2020年2月26日

『通訳というおしごと』発売です。

昨年の繁忙期に死にそうな思いをして(自業自得)書き下ろした『通訳というおしごと』が本日発売です。といっても世間はコロナ問題一色なので新刊イベントは当面なし。実に静かな滑り出しです。

ドラフトの段階ではちょっと偏った主張や、トゲのある表現をしていた部分があったのですが、そういうのってやはり心と体が弱っているときに書いているんですよね。闇落ち寸前というか。それでも繁忙期が無事に終わったあとに原稿を再チェックして、かなりの修正を加えて、なんとか発売予定日に間に合わせることができました。

内容については読んでもらうのが一番早いのですが(サクッと読めるテンポで書いたつもりです)、要は僕が若手の頃に誰も教えてくれなかった「仕事としての通訳」にフォーカスしています。通訳学校・教育機関の選び方と使い方、エージェント登録と試験対策、差別化のヒント、レート交渉、仕事ポートフォリオの組み方、などなど。僕自身、通訳者になろうと決めたときにこういう本があったら回り道をしないで済んだのになあと思ったのがそもそもの執筆動機というか。もっと書きたいこともあるけれど、300ページの約束を派手に破って340ページにしてしまったので、編集者にネット土下座しつつ、書けなかったことはどこか別の場所で発表したいと思います。

年末年始返上で苦しみながら取り組んで、もう絶対に描き下ろしなんかやらんと思っていたのに、いざ発売されて自分の手を離れると、もう一回やってもいいかなと思ってしまうのが不思議。典型的な喉元過ぎれば熱さを忘れるじゃん。

皆さん、『通訳というおしごと』を宜しくお願い致します!

2020年2月4日

また放置してたら年が明けた。

ダーッと集中して書いたと思ったら、数か月というか1年近くの放置プレイがお約束になりつつある本ブログですが、明けましておめでとうございます。近況をいくつか。

1.新著がでます。アルク社のはたらくx英語シリーズ最新刊、『通訳というおしごと』です。『同時通訳者のここだけの話』が出版されてから、執筆後記を細々と書いていたのですが、5月19日を最後に更新が途絶えていたのは新刊を執筆していたからです。執筆後記、今月からぼちぼち再開しますよ(1年後だけど)。

この新著、本来であれば夏くらいに仕上げて12月に発売、みたいな流れを想定していたのだけど、私が調子に乗って怠けていたら作業が大幅に遅れました。その結果、担当編集者に静かに怒らたので(一番怖いパターン)、心を入れ替えて、年末年始を返上して頑張りましたよ。書き下ろしって難しいですね~。

本書は若干の技術的要素があるものの技術本ではなく、どちらかといえば通訳を仕事として成立させ、これで生きていくためには何を考えてどう行動すべきかを書いた一冊です。本当はもっと具体的に書きたい部分もあったのだけど、具体的すぎるとニッチな作品になってしまうので、書けなかった部分はイベントで、またはウェブコンテンツとして発表しようかなと。いずれにしても、通訳者を目指す人が必ず手に取ってくれるような本に仕上げたつもりです。

2.今年から禁酒してます。もともとあまり飲まなかったのだけど、年齢を重ねるとともに体がアルコールを分解するスピードがかなり遅くなり、飲んだ翌日の生産性が激落ちしていたのと、個人的には瀧本哲史が亡くなったのが結構大きな影響です。生前の瀧本は思考を常にクリアに維持するためにアルコールを一滴も飲まないとインタビューで語っていました。私も今後はそうしていきたいと思います。そもそも酒を「美味しい」と感じたことは一度もないですしね。

3.いろんな人に「オンラインで教えないんですか?」と聞かれていますが、現時点では優先すべきことがあるので考えていません。というか、教えるのって簡単じゃないのよね。きちんとした授業をしようと思ったら相当な準備をしなきゃならない。でもまあ、2~3年後には本格的にやるかもです。10台~20代に通訳を教えたいという考えは以前からあるので。

4.日本会議通訳者協会の活動も順調です。会員数は250近く、認定会員も30名になりました。昨年の英国に続き、今年(というか今月末)は米国で認定試験を実施します。本当の意味でグローバルな団体になりつつあります。ちなみに今年の日本通訳フォーラムは8月22日(土)に決定しました。オリンピックとパラリンピックのあいだの週末というチャレンジ企画的な日程です!29日に変更&確定しました!

今年も走り続けます。宜しくお願い致します!

関根マイク