通訳を学ぶ人に覚えておいてほしいのが、通訳では「聞きやすさ」も正確性と同じくらい重要だということです。いくら情報が正確でも、言葉が聞きにくいと理解しにくいし、理解できないこともあるのです(ホントに!)。
私は昔から、「小学生でもわかるような通訳をしなさい」と教えています。これは機械のようにぎこちなく直訳したり、専門家が話すような退屈な口調でなく、もっと自由に、相手に「伝える」ことを明確に意識した通訳をしなさいという意味です。自分が感じていること、実践していることを言語するのは簡単なことではないので、「小学生とはちょっと言い過ぎかなあ」と思っていた時期もありましたが、これを観てやはり自分は間違っていなかったのだなあと確信しました。
「賢い小学6年生に話しかけるように」はまさに私が感じていることと同じです。業界は異なりますが、聞き手を意識することは同じですね。
ちなみにこの動画に出ているAlex Blumbergはラジオ/ポッドキャスト業界でかなりの実績(This American LifeやPlanet Money)をもつプロデューサーで、今夏には自身のポッドキャストビジネスを起業して話題になっています。起業の「き」も知らないアレックスが試行錯誤しながら、そして時に妻に突っ込まれながらも、たくさんの支援を得ていく姿は現代のアメリカンドリームを見ているようです。
Gimlet Media