1月から始まったJACIの国内逐次ワークショップですが、3月は札幌開催です。札幌でやるなら冬の方が雰囲気あるよね、という私のテキトーな考えで3月上旬に決まったこのイベントですが、前日になって「吹雪で飛行機が飛ばないかも?!」という危機的状況に。本来であれば講師2名(私と結城直美さん)は飛行機で現地入りするはずが、リスクヘッジのために結城さんは空のルート、私は新幹線と電車を乗り継ぐ陸路で札幌を目指すことになりました。
深夜に新函館北斗駅に着き、近くの東横インにチェックイン。フロントの人に「最寄りのコンビニは車で15分です」と言われた気が今でもするのですが、聞き間違いかもしれません。陸路で北海道自体が初めてなので、土地勘がなさすぎです。翌朝は早い時間から移動を開始して、なんとか時間までに札幌の会場に到着することができました。
地方でイベントを開催するときは、今回のようなワークショップもそうですが、地元の業界情報を得るように努めています。どのような仕事が多いのか、通訳者に仕事を通した成長の機会はあるのか、業界団体に求めていることは何か……対話をするなかで学ぶことも多いです。外部の人間には見えにくい関係性なども少しずつ見えてくるので、コミュニケーションはとても大事です。
過去の経験も踏まえた個人的な意見ですが、地方には大きく成長できるポテンシャルをもった通訳者が相当数います。しかし、いくらあってもポテンシャルはポテンシャルでしかなく、結局は現場経験を積まないと開花するものも開花しません。札幌も同様で、「この人、構想は良いから、あとはガツガツ仕事すれば化けるだろうなあ……」と思う受講生もいました。
聞けば、そもそも北海道の通訳市場は小さいので、通訳ガイドを兼業としている人が少なくないそうです。けれどガイド案件を多めに入れていると通訳案件が来たときに柔軟に対応できず、自然とフェードアウトしていくのだとか(または現状維持)。市場規模ゆえの課題ですが、遠隔通訳がかなり普及したいま、地方の有能な通訳者の仕事をどう増やしていくかをJACIとしても考えていかなければ、と感じています。
ちなみに右の写真は懇親会後、かなり人が減ったあとに「あれ、写真撮るの忘れてたね」と誰かが言ったあとのワンショット。本当は2月の雪まつりの週にあわせて楽しみたかったのだけど、その週だけ飛行機代とホテル代が倍くらいになってたので秒で諦めたのはここだけの秘密。