2024年8月22日

『通訳翻訳ジャーナル』2024 秋号

『通訳翻訳ジャーナル』2024 秋号に寄稿しました。イカロス出版の某編集者に弱みを握られているので、お願いされたら書くしかありません。ジャーナルにはもう何年も書いてなかったと思いますが、今回は「通訳と翻訳 ダブルで活躍」という特集のメインを飾らさせていただきました。新日本プロレスでいったら石井智宏的なポジションだと思います。いや、そう信じたい。

本来であれば、通訳するんなら翻訳ならやって当たり前じゃん、筋トレみたいなもんなんだから、の一言で済むと個人的には考えているのです。でもそれだと文字数が全然足りないので、あの手この手で話を膨らませて……というわけではないのですが、やっぱりシンプルな答えとしては「ガタガタ言わずに翻訳しろや」です。通訳者の多くは自分の表現について時間をかけて反省したり、別の表現の選択肢について熟考することがあまりないと思うので(特に今は市況がとても良いので、勉強するくらいなので仕事を入れる人が多い)、練られた文章を訳すことはとても良い練習になると思いますし、むしろ通訳者としての寿命を延ばすには必要ともいえるのではないと私は思います。

一方、翻訳者が通訳を始めるハードルは、その逆より相当高めでだと理解しつつも、二刀流を実現するには何を意識すべきかを率直に書いたつもりです。興味がある方はぜひ手に取っていただければ。

2024年8月6日

スポットコンサル案件、復活。

 
スポットコンサル(通常は1時間単位で、各業界の専門家と話ができる)サービスには20年くらい前から通訳者としてお世話になっていて、それこそZoomがまだなかった時代は文字通り電話、それも固定電話で通訳をしていました。ただ、当時私が契約していたサービスは円払いで、正直レートが通訳者にとってあまり魅力的ではなかったので、おそらく2013年あたりからまったくやらなくなったと記憶しています。なのですが、最近復活しました。

理由は、別の会社に好条件で依頼されたからです。支払いは米ドルで、それも1時間だけで場合によっては国内エージェントの終日料金を超えるので、これはもうやるしかないな、と。昨今の為替トレンドを鑑みて、ドル案件を増やしているのは私だけではないはずです。

スポットコンサル案件では豊富な資料はまず期待できないので(だからレート的には好条件でもやらない人はいます)、対象トピックについて自分で考えて調査する能力が必要です。専門家の名前が事前にわかれば、その人物の講演動画を探すことができるかもしれません。なんにしても、典型的IR案件のような予定調和で終わることはまずなく、かなりディープな話をすることがほとんどなので、高い逐次通訳と現場対応力が求められるのは確かです。