音楽的表現は通訳者が工夫する余地があるものの、楽器の名前などは事前に知っていないとどう足掻いても誤魔化せません。加えて、楽曲の背景知識やストーリーを把握しておかないと、訳が生き生きとしません。ここも通訳者の力の見せ所です。
本件を受けたときは中東特有の言葉や表現に困らされるのかなあと若干不安でしたが、フタを空けたら特別ゲストの布袋寅泰さんの英訳が一番難しかった!といっても彼が悪いのではなく、彼の詩的な日本語表現を同じく詩的な英語表現にするのが難しかった、という意味です。「自分の音楽がこうして海を越えてサウジの風をまとい、こうやって日本に戻ったころを誇りに思う」というようなシンプルな文章でも、「まとう」ってどう訳そうかな、とメモをとりながら考えるものです。最終的にどんな訳にしたのか正確には覚えていませんが、たしか "I'm extremely proud of the fact that my music traveled across the ocean to be embraced by the winds of Sauid Arabia, and now it's back home in Japan." みたいな味付けだったと思います。
全体的にはもっと上手くできたかなと思いますが、布袋さんの事務所関係者から「とても素敵な通訳だったとうちの布袋が言ってました」と直接伝えられて、それがとても嬉しかったです。世界のHOTEIに認められちゃったよ!うひょーーー