした。Sigh.
めでたし、めでたし。
2014年8月27日
通訳のノートテイキング
第1回 言葉ではなく、アイデアを書き留める
第2回 略語のルール
第3回 リンクの明示
第4回 否定と強調
第5回 縦に書く(スタッキング)
第6回 縦に書く(括弧を使う)
第7回 シフト
質問などありましたらいつでもご連絡ください!