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2017年8月26日 日本通訳フォーラム2017

2011年2月28日

松坂・岡島の新通訳はサーカス・ラグビー出身?

毎年のようにメジャー優勝候補に挙げられるレッドソックスですが、球団所属の松坂大輔・岡島秀樹の両投手にそれぞれ新しい通訳者が雇われました。サーカスとラグビーという、異なるバックグラウンドから来た通訳者です。

メジャーはもう5年目 松坂&岡島にそれぞれ新通訳 (zakzak、2月24日)

 今キャンプから、レッドソックスに所属する日本スタッフの顔触れが変わった。といっても選手ではない。松坂大輔、岡島秀樹両投手の通訳がともに新しくなったのだ。

  松坂の通訳を務める山田健太さん(28)は、千葉県船橋市出身。米カリフォルニア州の大学でスポーツ医学を専攻した後、日本でサーカス集団「シルク・ ドゥ・ソレイユ」のトレーナーをしていた。オフにハワイで行われた自主トレでは松坂と同じメニューに取り組んだ「体育会系」だ。米メディア向けの記者会見 にデビューした際には「緊張した」と硬い表情ながら、そつなくこなした。

 岡島の通訳は、アメリカ人の父と日本人の母を持つジェフリー・カトラーさん(27)。亜大に留学し、サントリーのラグビー部で4年間通訳を務めた。レッドソックスの地元ボストンが出身とあって「夢のような仕事と機会」と精力的に走り回っている。

 ともに野球経験があり、担当する選手のキャッチボール相手を務めることも。練習後には通訳同士で「投球練習」を行うなど、新天地での奮闘が続く。

スポーツ関係の通訳は報酬が比較的低いのが普通ですが(会議通訳等との比較)、おカネを越えた体験と感動に得るチャンスもあるわけです。個人的にもおススメですよ!もう一度通訳人生をやり直すとしたら、私もメジャーを目指してみたいです。

2011年2月26日

通訳頼みの橋下大阪府知事、語学力の重要性を実感

「やっぱり語学力」 通訳頼みの橋下氏、インドでぼやく(朝日新聞 2011年2月12日)

 【ニューデリー=池尻和生】英語が準公用語のインドを訪問中の大阪府の橋下徹知事が、現地で英語教育改革をしきりに唱えている。英語が苦手な橋下知事は海外での会話は通訳頼み。得意の発信力を発揮できない自らを省みての叫びとなっている。

 「やっぱり語学力ですよね。ほんとにこればっかりは情けないというか」

 10日、ニューデリーで開かれた日印企業の交流会で、日本語によるスピーチを終えた橋下知事はこう話した。ふだんは府職員が作った原稿を読むのを嫌うが、この日は得意のアドリブもほぼ封印。冗談を言っても笑いを取れず、「次の世代にこういう経験をさせたくない」と漏らした。

 知事就任まで海外旅行の経験がなかった橋下知事は、就任後の海外訪問で英語力に悩まされてきた。このため、公務の後、英会話の個人レッスンをひそかに受けてきたが、思うように上達しない。ニューデリーで要人に面会した後、自らの英語力アップに「もう無理」とギブアップ宣言した。

 一方、グローバル化する世界のなかで、子どもたちの英語力強化は不可欠として、新年度から高校にTOEFLの受験を促す制度を導入するなど英語教育に力を入れる方針だ。「いまの英語教育はだめ。朝から晩まで英語をしゃべらせたい。英語教育革命をやる」。猛烈な意欲を燃やして13日に帰国する。

教育政策として第二言語の習得に力を入れるのは大いに賛成ですが、これは政治家が通訳抜きで情報を適切に発信する事とは別問題だと思います。というか、政治家はむしろ通訳者を使うべき。異なる言語で喋る時、話者の「考え方」そのものに影響を与える傾向があることは言語学の研究でも指摘されているし、そもそも政治家は語学力よりも思考能力の方が大事。日本語を喋れる在日米国大使も、公式会見等では必ず母国語の英語で喋る。母国語で喋るというのは、政治的戦略でもあるのです。

2011年2月20日

Translators United for Peace 平和をめざす翻訳者たち

エジプト動乱の際に色々調べていたら発見した団体です。

Translators United for Peace 平和をめざす翻訳者たち

TUP(タップ)では、(外国語で書かれた)重要で多様な情報を機動性をもって邦訳して広く提供することで、日本の市民から政治とメディアにまでインパクトを与え、戦争のない平和な世界の実現に貢献することを目的としています。

過去に配信した内容には書籍化されたものもあるようです。ボランティア翻訳者を募集しているようなので、興味がある方はぜひ。

2011年2月14日

2/27 iPhone User Meeting in Okinawa vol.1

ツイッター上で、半ばノリで始まったOkinawa iPhone User Groupですが、照屋会長や他のメンバーの努力のおかげでどうにか第一回のイベントを企画するに至りました。皆さん、ぜひ御参加を!

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日時:2011年2月27日(日) 13:00~17:00
定員:60名
場所:琉球新報本社ビル2階ホール
※駐車場が無いので、公共交通機関のご利用をお願いします。

司会:横目大道(ひろみち)

■プログラム

「進化し続けるスマートフォンで実現するビジネス革新」 
中山五輪男 ソフトバンクモバイル株式会社 スマートフォン推進部 シニアエヴァンジェリスト

「沖縄観光アプリOkinawa2Go!ご紹介」 
石田雄太 ソフトバンクテレコム株式会社 営業開発本部 クラウドエンジニアリング統括部 担当部長

「アプリビジネスよもやま話」 
安田陽 株式会社レキサス

「キシャバタロットの野望と現実と未来」 
木曽隆 ブロッコ・デリ・アーキテクツ有限会社 代表取締役 インタラクションエンジニア

「リリースアプリの解説と開発秘話」 
小原美和 琉楽.com株式会社

パネルディスカッション テーマ「iPhone & Twitter」
河野真治(琉球大学工学部 准教授)
鈴木孝昌(沖縄ホームページ制作工房Webcrafts)
比嘉真澄(OiUG)
来間信也(OiUG)
又吉演(コーディネーター)

後援:琉球新報社、沖縄タイムス社、沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄(順不同)

スピーカーのプロフィールはこちら
※講演の順序は前後する可能性がありますのでご了承下さい。

・当日はUstreamによるライブ配信や写真撮影を予定しています。
・会場には来場者用の無線LANはありません。DoCoMo、au、Softbank、Emobileの電波は入ります。
・Twitterハッシュタグ:#oiug

【追記】

お気に入りアプリのアンケート集計結果を発表しました。

2011年2月12日

サッカー通訳はつらいよ?

サッカー日本代表がアジアカップで優勝した。私は一月中旬から某ドイツ企業と某日本企業の商談を連日通訳していたのだが、普段なら通訳者の体力も集中力も無視して進める(笑)クライアントが、さすがに準決勝と決勝の夜だけは「今夜はサッカーがあるので早めにきりあげましょう!」とすんなり合意していた。ドイツ企業の幹部はドルトムントのファンで、香川選手に注目していたというのもあったかもしれない。

ところで、アルベルト・ザッケローニ代表監督の就任会見を通訳した通訳者が、テキトーな通訳をして大ブーイングに遭ったことは既に多くの方々がご存知の通りですが、まだ知らない人のために簡単に説明すると、「アジアカップでの目標は?」という記者の質問に対してザッケローニ監督は:

「今や日本はアジアだけでなく、世界において重要な存在になった。時間はあまりないが、絶対的な主役を演じなければならない。」

とイタリア語で答えたのですが、同時通訳者は:
「アジアカップはまずあのー、突破、トップ3に狙わないといけない。日本はやっぱりあのアジアだけでなく世界で、非常にあのー、力を見せた国ので、 あのアジアカップでも力を見せないとと思う。」

としどろもどろに訳したのです。「トップ3」なんて約束していないので、当然これは後で問題になったわけですが、後で実際にわかったのは、通訳者自身も経験が浅い方だということで(というか、プロの通訳者ではなく、会社経営者)、この事件の後に再び呼ばれることはなかった模様。そしてフルタイム通訳者として雇われたのが矢野大輔さんです。大黒選手がトリノに在籍している時に通訳として一緒に仕事をした方で、こちらにインタビューもあります。

この矢野さん、すでにネット上では通訳者としての能力を疑問視されています。知人のイタリア語通訳者は「棒読み訳」とあまり評価していませんし、実際、決勝戦後のインタビューで監督が明らかに「complimente Korea (韓国代表のプレーを称えたい)」と発言していたのに、それを全く抜かしていた。イタリア語を知らない私でもわかることを訳抜けするというのはいかがなものか。それにメモを全くとっていないというのも驚き(これは矢野さんに限る話ではないけど)。他にも、ザッケローニ監督が険しい表情をしていても後ろでニコニコしていたり、日本がゴールを決めたら、ザッケローニ監督の表情やリアクションなどおかまいなく喜び一杯ではじけてたりと、その資質自体を疑う人もいます。通訳者はクライアントと同じ感情を共有するように努めなければならないというのは通訳者の常識中の常識ですので。

さて、日本経済新聞の武智幸徳編集委員が「ザッケローニ新監督の言葉を伝えるのは…通訳の重要性」で特に通訳者の重要性について書いています。

外国人監督の成否は、ほとんど通訳にかかっているといっても過言ではないからだ。いくら当人が濃密なコミュニケーションを選手やメディアとの間に築こうと思っても、あるいは具体的な戦術を授けようとしても、それが十全に伝わらなくては宝の持ち腐れになってしまう。

ただこの濃密なコミュニケーションというのは、必ずしも全てをありのままに伝えるというわけではない。監督と選手の信頼関係がまだ十分に構築されていない場合などは、通訳者がそれを察して、監督のメッセージを自己裁量で加工して伝えることもアリなのです。それがコミュニケーションとして良い結果をもたらすのであれば。例えば「日本サッカーの父」とされるデットマール・クラマーの通訳だった岡野俊一郎さん。

当時のクラマーさんの言葉の中には相当激しい叱責もあったそうだが、それをそのまま選手に伝えるとまずいと岡野さんが判断したときは、オブラートにくるんだり、とぼけて通訳しないこともあったという。

ここで思い出されるのがイビチャ・オシム監督の通訳だった千田善さん。最初はオシム監督のスタイルに馴染めなかったのか、何度も泣かされたことがあったとか。例えば前回のアジアカップの初戦、格下のカタールを相手にして、痛恨の引き分けに終わった日本代表。ロッカールームに戻ったオシムは選手に激怒して「お前たちはアマチュアだ!!」とバッサリ言った。千田さんは「これはとても言えないよ…」と思い沈黙し、果てには泣き出してしまったと。ジャーナリストの永田実がニコ生で語った話です。

ただオシム/千田コンビは練習と試合を重ねるごとに息が合ってきて、後期はとても良いコンビでした。トルシエ/ダバディの名コンビに匹敵するコミュニケーションの密度だったと思います。

ジーコ/鈴木コンビも、フィールドで結果は残せませんでしたが、コミュニケーションの密度は高かった方だと思います。鈴木さんはジーコ監督の感情と意志を共有していました。なにせ、監督の怒りを代弁して、監督より先に退場処分を食らった通訳者ですからね!


相手選手の危険なプレーに対してジーコ監督が派手に抗議。それを見た主審が駆け寄って来たところに鈴木通訳が立ちはだかり、「監督に話したければオレの屍を越えていけ!」とばかりに、こちらも猛抗議を展開。退場処分となったのでした(こういうアツい話、私は好きですがね)。

2011年2月10日

無罪判決に検察が控訴断念 通訳の手配ミスが理由の一つ?

1月24日にでた裁判員裁判での全面無罪判決に検察が控訴を断念。日本初とのことです。

検察側、控訴断念へ=全面無罪で初-覚せい剤密輸の裁判員裁判

 覚せい剤4.5キロを密輸したとして覚せい剤取締法違反などの罪に問われ、一審東京地裁の裁判員裁判で無罪とされた中国人男性(33)について、東京地検は1日までに、控訴を見送る方向で検討を始めた。
 裁判員裁判での全面無罪判決はこれまで、千葉地裁の覚せい剤密輸事件や鹿児島地裁の強盗殺人事件など4件あるが、検察側が控訴を断念した例はない。全面無罪が確定すれば裁判員裁判で初めてとなる。

時事どっとコム(2011/02/01-21:53)

判決では、広東語を日常使っている被告は北京語や英語の理解が不十分なのに、家宅捜索から逮捕されるまで立ち会った通訳は北京語と英語が専門だったとして「被告の発言が警察官に正確に伝えられたか疑問」とされています。私は香港に住んでいた時期も長かったのですが、広東語と北京語は全く異なる言語、まあ例えるならフランス語とスペイン語のようなもので、このような初歩的な通訳手配ミスはあってはならない事です。

日本と比べて、アメリカなど、司法通訳が制度としてより高度に発達している国では、「似たような言語だと思うから」を根拠に通訳者が手配することはまずありません。被告人の母語の通訳者を手配することを原則とし、その原則に忠実だからこそ、希少言語の通訳者が手配できないために公正な裁判が担保できないとして、被告人が自由の身になるという事件も起きています(これが良いか悪いかは視点によって判断が分かれる所でもありますが)。

日本ではまだ「母語は○○語だけど、英語がそこそこ喋れるらしいから英語でいこうか」という例が少なくありません。例えばフィリピン国籍の被告人はフィリピン語(タガログ語)ではなく、英語で裁判を受けることが少なくないと聞いています。どちらかというと裁判所の利便性が優先されているシステムである感は否めません。まだ改善の余地は十分にあると思います。

2011年2月6日

八代登志江さんが逝去

2月3日に『通訳・翻訳ジャーナル』編集部から下記のメールを頂きました(引用は抜粋)。

さる、1月18日、『通訳・翻訳ジャーナル』前編集長、宮代(八代)登志江が病気のため逝去いたしました。葬儀は、故人と喪主の希望により、家族葬として執り行いましたことをご報告させていただきます。またこのため、皆さまにはご連絡を差し控えさせていただきましたが、何卒ご理解賜れば幸いです。

八代は、昭和63年に入社後、『通訳・翻訳ジャーナル』を立ち上げ、以来、永きに渡り編集長を務めてまいりました。また、平成20年に退社した後も、ライター・アドバイザーとして弊誌に関わっておりました。皆さまには、幾度となく、取材・ご執筆などでご協力を頂いたことと存じます。誠にありがとうございました。

八代さんには、私が日本翻訳者協会の理事だった頃には本当にお世話になりました。当時の日本翻訳者協会は広報部が無く(広報機能すら無く)、新米理事で結果が欲しかった私は八代さんに色々と無理なお願いをして、『ジャーナル』誌面に記事を掲載させて頂いたり(連載は今も続いています)、東京で毎月開催されているイベントで講演して頂いたりしました。編集部を離れてからも積極的に活動しており、「引退してもこき使われてるのよ~」と、笑って私に冗談を言っていた記憶があります。自宅でのワインパーティーに誘って頂いたこともありました。もう闘病生活が始まっていたのですが、決して弱い所を見せようとはせず、自分よりも周りの人を気遣っていたのが印象的でした。

八代さん、色々と教えて頂いてありがとうございました。また会う日まで。

2011年2月4日

那覇地裁で法廷通訳研修。

昨日は那覇地方裁判所主催の法廷通訳研修に参加しました。年が明けてからお得意様からの依頼が相次ぎ、嬉しい悲鳴をあげつつ研修は不参加の方向で…と考えていたのですが、1月末になってこの日だけなぜかキャンセルが入り、加えて私の元生徒2名がオブザーバー参加することになったので、これはもう行かなければ逆に不自然な状況になったというわけです。

研修の内容は1月中旬で受けた福岡高裁主催の研修とほぼ同じでした。午前中は刑事裁判の流れと裁判員裁判の概要、午後は模擬裁判と、最後に裁判所関係者とのディスカッション。那覇地裁の某若手裁判官は新しい技術を積極的に取り入れる意欲的な方で、以前に公判前整理手続きのメモ取りにiPadを使っていたのを見てちょっと驚いたのですが(なにせネットに接続されているPCも限られている組織ですので)、この日はKeynoteで見事なプレゼンをされていました。海外留学の経験もあり、英語も喋れる方です。日本法令外国語データベースシステムの裏話なども聞かせて頂きました。

さて、どの都道府県でもそうですが、沖縄県でも有能な司法通訳者は不足しています。裁判所としても通訳者の技能の向上を図るために研修を開催しているのですが、そもそも優れた通訳技術のベースを持った人材が集まりにくい現状があります。裁判所・検察の仕事だけでは生活していけないので、多くの通訳者は基地内などでフルタイムの仕事に就くわけで、すると司法通訳者になる人は1)フリーランスで、2)他の仕事で生活費を十分稼いでいることが絶対条件になってしまうのです。今回集まった研修生もフルタイムの仕事を抱えている方ばかりで、これでは研修自体があまり意味ないのでは・・・という思いもありますが、同時に、既存の枠組みでできることをしなければならないとも思います。システムを根本的に変えないと、解決は難しいですね。