2024年10月28日

お薦めポッドキャスト 2024 冬

 

前回ポッドキャストについて書いたのが2017年(!)と知って我ながらちょっと驚きです。ここ7~8年でポッドキャスト業界はかなり変わりました。コンテンツはさらに多様化し、ディープな番組が増え、特に英語圏ではカネになるビジネスモデルとして一大勢力になっています。日本でも数年遅れで盛り上がりがきているようですね。

私は昔と変わらず通勤時・移動時はポッドキャストを聴いています。最近好きなのは以下の5つ。

The Prof G Podcast

ユーモアたっぷりに米国&世界経済を知的に語るスコット・ギャロウェイ教授のポッド。スポンサーがつく前は番組の冒頭に毎回エグイ下ネタをぶっこむことで有名でした(勉強になりました 笑)。経済学教授のギャロウェイは、過去には自分の事業を起業⇒EXITした経験もあり、今もアクティブな投資家であることから、その分析はキレッキレです。アシスタントのエドくんも若いのに頼りになることよ……

Against the Rules

著名作家マイケル・ルイスのポッド。私はS4のサム・バンクマン=フリード(SBF)のシリーズから入りました。FTX破綻当時、通訳市場は仮想通貨/暗号資産の案件であふれており、私もその一部を担当していたことから他人事とは思えなかったのです。あと、SBFの風変りなキャラと、「効果的利他主義」についてもっと知りたかったというのもあります。というかさすがマイケル・ルイス、他のシーズンも充実した内容ですよ。

Revisionist History

マルコム・グラッドウェルの活躍については、日本では彼の著書を通じて知った人が多いかもですが、実はマルコム、ポッドキャストという形態でもかなりのストーリーテラーです。個人的なお薦めは McDonald’s Broke My Heart と The King of Tears でしょうか。マルコムらしい視点と展開は毎回絶妙。

How Crime Works

各種犯罪の仕組みを完全解説。犯罪に限らず、私のような仕組み好きはブクマ必須です。

All-in Podcast

4人の著名VC投資家が政治からビジネスまでいろいろ雑談する番組。コロナ渦の20年3月に立ち上がり、今では単独で大規模ライブイベントをするまでの人気に。芸能通訳者の今井美穂子さんもファンらしい。

ちなみに、JACIが立ち上げた村松増美アーカイブも一緒にどうぞ!

2024年10月5日

国連案件で土木を学ぶ。

 

21年から国連三角パートナーシップ・プログラムの遠隔部分、作業工程管理過程の通訳をしています(写真は公式から拝借)。初年度は防衛省に近い市ヶ谷の会議室で開催されましたが、翌年からはより充実した国連大学の会場に移りました。アジアやアフリカの軍関係者に対して、建設作業の組みかたや工程管理を教えるプログラムです。基本的には毎年同じ内容なので2年目からは比較的楽になりましたが、初年度はとにかく苦労の連続でした。日常的に通訳しているような内容ではないし、多くの参加者はアクセント持ちです。けれど「あなたの英語はアクが強すぎて全然理解できません」と言うわけにはいかないので、なんとか相手の体裁を保ちながら、前後の文脈で推測して処理していく、という部分も少なからずありました。全員が全員、きれいな英語を喋るわけではないので、これはしかたがないことです。

この案件ではたびたび通訳の域を超えて、自主的に参加者に直接語り掛けることがあります。相手の理解を確認したり、成果物の提出を再三促したり、「あなたが聞きたいのは〇×ですか?」と質問の意図を具体的に確認したり。時間が限られているので、単に訳すだけではなく、進行アシスタントのような形で前に出て進めていく方がスムーズにいくなと判断してそのようにしています。話されたことだけ訳す、と考える通訳者もいますが、私は常に臨機応変に対応するように心がけています。クライアントの大半は「通訳者」を求めているのではなく、「案件の完遂」を求めているのですから。