2024年1月29日

洋上風力発電

社名は出せませんが、2018年あたりから洋上風力発電に関する案件に携わっています。政府は国策として洋上風力発電を猛プッシュしていて、民間企業は各社その波に乗ろうと頑張っているわけですが、なにぶんこの事業は国内企業だけでやるには無理があり(知識、経験、キャパなどすべてが不足)、外資のサポートが必須です。そこで通訳者にも出番が生じるわけです。

最初はお互いの責任分担を明確化するために契約関係の会議をするのですが、私個人の出番はここまでで、本格的な技術の議論には技術に強い通訳者を手配しています。プロジェクト規模を考えると、まだまだ続きそうですね。

ちなみに長く仕事をしていると、縁の力を強く感じます。洋上風力発電にはまったく関心がなかった私がこの仕事をするようになったのは、前に一緒に仕事をしたことがある幹部社員が転職して、転職先のプロジェクトに私を推薦してくれたからでした。良い仕事を毎日積み上げていくって大事ですね。

2024年1月17日

ゲーム関係のFGI

 


BtoC の世界では FGI (Focus Group Interview) という個人消費者の意見や印象を調査する方法があって、私自身も昔から主に家電やビデオゲームを中心に通訳をしています。15年~20年くらい前は2時間ソロ同通を、休憩を挟みつつも1日3本、というようなハードな労働環境もあったと記憶しています。今は多くの会社がソロ同通は1時間までを基本とする調査会社が増えてきているので、そこまでひどい条件は見かけなくなったと思いますが。

ゲーム関係のFGIで大事なことはいろいろありますが、まずは①対象ゲーム、②対象ゲームが属するジャンルの競合、そして③最近ヒットしているゲームを順番に調べて把握しておくべきでしょう。③はSteamの売上チャートがわかりやすいです(リンク先のチャートは日本市場のものですが、FGIが米国で実施されるのあれば米国のチャート見るべき)。いまヒットしているゲームの傾向がわかります。ジャンル別のランクも表示できるので、②の特定にも便利ですね。

通常のFGIではインタビューガイドが作成され、通訳者にも共有されます。ガイドには対象者に聞く質問のリストはもちろん、どこに集中して何を聞き出したいか、どの部分にどれほどの時間を使うか、ということが詳細に記されています。基本的にはこれを読み込んでおけば大事故はまずないですが、これに上記の①②③を加えると準備度が格段と上がります。というのは、ガイドは質問する側が考えることしか記載されていませんが、インタビュー対象者は通訳者が聞いたこともないニッチなゲーム名や最新のモバイルゲームの話をしたりするので、念のために①②③を押さえておきたいのですね。

これに加えて、YouTubeでゲーム実況者の動画を観ておくと、実際にそのゲームをしている人たちの用語がわかります。それを通訳中に使うとかなりの「こいつ、わかってる」感がでるのでおすすめです。

ちなみに一時期、集英社IPのゲームに関するFGI通訳の依頼が続いたことがあり、そのときはワンピース(当時の最新刊まで)、NARUTO、Bleachの全巻をメルカリで購入して、数か月かけて読み込んだことがありました。ワンピース、最初は食わず嫌いで舐めていたのですが、やはり大人気になるだけのことはありますね。アラバスタあたりから食いつくように読みました!

2024年1月6日

2024年はリアル回帰。対面ワークショップ祭りです。

一般社団法人 日本会議通訳者協会は2024年、株式会社KYTをスポンサーに迎えて、日本各地で逐次通訳ワークショップを開催します。各ワークショップの詳細は下記リンクから。

【国内ツアー】逐次通訳ワークショップ

JACIはコロナ禍を除いて、設立初年度からなんらかの対面ワークショップを毎年開催してきました。初回は某理事の「箱根で温泉に入ろう!ついでにワークショップも付ける感じで」という8割方ノリで開催されたのですが(でも内容は大真面目でした)、以降JACIの名物飲み会、もとい企画として多くの参加者に学びとつながりの機会を提供してきました。今回も某理事の「子供の頃からドームツアーがしたかった!なのでドームがある都市でワークショップツアーをしよう!」というバカ丸出しの発想からスタートしています。でもいつの間にか「どうせこの規模でやるんだったら日本の全地方をまわろう」「ベテラン講師を送りこんで圧倒的なクオリティを実現しよう」「それも手頃なお値段で」と、どんどん話が大きくなり、ついには半ば騙されてスポンサーになった?株式会社KYTさんの協力も得ることになりました。

JACIにとってこの規模のツアーを実施するのは初の試みですが、コロナ禍で開催された日本通訳翻訳フォーラムのように、誰もやらないことにチャレンジするのがJACIのDNAだと私は勝手に思ってます。

普段はあまり通訳イベントが組まれない仙台や広島、高松もツアー会場に含まれていますので、興味がある方はぜひこの機会に参加していただければ。そして講師の方々も、仕事が終わったらたっぷり飲んで遊んでください!

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ここまで話したワークショップは対面イベントですが、遠隔イベントもたっぷり用意しています。まずは……

LinkedInビジネス活用セミナー(1月27日開催)

日本翻訳者協会(JAT)さんとのコラボ企画。JAT会長の狩野ハイディさんとの雑談から生まれました。「翻訳(通訳)技術だけを磨いても今の時代はダメだよね」という共通認識がお互いあるので、構想から実現まで比較的スムーズに進みました。LinkedInを活用しきれていない翻訳者・通訳者はとても多いと思うので(私も含めて!!!)、この機会にぜひ。特に海外のクライアントはLinkedInで通訳者を探すところも多いので、いろいろ学べるはずです。

「Web3業界」に入るなら今がチャンス!通訳者のためのWeb3セミナー【基礎知識編】(2月16日開催)

仮想通貨やメタバースがという言葉が社会に普及してからずいぶん経ちますが、通訳者は本当に仮想通貨を支える技術やメタバースの本質がわかっているのでしょうか?Web3って何?NFTはアメリカのメジャースポーツリーグではないですし、OpenSeaは広い海ではありません。わかってるようで実際は全然わかってない最新のテクノロジーを基礎から一緒に学びましょう!全3回のシリーズです。

スポーツ現場での通訳を語ろう(2月23日開催)

年末にスポーツマネジメント通訳協会の担当者と意気投合して決まったイベントです。おまけに無料。私も司会として参加します。もっとスポーツ分野の通訳を盛り上げたい!

これらに加えて、夏のフォーラムはもちろん、秋以降のイベントも複数検討中です。2024年も走り続けるJACIを宜しくお願い致します。

2024年1月5日

Konscious Foods


数年前からお付き合いを始めたのが Konscious Foods さん。もう展示会のアテンド的な仕事はしないようにしているのですが(単純に、もう若くないので長時間の立ちっぱなしは辛つらいい)、私が学生時代を過ごしたカナダの会社ということで、私自分が担当したのが始まりです。冷凍寿司や冷凍おにぎりなどを販売しているのですが、料理や食品関係があまり得意ではない私にとっては通常よりも長めの準備期間が必要でした。

最初は私が付いた購買担当者が「これにコンニャクは入っているか」と聞くのでなんでかなと思ったのですが、コンニャクは一度冷凍すると美味しくなくなるのですね。料理をしている人にとっては当たり前の知識かもしれませんが、私には大きな発見でした。というか、しっかり準備していなければkonjacをcognacと間違えて明後日の方向に向かっていた可能性も十分にあったでしょう。

今ではここから周辺機器クライアントにも事業が広がっています。そういえば、食品関係の展示会に地味に試食の質と量が良いですよね(笑)。