2011年1月19日

ハロー通訳アカデミーが閉校

ハロー通訳アカデミーが2月28日に閉校すると発表しました。詳細理由は明らかにされていませんが、普通に考えれば資金繰りの悪化だろうか。

ただハローの閉校は時間の問題だったともいえる。というのは、通訳者の養成(供給サイド)は頑張ったし、そこそこ結果も出ていたのだろうが、なにせ卒業生で通訳ガイドを本職にできる人が少な過ぎた。ガイド一本で生活していける人がなかなか生まれなかった。これは教育の問題以上に、需要サイドで結果が残せなかったということである。つまり「通訳案内士」という職業の1)社会的地位と認知度を高め、2)行政や旅行者と連携して、適正な報酬レベルでの仕事を増やすことに失敗した、という事実なのである。

学校がそこまでするべきなのかと疑問を持たれるかもしれないが、専門学校とはそもそも、卒業して社会に出た時に役立つ有用な知識・技術を教える場所である。つまり学校で得たモノが社会で活かせないと全く意味がないし、学校の経営も続かない(一応、ビジネスなので)。通訳案内士が仕事をしやすい社会環境が既に整備されていれば、学校は何もしなくても良いのかもしれないが、もちろんそうではない。だから学校としてもロビー活動等を通じて、社会環境の整備も積極的に行う必要性がある。これは他の業界でも当然のこと。

有能な人材とビジネスをCELに奪われてしまったのも原因の一つ、という見方もある。真実は分からないが、厳しい競争があったのは事実だろう。いずれにせよ、今後の通訳案内士育成に大きな影響を与えるであろうことは間違いない。

閉校のごあいさつ

ハロー通訳アカデミー
学院長 植山源一郎

平素は一方ならぬご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

このたび、諸般の事情により、ハロー通訳アカデミーは2011年2月28日をもちまして閉校することになりましたので、ここにお知らせ申し上げます。

私が、「最高の語学教育サービスを提供する」という経営理念をもって、日本で唯一の通訳案内士試験受験専門予備校であるハロー通訳アカデミーを創設したのは1977年2月16日でしたので、今回の閉校までに星霜ここに34年を数えるに至りました。これもひとえに、ハローをご愛顧いただいた累計8万7千名の受講生の皆様のおかげでして、この場をかりまして深く感謝申し上げます。

現在国際舞台で活躍する累計8,257名の合格者を輩出し、合格者数33年連続全国第1位の実績を残せたことは通訳案内士試験受験専門予備校として望外の喜びですが、それを実現した当校の経営理念と教育内容が日本の英語教育界の一隅をいくらかでも照らす役割を果たせたのであれば、これに優る喜びはございません。

長年にわたり名誉最高顧問を務めていただいた元英国首相マーガレット・サッチャー女史ならびに最高顧問を務めていただいた英国ヴァージングループ会長のリチャード・ブランソン氏にも、この場をかりまして深く感謝申し上げたいと存じます。ハローは、1992年よりほぼ毎年、サッチャー女史を英国よりお招きし、計6回の特別講演会を開催しましたが、女史の格調高い講演を直接お聞きして深い感銘を受けたことは、ハローの歴史の中でも特に印象に残ることです。

これまでハローをご愛顧いただいた皆様には重ねて深く感謝申し上げますとともに、皆様のご健康とますますのご発展を心よりお祈りいたします。長い間、本当に有難うございました。

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