スポーツであれば守備範囲が広い方の私ですが、ブレイキンは強いわけではありません。準備としては、まず①出場選手、②各選手の得意技、③有力選手(特にパリ五輪が確定している、または有力視されている選手)の過去1年の大会実績を基本として調べます。それに加えて目を慣らすためにYouTube動画をかなり視聴しました。Red Bull BC Oneは擦り切れるほど(昭和の表現)観たはず。加えて優勝候補の過去の対談動画やインタビュー動画は必ず確認するようにしています。たとえば以下はフィル・ウィザード。動画を確認することで初めて知る情報がありますし、ネットには「〇×〇×」と書いてあるけど、選手のあいだでは「〇〇×」と呼ばれているなど、業界人の言葉を使い方を学べます。話し方のクセにも慣れることができますしね。
2024年4月30日
ブレイキン世界大会「FUJIFILM INSTAX Undisputed Masters」東京大会
2024年4月23日
直前依頼でシンガポール:Entrepreneurs' Organization
もともと遠隔で対応するはずだった案件が諸事情で現地対応に変更され、週末にシンガポール入り。会場がMBS(マリーナベイサンズ)の会議棟だったので、「久々にMBSに泊まれる!」と思っていたら、写真のようにかなり離れたホテルでした(笑)。それでもグレードは良いので不満はまったくありませんが。案件はEntrepreneurs' Organization(起業家機構)の国際会議です。
会議ではGreen Terpプラットフォームを使用したので、日本からノートPCを含む遠隔通訳キットを持参。コロナ渦において多数の遠隔通訳プラットフォーム(というか、遠隔会議プラットフォーム)が誕生したが、その多くが23年から24年にかけて姿を消した印象です。その中で、シンガポール発のGreen Terpはまだ奮闘していますが、おおむね大勢が決したいま、メジャー以外のプラットフォームは今後どうなるのか注目です。
本件にはJACI認定会員のフリィ・マクウィリアムスさん、エバレット千尋さん、賀来華子さんも参加しました。賀来さんに至っては、JACIの広島ワークショップを教えたあとに深夜便でシンガポール入りというハードスケジュール。頭が上がりません。
それにしても現場案件はやっぱりいいですね。通訳仲間との食事が楽しい!
2024年4月17日
香港での商事仲裁
仲裁案件ではどんな準備をしたらよいのか、と聞かれることがありますが、知っておくべき事実や用語は準備書面にすべてあるので、それを読み込めば大事故にはなりません。シンプルすぎる答えかもしれませんが、これが正解です。ときには書面が山のように届けられて頭が痛くなりますが……
わからないときは「わからない」と正直に言って、わかる努力をしないさい、わからないまま訳出しても誰も得しません、と通訳学校で教わる人もいますが、少なくとも何百億がかかっているhigh stakesの法務案件ではこれは当てはまりません。通訳者はわかっていることを前提として雇われているので、わかっていなければならないのです。通訳者の知識や能力が不足している場合、そこを相手側の弁護士に厳しく追及されることもあります。実際、通訳者の能力を理由に相当な証拠の価値が毀損されたような事件もあります。
法務を専門とする通訳者の数は、仕事柄かなり高度な通訳技術とメンタルタフネスが必要とされるため、なかなか増えませんが、私個人としてもその部分をどうにかしたいと考えています。