2024年11月23日

Marvels of Saudi Orchestra in Tokyo

9月の案件で結果を残し、すぐにこの案件を頂きました。サウジアラビアはいま、国を挙げて文化振興に取り組んでおり、このMarvels of Saudi Orchestraツアーもパリやニューヨークを含む世界各地で開催され、東京は5か所目。その文化的にも政治的にも重要なイベントの通訳を弊所が担当することになりました。

音楽的表現は通訳者が工夫する余地があるものの、楽器の名前などは事前に知っていないとどう足掻いても誤魔化せません。加えて、楽曲の背景知識やストーリーを把握しておかないと、訳が生き生きとしません。ここも通訳者の力の見せ所です。

私は本番を担当したのですが、運が良かったのは事前記者会見を通訳仲間の平井美樹さんにお願いできたことでした(写真右、左端)。彼女が基本的な用語・表現とメインメッセージを案件後にまとめてくれたので、盲点だった日・サウジアラビア外交関係樹立70周年(2025)についても知れました。初見でも現場で対応できたでしょうが、やはり事前に知っておきたいものです。訳の精度もかなり向上しますし。

本件を受けたときは中東特有の言葉や表現に困らされるのかなあと若干不安でしたが、フタを空けたら特別ゲストの布袋寅泰さんの英訳が一番難しかった!といっても彼が悪いのではなく、彼の詩的な日本語表現を同じく詩的な英語表現にするのが難しかった、という意味です。「自分の音楽がこうして海を越えてサウジの風をまとい、こうやって日本に戻ったころを誇りに思う」というようなシンプルな文章でも、「まとう」ってどう訳そうかな、とメモをとりながら考えるものです。最終的にどんな訳にしたのか正確には覚えていませんが、たしか "I'm extremely proud of the fact that my music traveled across the ocean to be embraced by the winds of Sauid Arabia, and now it's back home in Japan." みたいな味付けだったと思います。

全体的にはもっと上手くできたかなと思いますが、布袋さんの事務所関係者から「とても素敵な通訳だったとうちの布袋が言ってました」と直接伝えられて、それがとても嬉しかったです。世界のHOTEIに認められちゃったよ!うひょーーー

2024年11月12日

バイオ医薬品のイノベーションと資金調達。

 
在日米国大使館の依頼で Navigating Biopharma Innovation Across the Pacific イベントの同通を担当しました。米国大使館はデポジションで訪れることが大半なのですが、少しは名前が知られてきたのか、最近は大使館が関与する個別イベントにも呼ばれることが増えています。

資金調達などファイナンス寄りの話は慣れているのですが(といっても、ファイナンスには様々な種類があるので油断はできない)、ガチなバイオ技術の話になったら置いてきぼりにされそうなので、恥をかかないために時間を多めにとって準備。こういう時、いつも「若い時、ちゃんと生物と化学をサボらずに勉強しておけばよかった……」と思います。何事も基本ができていないと、後にとても苦労します。実際、私は苦労することが多いです。

どうでもいいですが、赤坂インターシティAIRの同通ブースは一級品ですね。こんなブースで毎日仕事がしたいものです。